週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.60

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 今週の音楽ニュース

  3. AI時代の作曲術

  4. DIYアーティストのためのマーケティング戦略

  5. Q&A

  6. Okina’s Picks

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週は、AIで1時間ほどのBGMを制作し、AIで作った動画に合わせてみました。

動画は、やはり慣れていないと難しいものですね。人物を切り取って、背景だけRunwayというAIで動かしているのですが、人が浮いたような感じになってしまいました。

音楽も完全にAIで作っているので、若干ノイズが入ったり、音楽の終わりが不自然だったりしますが、BGMとしては機能するくらいに仕上がったと思います。

音楽制作は全てAI、マスタリングもAIです。

ちょっとしたコツがいりますが、慣れれば、誰でもこのくらいは作れるようになります。大切なのは、少しの音楽制作の知識と忍耐力です。

これを大量にアップロードすれば、Lo-fi音楽チャンネルとして、少しは稼げるのかもしれませんが、かなり時間もかかりますので、外注でもしない限りリソース的に厳しいでしょうね。

音楽アーティストであっても、これからの時代、映像制作のスキルは必要になってくると思います。AIが発達してきているので、わざわざプロモーション動画をプロに頼む人も減ってくるはず。

特に、お金のない若いアーティストだとなおさらです。

まだまだ本格的に使える段階ではない映像系のAIですが、これから少しづつ使っていって、今のうちから慣れておくと良さそうです。

📱今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。
  1. スーパートーン、シフト・リアルタイムAIボイスチェンジャーを発表→びっくりするくらい高性能な、リアルタイムAIボイスチェンジャーが登場しました。まだベータ版ですが、気になる方は一度試してみてください。すごいです。

  2. Logic Pro、新しいAI機能で 音楽制作を次のレベルへ→今週の重要ニュースはこちらですね。ステム分離、AIによるピッチ補正やテンポ補正、AIベースのセッションプレイヤー、AIモデリングによるサチュレーターなど、さまざまなAI機能を取り入れたLogic Pro。今月の無料アップデートが楽しみです。

  3. 初めてのFMシンセサイザー - FMシンセシスが楽しくなる?→最近このような、可愛いらしいデザインの機材が本当に多いですね。どんな層の人が買うのか気になります…

  4. Neuzeit Instruments「Warp」がユーロラックにAIをもたらす→ついに、AIを搭載したモジュラーシンセが登場。 Neuzeit Instruments「Warp」では、ニューラル・ネットワークが倍音スペクトルを生成し、それをウェーブテーブルに変換します。

  5. LEWITT、誰でも簡単に理想的なサウンドでレコーディングが行える新世代オーディオ・インターフェース、「Connect 2」を発表→先日、LEWITTが近接効果(マイクが口元に近づくほど低音が増える)を無効化する画期的なマイクを発表しましたが、手軽に使えるオーディオインターフェースも発表。オーディオの色付け、ノイズ処理などが内蔵DSPで行えます。

🤖AI時代の作曲術

最新のAIプラグインやAI作曲ツールの紹介、

先週まで「AI時代の作曲術」という本の内容の一部を、このニュースレターでご紹介してきましたが、ほぼ書き終わりまして、そろそろKindle Unlimitedで出版しようかという段階まで来ました。

なので、内容のチラ見せは終わりにして、今週から「AI時代の作曲術」というコーナーで、AIに関するツールや作曲手法などをご紹介していくことにします。

これからますます重要になってくるAI作曲スキルの方を、みなさんと一緒に学んでいければと思います。

📊DIYアーティストのためのマーケティング戦略

音楽で稼ぐにはどうすればいいのか?どのようにリリースするのが効果的なのか?DIY(インディペンデント)アーティストが、より多くの人に自分の音楽を聞いてもらう方法を探っていきます。

音楽をTikTokで宣伝するためのマーケティングツールを見つけました。

これはTikTok向けのSubmitHubのようなもので、インフルエンサーに音楽を提供することで音楽の露出を増やしていくためのサービスです。

インフルエンサーに直接自分の曲を送り、TikTokなどで使ってもらうこともできるのですが、わざわざ多くのインフルエンサーと連絡を取り合うのはかなり労力を使うので、こういったサービスを使って宣伝するのはアリだと思います。

TikTokは10代後半〜20代前半くらいのリスナーが多いでしょうから、作っている音楽が、僕のような民族音楽やアンビエントだとあまり効果がないかもしれません。

作っている音楽ジャンルによって、効果的な宣伝方法は違ってくるでしょうから、自分の音楽を聴いてくれる人はどのプラットフォームにいるのかをしっかり把握してマーケティングに臨みたいですね。

TikTok層に響きそうな音楽を作っている方は、試してみる価値がありそうです。

🙋‍♂️Q&A

音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。次週のニュースレターでお答えいたします。
「音楽作ってみたからアドバイス欲しい!」という方も、SoundCloud等のリンクを送っていただければお答えできます。
マシュマロにて、お気軽にどうぞ。

🧠Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

💎石同士を擦る持続音みたいな音 - Twitterで紹介されていた石同士をすり合わせて奏でる音がとても面白かったのでご紹介。スレッドで紹介されている石が回転して奏でる楽器?もとてもおしゃれですね。

🛋️小さな技術のヒントマイク - NPRのTiny Desk Concertのボーカルマイクに、なぜテレビや映画の収録によく使われるMKH418Sが使われているのか、いつも不思議に思っていましたが、理由がここに書いてありました。「パフォーマーに近づけなくても、ボーカルをしっかりと録音できるので、パフォーマーの表情を犠牲にすることなく、親密感のある音が捉えられ」「MSマイクにより、ステレオ幅を後から調整したり、広範囲の楽器を録音できる」というのが理由のようです。他にもNPRで使われている様々なマイクが紹介されています。

🏠INSIDE: Jacob Colliers Home Studio - Jacob Collierのホームスタジオ見学動画。相変わらずチラッと見える、DAWのトラック数がとんでもないです。

📺SUPER DOMMUNE 2024/04/08 VIE 「Neuro Music Workshop Vol.03 - 音楽とドラッグ」- 音楽と脳波についての良動画、僕の観た回のアーカイブが上がっていました。これ、かなり面白いです。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.60

2024年5月10日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info