週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.78

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. AI時代の作曲術

  3. 作曲とミキシングのアイデア帳

  4. 今週の音楽ニュース

  5. Q&A

  6. 著書のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

最近改めてレコードの良さに気づき、IKEAの簡易的なプレイヤーしかないですが、家でよくレコードを聴いています。

レコードを鳴らしていると、 たとえスピーカーが3,000~4000円の安いものでも、とても音楽が心地よく聞こえるので不思議です。 デジタルではなくアナログであるということも関係しているとは思いますが、個人的にはレコードが持つ不規則性が心地よく感じるんだと思います。レコードの回転は常に一定ではありませんからね。

知人で、最近カセットテープを聴くのにハマっている方もいます。僕はまだカセットの良さには気づけていないのですが、おすすめのプレイヤーも教えてもらったので、中目黒のカセットテープ専門店Walzにでも行って、アンビエントテープを漁ってこようと考えています。

プレイヤーは、東芝が開発したこちらが良いとのこと。

いつもマスタリンググレードの良いヘッドフォンや、ちゃんと部屋なりを取り除いて調整されたスピーカーで音楽を聴くことが多いですが、 カセットテープやレコーダーといった耳なじみのあまりないメディアにたまに触れると、同じ曲を聞いても新たな発見がありとても面白いです。

新しい音楽の楽しみを追求している方、最近音楽を聴きすぎて何を聞いても楽しくないという方は、カセットテープ、いかがでしょうか。

さて先週も書きましたが、来週からおよそ1ヶ月、海外ロケに出ます。そのため、9/20~10/11までのニュースレターはお休みさせていただきますことご了承くださいませ。

また10月にお会いしましょう!

🤖AI時代の作曲術

最新のAIプラグインやAI作曲ツールの紹介。

またまたとんでもないAI画像生成サービスが登場しました。

GoogleのImageFXを使えば、シンプルなプロンプトでとんでもなくリアルな画像を生成することができます。

SNSでご覧になった方もいるかもしれませんが、ImageFXとRunwayなどのImage to Videoサービスを使い、CMのような作品を作っている方がたくさん現れています。

写真だけ見ると、本物かどうかわからないくらいリアルに生成されていますよね。

動画になると結構AI感が出ますし、写真でも細かい部分まで見ると、ギリギリAIが実写かを見分けられるのですが、 テレビコマーシャルなどでAIをガンガン使ったCMを僕らが見るのも時間の問題でしょう。

Runwayなどと組み合わせて、プロモーションビデオやイメージビデオを作るのは、かなり自然な形でできそうです。

僕もどこかで時間を作り、AIプロモーションビデオの制作に取り掛かってみようと思いますが、 年末までバタバタしているのでいつになることやら。。

最近はAIを使った新しいサービスも作り始め、11月から本格的に始動し始める予定ですので、またどこかでご紹介できればと思っています。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

Mad Keysによる、Arturia's FX Collectionを使ったサウンドデザインの手法が解説されています。

Arturiaはシンセプラグインだけでなく、エフェクトも充実していて、音作りの上手いアーティストが何を使っているのかなと調べてみると、Arturiaプラグインだったということが多々あります。

中でも、最初と2番目に紹介されているCOLDFIREとFRAGMENTSはかなり良いですね。

COLDFIREは、僕の敬愛するアーティストTrikkも使っていて、プリセットをそのまま使うだけでもバラエティ豊かなディストーションサウンドを楽しめます。FRAGMENTSはグラニュラーシンセシスによって音を切り刻み、幻想的なサウンドや少し変わったサウンドを瞬時に作り出すことが可能です。

動画の最初では複数のトラックを組み合わせて、音楽に深みを出す手法が紹介されています。

ただレイヤリングによって音を重ねるだけでなく、COLDFIREを使って少し加工したサウンドを使ったり、フィルターにオートメーションをかけたトラックを重ねてリスナーを飽きさせない工夫を凝らしたりと、観ていてとても勉強になります。

忙しい方は、最初の5分だけでも観てみると良いと思います。

📰 今週の音楽ニュース

🙋‍♂️Q&A

音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。翌週以降のニュースレターでお答えいたします。
マシュマロにて、お気軽にどうぞ。

📚著書のご紹介

ここ数年、音楽業界にもAIが着実に浸透しつつあります。

より効率的でクリエイティブな作曲方法を模索している方や、アートワークやミュージックビデオを自ら制作したい方に向けて、制作からプロモーションまでをアーティストが一人でこなすための、AI時代の新たな指南書を書きました。

AIを活用した最新の音楽サービスを、制作手順に沿ってわかりやすく解説しています。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.78

2024年9月13日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info