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週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.71
このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。
プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。
あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。
目次
近況
今週の音楽ニュース
AI時代の作曲術
作曲とミキシングのアイデア帳
Q&A
Okina’s Picks
ブログ更新のお知らせ
📝近況
ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。
来週のマツコの知らない世界の特集は、「DTM」だそうです。
ご視聴ありがとうございました‼️
来週は
🎧\ DTM(デスクトップミュージック)&ドローン撮影の世界/🪂#日本のエンタメ最前線・パソコンひとつで音楽制作DTM
#YOASOBI・Ado・Vaundy・ヨルシカ・TWICE続々
#生活費もメンタルもドローンに支えられている女性が登場
#非日常な衝撃のドローン映像— マツコの知らない世界 次回7/30(火)よる8時55分〜🎧DTM・ドローン撮影の世界🪂 (@tbsmatsukosekai)
1:00 PM • Jul 23, 2024
「新時代の音楽制作」として紹介されていますが、スタジオに入ることもなく、パソコン一台で世界を虜にする音楽を、たった一人で作れてしまうとなれば、これから音楽を作り始める人はわざわざスタジオに行ったり、楽器を練習したりすることも考えなくなってくるのでしょう。
最近も、ハリウッドのシンボル的存在であるレコード・プラント・スタジオが閉鎖されるとのニュースがありましたが、バンドサウンドが少なくなり、テイラー・スウィフトがクローゼットほどのボーカルブースでレコーディングする時代に、スタジオなんて時代遅れなんでしょうね。
GQのビリーアイリッシュのインタビューでも、
「私はホームスタジオの利点を信じている。 あなたはそこに座っていて、もしかしたら次の歌詞が思い浮かばないかもしれない。 だから、ちょっと外に出てみる。 サンドイッチを作る。 犬と遊ぶ。 そうしたら、ピンときて、また部屋に戻ってくる。 クリエイティビティが時間通りに発揮されるわけではないの。」
と語っているように、決まった時間にスタジオに入って、必ずしもその時間にアイデアが浮かんでくるわけではありませんよね。
こういった流れは、スタジオが必要なくなってしまうほどコンピュータや音楽ソフトの性能が上がったということであり、個人で音楽制作をしている人にとってはAIの進化も相まって追い風になっています。
個人的には贅沢な機材をたっぷり使い、リッチなレコーディング機材やミキシング機材を使うことによって生まれる音楽がとても好きですが、もう流れとしてはこっちなんでしょうね。
マツコの知らない世界はTverでも観れるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
📱今週の音楽ニュース
「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。
Gullfossの開発チームがKrafturプラグインを発表
→Soundtheoryからサチュレーションプラグインが登場。 独自のアルゴリズムでミックスにパンチを与えることができます。
音楽AIの新興企業Udio、Suno、大手レーベルの法廷闘争が激化する中、Latham & &; Watkinsと提携
→UdioとSunoがとんでもない額の訴訟を起こされていますが、Open AIとAnthropicの代理人を務めるエリート法律事務所Latham & Watkinsを雇ったようです。これからの時代、AI専門の弁護士はめちゃくちゃ需要ありそうですね。
CongburnStacks、Mac、win、iOS用の粒状ループgrooveboxプラグイン
→ いろんな機能がてんこ盛りで結構複雑そうですが、グラニュラールーパーなども入っていてなかなか面白そうです。VSTだけでなくiOSにも対応しているとのこと。
テスラ、ベルリン工場に "レイブ洞窟 "をオープンマスクが極右を受け入れる
→ テスラが従業員専用のシークレットクラブをベルリンに ひっそりとオープンさせました。 数年前には、自分で作った EDMのトラックをリリースしたりもしていますから、相当な音楽好きですね。
ダイソンが "オーディオ専用 "ヘッドフォンを発売(今回は空気清浄機内蔵ではない)
→ ダイソンのヘッドフォンは全然期待していないですが、ホームページに、「30年以上にわたる航空音響学の経験により、私たちは音響物理学をマスターしています」 と書いてあったので、結構気になってます。
🤖AI時代の作曲術
最新のAIプラグインやAI作曲ツールの紹介。
Kirchhoff EQの製造メーカーとして有名なThree-Body Techから、AIを使ったビンテージエミュレーションプラグインが登場。
テープやADコンバーターなどのハードウェアを、ニューラルネットワークを使って再現し、プラグイン化しています。
Kirchhoff EQはFabfilter Pro-Qの上位モデルのようなEQプラグインで、スムースなデジタルEQとしての機能だけでなく、ビンテージのエミュレーションも豊富でいろんな用途に使えるEQプラグイン。
そのThree-Bodyが出したAIプラグインとくれば、チェックしない訳にはいきません。
早速、Green AD AIとTape S AIのデモ版を試してみましたが、どちらも今までのプラグインにはないような独特なサウンド。GreenはBurlのADをモデリングしているのでしょうか。ドライブノブをひねると、独特の図太い厚みが加わります。
UIはめちゃくちゃシンプルでフリープラグインみたいですが、音は結構良いです。AIによってエミュレーションされたプラグインって、これまでの方式でエミュレートされたプラグインとは少し違ったリッチな音がするんですよね。
よりアナログの音色に近づいている感じがします。
AIプラグインは、もうちょっと進化の余地がありそうなので、技術革新が進んで良いのが出てくれば、購入してみたいですね。AcusticaやMcDSP APBのサウンドを超えてくれれば、間違いなく即購入です。
冒頭にも書きましたが、こういった技術革新によって、ますますスタジオや高級機材が必要なくなってくるのでしょうね。
📘作曲とミキシングのアイデア帳
作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。
Tape Notesの特集でFour Tetが取り上げられていました。
Tape Notesの会員ではないので、YouTubeの短いバージョンしか見ていませんが、いくつか学べることがあったので書き出しておきます。
最小限のエフェクトやシンセサイザーで音楽を構成している
Omnisphere、Fabfilterなどの定番ツールを使っている
ミキシングよりも、DJで曲をかけたときにの良い反応を得るための音楽の構成に気を配っている
マスタリングは、iZotopeやFabfilterなどのシンプルなツールを使っている。
僕はついついミキシングやマスタリングに気力を注いでしまうのですが、Four Tetのような売れっ子であっても、ミキシングは最小限に抑え、音楽の構成にかなり気を配っているという点が参考になりました。
この曲は夜中にベッドで作曲し始めたそうで、 ミキシングへの労力を最小限に抑え、いかにインスピレーションを大切に作曲しているかがよくわかるエピソードだと思います。
彼のインタビューのフルビデオはTape Notesの会員になると観れるので、気になる方はそちらも見てみてはいかがでしょうか。
🙋♂️Q&A
音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。次週のニュースレターでお答えいたします。
「音楽作ってみたからアドバイス欲しい!」という方も、SoundCloud等のリンクを送っていただければお答えできます。
マシュマロにて、お気軽にどうぞ。
🧠Okina’s Picks
最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。
🪈Latent Sonorities:異文化間の音楽的提案 - Ableton Live12から、世界の伝統音楽の音階がインポートできるようになっています。
🎆休止期間中に受けていた今話題のシャーマン儀式の全てをお見せします! - 4,5年前からずっと気になっているアヤワスカの儀式。最近、日本人の間でも流行っているみたいですね。
🎙️ガチです…人類を操作する目には見えない存在が発見されました【 都市伝説 周波数 音 ゲスト : yujinさん 】- 聞き手が音についてあまり理解していないのと、ちょっと話がざっくりしすぎてて「本当か?」と思ってしまいましたが、yujinさん気になりますね。全ての音楽を声で作られているとのことですが、どうやっているのでしょう。Dubler2を使ってシンセなどを演奏しているのでしょうか。
🥁Mildlife Live from South Channel Island - 友人に教えてもらったライブ動画。たまに聴いてリラックスしています。
🖊️ブログ更新のお知らせ
アンケートの趣向を変えてみました。
皆さんが毎週チェックしているトピック、お気に入りのトピックを教えてください。今後の参考にさせていただきます!
週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.71
2024年7月26日発行
Blog: https://studio-okina.com/
HP: isseykakuuchi.info