週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.95

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せるような仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 作曲とミキシングのアイデア帳

  3. 今週の音楽ニュース

  4. ブログ更新のお知らせ

  5. サービス・書籍のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

カセットプレイヤーを購入しました。

知人のMamazuさんに教えていただいたAUREX AX-T10というプレイヤーで、スピーカー付きのコンパクトでおしゃれなデザインがとても気に入っています。

早速、家にあったlofi系の音楽を聞いてみたのですが、音楽との相性もよく、カセットで音楽を消費する喜びを噛み締めています。

カセットには寿命があるので、厳密には一回聴くごとに音が劣化しているはずですが、そういった「モノを消費している感じ」と、「今この瞬間、自分たった一人のためにその音楽が再生されている」という感覚を得られるのが、ストリーミングにはない大きな魅力だと思います。

テープ独特のコンプレッションや、音のヨレ具合も愛おしい。

でも個体差もあるのか、思ったより音がヨレヨレで、原曲とかなり違いがあることに気づきました・・・

このヨレ具合も含めてテープの魅力なのだと思いますが、作曲家の意図しない音になっているので、じっくり音楽の世界に没頭したいならレコードかデジタル媒体が良いと思います。

これから、ちょっとづつコレクションを増やしていって、カセットと相性の良い音楽を探していきたいと思います。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

YuEという新たな作曲AIが登場しました。

MetaのLLaMAをベースにした完全オープンソースのモデルで、香港科技大学(HKUST)とMultimodal Art Projectionというところのプロジェクトです。

音質面ではSuno AIやUdioの方が優れていますが、感情表現だけにフォーカスすると、結構いい線いってると思います。

音楽例を聴いてみると、なんかYuEの方がSunoよりグッと心に迫る気もする・・・

以下の説明ように、メロディやボーカルを並列処理することで音楽的な響きを得ているのでしょうか。

YuEは、音楽をトークンと呼ばれる離散的な単位に分解して処理します。これは、自然言語処理においてテキストを単語や文字などのトークンに分割するのと同様の発想です。歌詞、楽器、リズム、音高、音色など、音楽を構成するさまざまな要素がトークン化され、モデル内部ではトークン列として音楽が表現されます。このトークンベース処理により、複雑な音楽構造や長い楽曲も比較的容易に扱うことが可能になります。
従来の音楽生成AIの多くは、楽器パート、ボーカルパート、歌詞などを別々に生成し、後から単純に合成する方式を採用していました。この方式では、各パート間の一貫性や協調性が損なわれやすく、音楽全体として不自然な印象を与えることが課題でした。

YuEは、この課題を克服するために、革新的なデュアルトークン技術と並列処理を導入しました。この技術では、ボーカルトークン、インストゥルメンタルトークン、テキストトークンなど、異なる種類のトークンを同じタイムステップで並列に処理します。これにより、ボーカルと伴奏が互いに影響し合いながら、かつ同期して生成されるため、音楽的な一体感と自然な流れが生まれます。

先日、中国からDeepSeekっていうとんでもないAIが出てきましたが、音楽も同じように、急にSunoやUdioを超えてくるAIが出てくる可能性もありますね。

YuE AI、気になる方は、こちらから試してみてはいかがでしょう。

📰 今週の音楽ニュース

毎週、世界中から厳選した音楽ニュースをお届けします。

🎧サービス・書籍のご紹介

<有料note>

<著書>

作曲AIに関する書籍を出版しました。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はチェックしてみてください。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.95

2025年2月7日発行

Blog: https://studio-okina.com/