週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.74

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. AI時代の作曲術

  3. 作曲とミキシングのアイデア帳

  4. 今週の音楽ニュース

  5. Q&A

  6. 著書のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週は、上野にあるCBDショップ「Vape Mania」に行ってきました。

今回の目的はCBDではなく、CBNという成分が入ったクッキーを買いに行くためです。このニュースレターの読者の方なら、CBDについての知識はなんとなくお持ちかと勝手に思っていますが、知らない方のために簡単にご説明しますと、、、

CBDは大麻から取れる成分の一つで、リラックス作用があることで知られ、日本でも合法的にCBDを含む製品が販売されています。最近では美容製品にもCBDが含まれていることがあるので、美容に詳しい方はなじみがあるかもしれませんね。

CBDには大麻のいわゆる「ハイ」になる成分は含まれていませんが、CBNという物質には、大麻の飛び成分であるTHC(これは日本では違法です)と似たような構造があり、THCと似たような効果が得られると密かに話題になっています。なんでもまとめ買いして野外フェスに持って行く人がいるのだとか…

CBDの摂取によってリラックス効果が得られるだけでなく、普段から考え事が多く、頭の中がごちゃごちゃしている方や、寝ている間も仕事のことばかり考えてしまう方にとって、何も考えずにリラックスするためのツールとして、とても効果的です。CBNの含有量によっては1枚4000円ほどしますが、その効果は半端ではありません。休みの日に半分だけ食べてみたところ、リラックスを通り越してベッドから起き上がれなくなってしまいました…笑

特に幻覚などが見えるわけではなく、ただただリラックスしすぎて、ベッドから起き上がれなくなるという状態になりました。

CBNは合法ですが、こんなことはなかなかXやブログでお伝えできないので、やはりニュースレターって良いですね。

今秋から規制がかかるとも言われているCBN。普段、頭の中のおしゃべりは瞑想で鎮めるようにしていますが、「今日は心身共にリラックスしたい!」という日のために、少しづつ買いためておこうかと思っています・・・

🤖AI時代の作曲術

最新のAIプラグインやAI作曲ツールの紹介。

AI時代の作曲術の中でアーティスト自らがアートワークを制作するためのツールとして、いくつかの画像生成AIサービスを紹介しました。

書籍の発売から2ヶ月ほど経ち、新たに優れたAIツールが登場してきているので、ここで改めてアーティストが使える画像生成AIをまとめました。

書籍内では、MidjourneyとDALL-E 3を紹介しましたが、

画像生成は、Midjourneyのクオリティーが最も高く、参照画像を入れたり細かいプロンプトの調整もできるので便利ですが、Adobe FireflyやCanvaなどを使って、それらのサービスにしか作れないような独特の雰囲気の画像を作るのもオススメです。

この2つのサービスはクオリティーがそれほど高くなかったので、本には書いていませんでしたが、最近とあるアーティストからCanvaの独特の質感が好きで使っているという話を聞きました。 確かにアートワークに必ずしも写真のようなクオリティーを求める必要は無いので、質感重視で使うならCanvaやFireflyも充分ありだと思いました。あと最近話題になっているBaseLabsのFluxがとても良かったのでリストに入れておきました。 実際に使ってみると、これまでAIが苦手としていた指などの細かい描写までしっかりと再現することができていました。

画像生成AIをフル活用するための3つのサービスもご紹介しておきます。

RunwayはMidjourneyやFluxで作った画像を動画化するのに、現時点で最も適したサービスだと思います。 Magnific AIは、AI画像をさらに高解像度にしてリアルな質感を出すためのサービス。 RenderNetも似たような機能で、AIっぽさを取り除くための画像修正サービスです。

アートワークを作るくらいなら、最初に紹介した画像生成ツールのみで充分だと思いますが、写真のようなリアルな質感が欲しかったり、それを動画化してプロモーションビデオを作りたいなら、あとで紹介した3つのツールが役立つでしょう。

AI時代の作曲術は半年おきくらいに改訂版を出して、最新のAI情報を盛り込んでいこうと思っていますが、こちらのニュースレターでも良いものを見つけた時は随時、最新の情報をお伝えしていきます。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

ミキシングやマスタリングに大切なモニターヘッドフォン。

細かいノイズや低音をチェックすることにおいては、スピーカーよりも重要な存在で、マスタリングエンジニアの中にはヘッドフォンのみでマスタリングを行う猛者もいるほど。

SonicScoopの記事に、2024年版のおすすめヘッドフォンが載っていたのでご紹介します。

2024年版だけあって日本未発売の製品もラインナップされていますが、僕のおすすめは、最近日本でも販売が始まったAudeze MM-100です。

Audezeといえば、MezeやDan Clarkとも並ぶ超高級ヘッドフォンを販売しているブランドで、マスタリングエンジニアやミキシングエンジニア御用達のブランドでもあります。

もちろん上位モデルに比べると解像度は低いですが、、音のバランスは間違いなし。本格的なヘッドフォンに買い替えを検討している人にもおすすめできます。

あと、個人的にはHifimanの音が大好きなのでHifiman Edition XSもおすすめです。Hifimanは平面磁界設計を採用していて、現代的なレスポンスの速いサウンドが楽しめます。ただ問題は、この記事にも載っているように製品によって品質にばらつきがあること。

店頭デモを聴いて気に入ったとしても、いざ購入してみると音が少し違っていた、なんてことになると悲しいですよね・・・

あとは、オーディオテクニカ、ソニーあたりは、これまでにも結構聴いてきましたが間違いない品質です。

Sony MV-1は、たまに仕事で使っていますが、とにかく軽くて疲れにくいです。疲れにくさだけで言えば、歴代ヘッドフォンNO.1かもしれません。音は値段相応といった感じで大きな驚きはありませんが…

こんな感じで、僕が実際に試したことのあるヘッドフォンを中心にご紹介しましたが、Audeze MM-100と並んで優勝に輝く「Avantone Planar the II」もとても気になります。

日本未発売みたいですが、Avantoneといえばモニタースピーカー「Mixcubes」を販売しているメーカーで、スタジオ定番のモニタースピーカーを開発するAuratoneと同じくらい名のあるブランドです。

MM-100と比較すると、Avantoneの「Planar the II」は、私の耳には、低音にほんの少しだけ「迫力」と厚みがあり、よりしっかりとした力強いサウンドでした。

とあるように、レビューをみる限り、MM-100の方がフラットでモニターライクなサウンドなのかなと思います。

日本での取り扱いが始まったら、ぜひ聴きに行ってみたいですね。

📰 今週の音楽ニュース

🙋‍♂️Q&A

音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。翌週以降のニュースレターでお答えいたします。
マシュマロにて、お気軽にどうぞ。

📚著書のご紹介

ここ数年でAI技術は大きな進化を遂げ、音楽制作の方法が根本から変わりつつあります。

より効率的でクリエイティブな作曲方法を模索している方や、アートワークやミュージックビデオを自ら制作したい方に向けて、制作からプロモーションまでをアーティストが一人でこなすための、AI時代の新たな指南書を書きました。

AIを使った音楽制作に興味のある方は、ぜひお手に取ってみてください。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.74

2024年8月16日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info