週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.64

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 今週の音楽ニュース

  3. AI時代の作曲術

  4. 作曲とミキシングのアイデア帳

  5. Q&A

  6. Okina’s Picks

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

AI時代の作曲術のレビューを書いていただいた方々、ありがとうございます。

来週金曜日までキャンペーンをやってますので、レビューいただけると大変喜びます。

<レビューキャンペーン>

期限: 6月14日(金)

応募資格: このニュースレターを購読している方

応募方法: 「AI時代の作曲術」をお読みいただき、Amazonにてレビューを書いていただきます。その後、「レビューキャンペーン申込」というタイトルのメールで、レビュー内容とお名前をお送りください。メールアドレスはこちらです。([email protected])

ベストレビューを書いて頂いた方に、以下のプレゼントを差し上げます。

プレゼント: E1DA 9038D ポータブルDAC (1名)

さて、現在進行中のアンビエントプロジェクトでBitwigを使っています。

きっかけはこちらのアーティストの動画。

彼はグリッチサウンドの効いた複雑な曲を作るのですが、モジュラーシンセでも使ってるのかなと思ったら、どうやらBitwigの機能を駆使して、複雑なシーケンスやエフェクト効果を作っているようです。

Bitwigは動画の再生に対応していなかったり、AUプラグインが使えなかったりとちょっと不便な部分もありますが、こういったランダムな効果を出すのは得意なDAWで、モジュラーとの相性も良いので、これからちょっとづつBitwigでも音楽を作っていこうと思います。

📱今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。
  1. Softube、フロー・マスタリング・スイートを発表→AIマスタリングではありませんが、Softubeの最高峰のプラグインを直感的に操作できるFlow Mastering Suiteがリリースされました。複雑なマスタリングのためのプラグインが、面倒な設定なしで簡単に扱えます。

  2. MacとWindows対応の新しいボーカル・ベース・ソフトウェア・シンセ、Skyridge→こういう音が入っているシンセプラグインは結構ありますが、ボーカルシンセ専用プラグインというのは少ない気がします。

  3. Triton AudioがD2Oプラグインを発表→ニューラルネットワークベースの技術を使って作られたプリアンププラグインが登場しました。

  4. アムステルダムのザ・アザー・サイドがL-ISAスペーシャル・オーディオを採用した世界初のナイトクラブに→一昨年遊びにいったタイのWonderfruitでも、サラウンドステージにL-ISAのシステムが使われていました。現代のイベント会場のサラウンドシステムの中心にいるのは、L-ISAなのでしょうね。

  5. Behringer Officially Announces 1273 – Dual Mic Preamp & E→Behringerが名機Neve 1073のレプリカを発表。完全なるコピー品ではないようですが、この手の製品は安くても音がかなり良いこともあるのでバカにはできません。

🤖AI時代の作曲術

最新のAIプラグインやAI作曲ツールの紹介、

「3年以内に商業音楽で生計を立てるのはほぼ不可能になるだろう」

イギリスの音楽プロデューサー、ベアディマンはElevenLabsのAIトラックを投稿し、業界をざわつかせましたが、このクオリティの曲を聴くと、確かに商業音楽家は今後相当厳しくなるんじゃないかと感じざるを得ません。

Udioは優れたAI作曲ツールですが、あまり音質が良くないんですよね・・・

SunoAIは音質面ではかなり良いですが、詳細なプロンプトを打てないので、生成する曲はどうしてもAI任せになってしまいます。

ElevenLabsのAI作曲ツールが、この問題を解決しているかはわかりませんが、少なくとも音質面では圧倒的な自然さを兼ね備えていそうですね。

紹介されている曲はすべて、編集なしで 1 つのテキストプロンプトから生成されたとのこと。

「アーティスト」が滅びることはないと思いますが、CMなどの音楽を作っている商業音楽家の立場は、これからの時代、かなり危ういと思います。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

この記事ではManley Variable-Muを例に、 ミックスバスコンプレッションについて解説されています。 この中でいくつかバスコンプの使い方が解説されていますが、基本的な設定が書かれていたのでご紹介します

  • スローアタック

  • ファストリリース

  • サイドチェーンフィルターはON

  • 2-4 dBのリダクション

アタック遅め、リリースを速めに設定するのはバスコンプの基本ですが、ここではアタックを一番遅く、リリースを最速に設定しているようです。

この設定から、どれぐらいミックスをまとめたいかに応じてゲインリダクションを調整していきます。この記事では2〜4dBのリダクションに設定すると良いと書かれていますが、ダンスミュージックや電子音楽ならダイナミクスが少ないので、1〜2dBくらいのリダクションでも十分だと思います。やり過ぎると、迫力のない音になってしまいます。

サイドチェーンフィルターとは、フィルターをかけて低域にコンプがかからないようにするための設定ですが、まずは60〜80Hzくらいを目安にフィルターをかけてみましょう。

このフィルターをかける理由は、 音のエネルギーと言うのは、低音に集中しているので、コンプが低音にだけかかってしまい、中高域に全くかからないのを防ぐためです。

バスコンプについては、こちらの記事も参考にしてみてください。

🙋‍♂️Q&A

音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。次週のニュースレターでお答えいたします。
「音楽作ってみたからアドバイス欲しい!」という方も、SoundCloud等のリンクを送っていただければお答えできます。
マシュマロにて、お気軽にどうぞ。

🧠Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

💎Ambient Night 16 - Music production with Dawesome Myth - 最近発売されたDawesome Mythというプラグインでアンビエントを作る動画です。この中に登場するシーケンサーや、マルチエフェクターなどのプラグインもとても興味深いです。

📈ポケットオーディオ HiChord5つの簡単なステップでバイラルになる方法 - 最近、クラウドファンディングサイト「KickStarter」で爆発的な人気を獲得している「HiChord」というハードウェアをご存知でしょうか? Pocket Audioの最初の製品であるHiChordがなぜこれほど人気になったのか、その秘密に迫っています。

CHOMPI x Chase Bliss = Treasure Island - Chase Blissの協力のもと作られたサンプラーデバイス。 最近、こういったSNS受けするキャッチーな見た目の製品が、本当に流行っていますね。

🎹The Perfect Sequencer Doesn't Exist... - とても面白そうなシーケンサーを見つけたので購入してみました。次のアンビエントワークに早速使ってみます。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.64

2024年6月7日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info