週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.67

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 今週の音楽ニュース

  3. AI時代の作曲術

  4. 作曲とミキシングのアイデア帳

  5. Q&A

  6. Okina’s Picks

  7. ブログ更新のお知らせ

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週は渋谷の音楽専門学校で開催されたイベントに行ってみました。

セミナーのアーカイブも残っているので、気になる方はこちらをご覧になってみてください。

DTMステーション藤本さんによるAIの近況解説に興味があって行ったのですが、思ったより踏み込んだ内容ではなく、どちらかというとAIをこれまで全く使ったことがなかった人向けの基礎的な内容となっていました。

個人的には、現場で経験を積んだエンジニアによるFabfilter Pro-Qの使い方講座が一番興味深かったです。Auto Align 2という位相を整えるソフトも以前からとても気になっていて、CEOによるセミナーにも興味があったのですが、通訳がグダグダだったのが残念でしたね。

ヨーロッパの音楽学校くらい踏み込んだ内容のセミナーをしてくれると嬉しいのですが、日本の音楽セミナーだとこういった初心者向けが多いのかもしれません。そもそもマニアックなセミナーをしても、音楽人口の少ない日本ではあまりお客さんが来ないでしょうからね。

TFOMみたいなマニアックなイベントも日本にはありますが、やっぱり音楽を学ぶなら、海外だよなぁと思いながら観ていました。

海外のセミナーイベントにもいろいろと足を運んでみたいなとは思っていますが、とりあえずは、日本でも何か良さそうなイベントがあれば、これからも足を運んで様子を見てみることにします。

📱今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。
  1. ザ・ビート・ゴーズ・オンAIと音楽の未来→欧米の若者が、AIを活用して音楽制作を行う様子を垣間見ることができる、貴重な動画です。Googleの簡易AIツールも、使い方によってはなかなか活躍してくれそうですね。

  2. "音楽は人類の中心であると信じています":ローランドとユニバーサル ミュージック グループ、新たな戦略的パートナーシップを確認し、AIを活用した音楽創造のための7つの原則を発表→最近支持を集めているローランドとユニバーサルによるAIの7つの原則。重要なのは、このあたりではないでしょうか。「私たちは、人間が創造した作品は尊重され、保護されなければならないと信じています。」「私たちは、責任ある信頼できる AI には透明性が不可欠であると考えています。」AIの透明性とアーティストの著作権に関しては、これからますます厳しくなっていくのでしょう。

  3. 「アーティストが話せない言語で歌ったり、若い頃の自分とデュエットしたりできるようになる」:UMG、AI搭載ボーカル・プラグインMicDropメーカーと提携→世界最大のレコードレーベルがAIを積極活用するみたいです。 テイラー・スウィフトやビリー・アイリッシュを要するユニバーサルグループがアーティストのAIクローンを作れば、 この先アーティストが亡くなってからも、会社としてとてつもない収益をあげ続けることができますね。

  4. Aphex Twin、新曲2曲を収録した『Selected Ambient Works II』リイシューを発表→今年の秋に発売されるAphex Twinのリイシューアルバムでは、 これまでレコード版にしか収録されていなかった曲も、すべてのフォーマットに含まれるようです。

  5. ジェネレーティブ・ミュージックAIプラットフォーム「Suno」がヘイト拡散に利用される→ そのAIのコンテンツ規制をすり抜け、過激な歌詞を含んだ曲がアップロードされているようです。 音楽の持つ影響や拡散力はすごいので、それはもちろんヘイトにも大量に使われていくことになるでしょうね。

🤖AI時代の作曲術

最新のAIプラグインやAI作曲ツールの紹介、

こちらはHolly Herndonというアーティストの声を元に作られた、ボイスチェンジャーAI。

TEDの講演でも、自身の声から作られたAIを紹介していますね。

Kits.AIのように綺麗に変換はできませんが、めちゃめちゃクリーピーな声に変化するので、これを不気味な声変換器として使えば、結構面白いんじゃないかと思いました。

AIによる不気味さを音楽性と捉えて、新しい音楽を生み出す人々が今後は増えていくんじゃないかなと個人的には思っています。実験的な音作りだったり、AIの可能性を探究したい方は試してはいかがでしょうか。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

Daft PunkやJeff Millsのエンジニアリングも行う、Conor Daltonによるミキシングガイドをご存知でしょうか。

最後にまとめて紹介されているプラグインガイドだけでも見る価値がありますが、ミキシングのアドバイスや、彼がミキシングの際に気を付けていることなどがまとめられたPDFとなっているので、まだご覧になったことがない方はぜひダウンロードしてみることをおすすめします。

すべて英語なので、DeepLやGoogle翻訳などのソフトを使って読み進めてみてください。

🙋‍♂️Q&A

音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。次週のニュースレターでお答えいたします。
「音楽作ってみたからアドバイス欲しい!」という方も、SoundCloud等のリンクを送っていただければお答えできます。
マシュマロにて、お気軽にどうぞ。

🧠Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

📽️Udio x LUMAでMVのCM作った。 - UdioとDream Machineを使えば、既にこれくらいのクオリティーの作品ができてしまうようです。 どこかの専門学校のプロモーションビデオかと思ってしまうくらいクオリティーが高いですね。

👩🏻‍🏫NEXTPRODUCER ジスPDの作曲ビジネス講座 - 先週紹介したカムソンサウンドの無料ビジネス講座が、YouTubeで公開されています。

🏙️AIで米を猛追する中国 街が丸ごと“データ化”の凄さ なぜAI規制は必要なのか - 社会主義国であることが、中国のAIの発展を後押ししています。 この規模のAIシティは中国以外ではなかなか実現しないでしょうから、今後のAI時代には中国はかなり有利であり、先進国にとっても脅威だと思います。

🧸Lullatone - An older couple holding hands @ 森、道、市場 2019 - こんなライブに行ってみたい。 彼の人間味溢れる、温かいライブの様子です。

🖊️ブログ更新のお知らせ

AI音声分離の可能性

AI音声分離技術の進化が音楽制作にもたらす可能性について書きました。楽曲解析、サンプリング、DJスタイルの変化など、アーティストの新たな可能性を探っています。また、自動作曲AIとの連携や次世代リミックスツールの展望まで、AI時代の音楽制作の未来も紹介しています。

ほとんどの文章はChatGPTのWhisperを使って音声入力し、文章中の画像は全て、生成AIのMidjourneyで作っています。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.67

2024年6月28日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info