週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.77

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. AI時代の作曲術

  3. 作曲とミキシングのアイデア帳

  4. 今週の音楽ニュース

  5. Q&A

  6. 著書のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

前にも、このニュースレターでお伝えしたかもしれませんが、コヤッキースタジオというYouTubeチャンネルで、サウンドアーティストyujinさんの動画が上がっていたのですが、それの第二弾の動画が公開されていました。

yujinさんは、脳や身体に作用するサウンドを意識して音楽を作られているとのことで、第一弾の動画を見た時からとても気になっていました。第二弾ではコヤッキースタジオとコラボレーションした音楽が販売されており、5秒だけ動画内でも音楽が公開されているのですが、パソコンのスピーカーでもわかるくらいバイノーラルエフェクトが効いたサウンドでした。

yujinさんの音楽はあまりネットには出てこないのですが、今回販売されるとのことでとても興味あります。ちょっと高いですけど。。

ちょうど似たような話題で、僕もバイノーラルエフェクトや脳波を変える特殊なサウンドを使った音楽を、来週9/11(水)に5曲リリースすることになっています。

こちらはVIE株式会社様協力のもと、聴くことで5つの脳波(アルファ、ベータ、ガンマ、シータ、デルタ)を誘発する特殊な音楽に仕上がっています。これはオカルトやスピリチュアル系の怪しいものではなく、実際にVIE様のラボで脳波計を付けた方々に聴いていただき、すべて特定の脳波がしっかり立つことが確認された上で公開されます。

個人的にはガンマ波という、深い瞑想状態に入った時に出る脳波を誘発する音楽が、とてもうまく作れたのではないかと手応えを感じています。

くじらの鳴き声と共に、深い海の底に漂っている気分を味わえますよ。僕の音楽が有料でしか聴けないのか、無料で聴けるのかは分かりませんが、興味のある方はアプリをダウンロードして頂き、聴いてみてもらえると嬉しいです。

あとお知らせがありまして、、

今月半ばからおよそ1ヶ月、映画撮影のため、世界10都市近くを周る旅に出ることになりました。そのため、9/20~10/11までのニュースレターはお休みさせていただきます。

🤖AI時代の作曲術

最新のAIプラグインやAI作曲ツールの紹介。

突如、新たなAI自動作曲サービスが登場。

このサービスは無料なのですが、使ってみるとSunoAIやUdioと同じくらい音が良くてびっくりしました。

ステム分離ができなかったり、狙った曲を生成しづらいというデメリットはあるのですが、自分の撮った動画に音楽をつけてみたいという方などは、試してみる価値があると思います。

プロンプトがうまく楽曲に反映されないことがありますが、音楽のジャンルを指定できるので、この機能をうまく活用すれば作りたいジャンルから大きく外れることはあまりないと思います。作れる音楽の幅がSunoAIやUdioと比べれば少ないため、より様々なジャンルの曲やニッチなジャンルの曲を作りたいということであれば、SunoAIやUdioの有料会員になるのがオススメ。

無料でここまでのAI自動作曲サービスがリリースされるとなれば、あらゆる動画編集ソフトやDAWに自動作曲ツールが内蔵されるようになる時代も近そうですね。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

有名なヒット曲で使われているシンセサイザーやエフェクトは、意外とシンプルなものだったりします。

Clean Banditのヒット曲「Rather Be」で使われていたメインシンセサイザーは、Ableton LiveのOperatorというシンセサイザーに少し手を加えただけのシンプルなサウンドだったようです。Tape Notesのこちらの動画では、「Rather Be」のシンセサイザーサウンドの秘密が数分にまとめられています。

Operatorのシンプルなサインウェーブに少しLFOを加え、ADSRを変更するだけであのキャッチーなサウンドができるのは驚きですね。

気合を入れて音楽を作る時、有料のシンセサイザーを使って複雑なサウンドを作ろうとしてしまいがちですが、そんな時こそ、DAW付属のシンセサイザーやエフェクトでシンプルな音作りを心がけてみると、意外と面白いアイディアが思い浮かぶかもしれませんよ。

このニュースレターでは何度かこのTape Notesの動画を紹介していますが、最近は著名アーティストの出演も増え、良質な動画もどんどん増えてきている印象なので、そろそろPatreonの有料会員になっても、充分元が取れるくらいのサービスになってきました。

良質なチュートリアルやインタビュー動画に飢えている方には、Tape NotesのPatreon会員、おすすめです。

📰 今週の音楽ニュース

🙋‍♂️Q&A

音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。翌週以降のニュースレターでお答えいたします。
マシュマロにて、お気軽にどうぞ。

📚著書のご紹介

ここ数年、音楽業界にもAIが着実に浸透しつつあります。

より効率的でクリエイティブな作曲方法を模索している方や、アートワークやミュージックビデオを自ら制作したい方に向けて、制作からプロモーションまでをアーティストが一人でこなすための、AI時代の新たな指南書を書きました。

AIを活用した最新の音楽サービスを、制作手順に沿ってわかりやすく解説しています。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.77

2024年9月6日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info