週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.63

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 今週の音楽ニュース

  3. AI時代の作曲術

  4. 作曲とミキシングのアイデア帳

  5. Q&A

  6. Okina’s Picks

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

おかげさまでいろんな方に読んでいただいている「AI時代の作曲術」ですが、もう少し読者層を広げたいと思っています。

そこで、このニュースレターを読んでいただいている方限定で、キャンペーンを行うことにしました。

以下、概要です。

<レビューキャンペーン>

期限: 6月14日(金)

応募資格: このニュースレターを購読している方

応募方法: 「AI時代の作曲術」をお読みいただき、Amazonにてレビューを書いていただきます。その後、「レビューキャンペーン申込」というタイトルのメールで、レビュー内容とお名前をお送りください。メールアドレスはこちらです。([email protected])

ベストレビューを書いて頂いた方に、以下のプレゼントを差し上げます。

プレゼント: E1DA 9038D ポータブルDAC (1名)

このニュースレターを読まれている方は70名ほどなので、そこらへんのキャンペーンより倍率はめちゃくちゃ低いと思います。ぜひ本書をお読みになって、Amazonのレビュー欄にご感想をいただければ幸いです。その中で、一番グッとくるレビューを書いて頂いた方にプレゼントを差し上げます。

プレゼントのE1DA DACは、僕も普段から愛用している超小型ポータブルDAコンバーターです。

親指ほどの大きさながら、これを通してヘッドフォンで音楽を聴くと、びっくりするくらい良い音でリスニングできます。これは測定にも使われるくらい超低ノイズのDACで、楽器の一つ一つを正確にモニターできるので、ヘッドフォンで音楽を作ったりミキシングしている方には超おすすめです。

ちなみにKindle Unlimitedに登録していると無料で読めるので、わざわざ1冊のためだけにお金を払いたくないという方は、Kindle Unlimitedに登録して読んでみてください。これでサウンド&レコーディング・マガジンという音楽雑誌も読めますので。

3つくらいレビューいただけると嬉しいな・・・

というわけで、よろしくお願いします!

📱今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。
  1. ソニー対AI:第1ラウンド - 我々の楽曲を使っているか?→ソニー・ミュージックが、グーグル、マイクロソフト、OpenAIを含む700以上のテック企業に書簡を送り、自社の楽曲がAIシステムの開発に使用されているかどうかを知るよう要求したようです。次のニュースのように、AIを作るときは事前にトレーニングデータとして使って良いか、許可を得る必要が出てくるでしょう。

  2. AlphabetとMeta、OpenAIのようにハリウッドのスタジオとAIについて対話を行う→アルファベット(Google)とメタ(Facebook)は、 AIで映像を制作するためのトレーニング材料として、 ハリウッドスタジオの膨大な映画のアーカイブを提供するよう対話を行っているそうです。 以前にハリウッドでAI反対のストライキがありましたが、結局、この分野でもAI化が進んでいくのでしょうね。

  3. スピットファイア・オーディオがAIR Studios Reverbプラグインを発表、ロンドンの歴史的スタジオ空間の音響を初めてエミュレート→Air Studioのコンボリューションリバーブが登場。電子音楽に使うには値段が高すぎますが、 どんな音がするのか気になります。

  4. 長時間の使用を考慮したULTRASONEの最新ヘッドホンSignature MASTER MkII→MKⅡ出るの早いよ・・・発売当初からずっと愛用しているSignature Masterの新たなモデルが登場しました。唯一の欠点は、長く使うとめちゃくちゃ頭が痛くなること。このモデルではそこも改良されているようです。

  5. IK Multimedia、次世代“MTM”モニター「iLoud MTM MK II」を発表→発売から大人気のモニタースピーカー「iLoud MTM」にMKⅡが登場しました。まだモニタースピーカーを持っていない人、買い替えを検討している人は、こちらもぜひ候補に入れてみてください。

🤖AI時代の作曲術

最新のAIプラグインやAI作曲ツールの紹介、

AI時代には、アーティストがMIDIコンも作る

アーティストでライブをする方は、AKAIやNovationなどのMIDIコントローラーを使っている方が多いと思いますが、どうしても自分のやりたいことと、MIDIコントローラーの機能や大きさが一致せず、自分にとってベストなMIDIコンが見つからないという方は少なからずいらっしゃると思います。

しかしAI時代には、アーティストがMIDIコントローラーをも作ってしまいます。

MIDIコントローラー を作るのは意外と簡単で、秋葉原やオンラインでパーツを買って、簡単なプログラムを組み、 3Dプリンターで箱を作れば完成します。これだけ聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、面倒な事はすべてAIに尋ね、プログラム自体もAIに書いてもらえば、プログラミングの勉強する必要もなく、MIDIコントローラーを作ることができます。

最近、僕もMIDIコントローラーを自作している最中ですが、まだChatGPTがそこまで完全ではなく、 少しはプログラムの勉強をする必要があります。でもプログラムの勉強も、わからない部分をChatGPTに尋ねることで答えや考え方を教えてくれるので、本を読んだり、動画を観なくても、目の前に専門の先生がいるかのような感覚で学ぶことができます。

今まで、自分にはプログラミングなんて無理だよ、と考えていた方も、 理想のMIDIコントローラーやヘッドフォンアンプ、シンセサイザー、エフェクターなどが頭の中にあるなら、今が電子工作の始め時かもしれません。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

Four Tetの新しいアルバムに使われている音楽テクニックが紹介されていました。中でも参考になったのは、以下の3つ。

ドラムパターンを作るときに使えるテクニックです。

まずは、サステインをオートメーションによって変化させることで、リスナーを飽きさせないパターン作りをする方法。似たような方法で、リターントラックにAbleton LiveのVocoderを入れ、そこにハイハットなどを送ることで、サステインが伸びたようなエフェクトをかけることもできます。

僕はこっちの方法をよく使います。

次に、 似たような方法ですが、アタックをオートメーションによって変化させることで、ドラムパターンを微妙に変えています。

こういった微妙な変化の組み合わせが、大きな違いを生みます。

3つ目は、ドラムの音かわからないような変な音や、録音した音などをパーカッションとして使う方法。

Spliceのサンプルばかりだと、どこか味気ないサウンドになってしまうのですが、自分で録音した音を入れることで、不思議と音楽が生き生きしてきます。 普段からサンプルパックに頼った作曲をしていると、 録音作業がとても面倒に感じますが、 自分で録音した音を入れるると、仕上がりの雰囲気が全然違うので、かなりおすすめです。

🙋‍♂️Q&A

音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。次週のニュースレターでお答えいたします。
「音楽作ってみたからアドバイス欲しい!」という方も、SoundCloud等のリンクを送っていただければお答えできます。
マシュマロにて、お気軽にどうぞ。

🧠Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

🤓Nerd Musician - MIDIコントローラーを自作する方法を解説している、数少ない教材。日本語だとここまで詳しく解説された教材はなかなか出てこないので、本気でMIDIコンを制作したい方は、このコースを受講すると良いと思います。僕は全部入りバンドルを買いました。

🚙Flavour Trip - DJ×旅×料理の発信で、40万人以上もの登録者を持つYouTubeチャンネル。 ただのDJミックスだとなかなか認知されませんが、DJ動画はこのように料理や旅などと組み合わせることができるのが良いところ。DJもまだまだコンテンツとしての可能性を感じます。

🏚️Bar25 ~時間の枠を超えた日々~(字幕版) - ドイツの伝説的クラブと言われた、Bar25のドキュメンタリー映画。正直、このクラブのことは知らなかったのですが、「Nu」というDJが大好きだったので、Bar25のアルバムはよく聴いていました。今週末、観てみます。

💿2024年5月、Bandcampのベスト・アンビエント・ミュージック - 今月もいい感じですね。アンビエントを聴いてまったりしましょう。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.63

2024年5月31日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info