週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.85

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せるような仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. サービス・書籍のご紹介

  2. 近況

  3. 作曲とミキシングのアイデア帳

  4. 今週の音楽ニュース

🎧サービス・書籍のご紹介

<著書>

作曲AIに関する書籍を出版しました。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はチェックしてみてくださいね。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

先週も少しご紹介しましたが、Suno AIのV4を試してみました。

僕が感じた、V3.5との違いは以下の通りです。

  • ボーカル性能の向上、V3.5時代のオートチューンがかかったような変な声が解消

  • 全体的な音質の向上

  • より長尺の生成が可能に

曲によってはV3.5の名残りもありますが、全体的に進化しています。特にボーカル性能が向上していると感じました。すごくリアルなので、これをステム分離で取り出して、音楽自体は自分で作ってしまうのも良い使い方ではないかと思います。まだまだ進化の余地はありますが、V4を聴いてしまうとV3.5には戻れないなと感じるくらい進化しています。

ライバルのUdioはまだベータテスト中なので、正式リリースがあれば一気に音質面や機能面での向上があるかもしれませんが、今のところ自動作曲AIならSuno AIがNo.1でしょう。

こんな感じで、自動作曲AIはどんどん進化していますが、これでますますアーティストが不要になったかと言えば、決してそんなことはありません。人間にしか作れない音楽領域は、依然として残っています。

先日、こんなツイートを見かけて妙に納得してしまいましたが、確かにアーティストとして音楽を生み出すなら、Suno AIやUdioは良い指標になると思います。

作曲AIが登場したことで、ありきたりな音楽の価値がなくなり、むしろ新しい音楽が生まれやすい土壌が育ってきているとも言えるんじゃないでしょうか。

AIは単なる時短の道具ではなく、新しいアイデアを生むきっかけとして、人間のさらなる創造性を刺激する存在になりつつあるのかもしれませんね。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

こちらは、Fred Againの制作手法を解説した動画。

単純なループを魅力的にするための、5つのちょっとしたコツが紹介されています。

その中でユニークで面白いと感じたのは、Fred AgainがiPhoneマイクを使って自分の声を録音し、それをプロダクションに取り入れているという点です。

これはメインボーカルというよりも、リスナーを飽きさせないためにエフェクトのように曲中に散りばめられている声のことでしょう。 彼ほど著名なプロデューサーだと、良いマイクを使い、整えられたボーカルブースやスタジオで録音しているイメージがありますが、実際エレクトロニックミュージックのプロデューサーは、アイディアをすぐ形にするために、簡易的なマイクで録音し、自分の声をエフェクトなどで加工して使用するケースも多いのです。

この動画では、フィルターやサイドチェーンなどの基本的なテクニックにも触れているので、復習的がてら観てみると、案外新たな発見があるかもしれませんよ。

📰 今週の音楽ニュース

毎週、世界中から厳選した音楽ニュースをお届けします。

セミモジュラーシンセSumuが素晴らしいです。来月あたりレビュー記事書きます!

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.85

2024年11月29日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info