週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.90

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せるような仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 作曲とミキシングのアイデア帳

  3. 今週の音楽ニュース

  4. ブログ更新のお知らせ

  5. サービス・書籍のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週は実家の京都に来ています。

ブログにも書きましたが、知り合いの大学の先生に低周波の研究をしている方がいまして、その方が言うには、「全国のスピリチュアルスポットには多くの低周波が多く含まれている」とのことでした。

iPhoneのスペクトラムアナライザーは持っていたのですが、その方に以前紹介していただいた低音専用のアナライザーを使い、せっかくなので、京都と東京でどのくらい低音の感じが違うのかを調べています。京都の強力なスピリチュアルスポットである鞍馬山でも測定してみましたが、確かに超低域がまんべんなく含まれているように思いました。まだいろんな場所を測定したわけではないので定かではありませんが・・・

スピリチュアルスポットは低域が多いそうですが、個人的には超低周波は少ない方が住みやすいと思っています。東京は車も多く、低周波がかなり多い印象なので、それが多くの人のストレスになっているのでないかと。

低域を意図的にコントロールするのは難しいですが、もし低域の秘密がわかれば、引越しの時に「低周波の感じを見て物件を決める」ということもできるかもしれませんね。

さて、今週は京都でもう少し低周波を記録し、来週は東京でも記録してみて、どのような結果になったのかをまたお伝えできればと思います。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

イギリスのアーティストPlaidが、自分たちの愛用しているフィジカルモデリングツールやAIについて語っています。

普段から色々とプラグインを深掘りしているようで、マニアックなツールが紹介されていました。中でも面白そうだったのがLoom 2。「モジュラー・アディティブ・シンセサイザー」と書かれているので、Buchlaのような加算方式シンセサイザーなのでしょうか。早速ダウンロードして使ってみましたが、僕の欲しいハードウェアシンセ「Ensoniq Fizmo」に似たサウンドだったので、めちゃめちゃ欲しくなりました。使い勝手がよければ購入するかもです。

あとNewfangled AudioのGenerateも紹介されていましたが、こちらは僕もよく使っているシンセプラグインです。Buchla方式を取り入れた特殊なシンセシスを採用し、プラグインなのにモジュラーっぽい独特なサウンドが出せるので、モジュラーの実機を下手に使うよりもよっぽど良いのではないかと感じます。

AIについても結構深掘りしているらしく、今はGoogleのMusicLMに可能性を感じているそう。AIについての見解も書かれていましたが、なかなか興味深いものでした。

私はAIにまったく脅威を感じていません。なぜなら、今でも何万人もの若者が電子音楽を作って毎日リリースしているからです。彼らは人間で、AIモデルよりもずっと優れた音楽を作っています。AIツールが増えても、ただ一般的な音楽が増えるだけで、そんな音楽はもう溢れているんです。注目されるのは、AIを独創的に使うか、全く新しい音楽を作る人たちでしょう。それが本当に面白いと感じます。

「AIツールが増えても、ただ一般的な音楽が増えるだけ」という意見にはものすごく納得ですね。AIツールは作曲のサポートをしてくれますが、あくまで補助的なツールであり、独創的な音楽を作るにはやはり人間がAIのサジェストしてくれたものをブラッシュアップする必要があります。僕も最近Suno AIをベースにオリジナル楽曲をいくつか作っていますが、Suno AIにただ音楽を出力させるだけでは素晴らしいものにはならず、やはり人間の手によるエディットが必要だなとひしひしと感じています。

Suno AIやUdioは、これからますますステム機能やExtend機能などを強化する方向に進んでいくことと思います。ここが強化されれば、今年はより多くのアーティストが自動作曲AIを使うことになるでしょうね。

📰 今週の音楽ニュース

毎週、世界中から厳選した音楽ニュースをお届けします。

🖊️ブログ更新のお知らせ

🎧サービス・書籍のご紹介

<著書>

作曲AIに関する書籍を出版しました。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はチェックしてみてくださいね。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.90

2025年1月3日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info