週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.38

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AIを使った次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 今週の音楽ニュース

  3. 作曲とミキシングのアイデア帳

  4. DIYアーティストのためのマーケティング戦略

  5. Q&A

  6. Okina’s Picks

  7. ブログ更新のお知らせ

  1. 近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週もDistrokidで、新たな音楽のリリース予約をしました。

最近はSpotifyで音楽を聴く時に、どのくらい再生回数があるのかを意識して見ているのですが、素晴らしい曲であっても、ほとんど再生回数が伸びていないアーティストが世の中にはたくさんいます。

こういったアーティストはおそらく、素晴らしい音楽は作れるけど、効果的なマーケティングは気にしない、もしくは興味がないんだと思います。

でも、せっかく素晴らしい曲を作っているのに多くの人に聞いてもらえないのは勿体無いですし、より多くの人に聴いてもらえればSpotifyからの利益も増え、より音楽制作に意欲的に取り組めるようになるかもしれません。

Spotifyは世界No.1の音楽サービスであり、Spotifyをハックすることが、音楽をより多くの人に発信する1つの鍵だと思います。

なので、この数ヶ月はSpotifyでの効果的なリリースを模索していきたいと思います。

  1. 今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。

  1. ハインバッハ氏によれば、年間100万回のSpotifyストリーミングは、税引き前で2,160ドルの収入になったという。→最近のSpotifyでは、年間100万回再生で、25万〜30万円くらいの収入が得られるようです。ohmeという僕のアカウントでは今年13万回再生だったので、めちゃくちゃリリースを頑張れば、年間20~30万円の収益になるかもしれません。多くの人に音楽を届けるという意味では、Spotifyはとても良いプラットフォームだと思いますが、Spotifyだけで食べていくのは相当売れない限り難しそうですね。

  2. TikTokとチケットマスターがパートナーシップを20カ国以上に拡大「すべてのアーティストにさらなる価値を提供したい→SNSを音楽プロモーションに活用する上で重要なニュースだと思います。チケットマスターといえば世界最大の音楽プロモーターですが、そこがTiktokを通して直接チケットを買えるようにするシステムを作るということは、いかにTiktokのユーザーが音楽マーケティングにおいて重要なのかが理解できるでしょう。

  3. XLN Audio Life 〜日常の音をビートへと仕上げる4年半ぶりの新作インストゥルメント→4年ぶりに、XLN Audioから新製品が登場しました。XLNは、RC-20XOなどの面白い製品をリリースしている企業で、今回の新製品であるLifeも「日常の音をビートにする」というコンセプトのもと、変わったビートが作れるソフトとして販売されています。普通のドラムサウンドに飽き飽きしている人は、試してみる価値があるかもしれません。

  4. アートコア、新しいオンラインマーケットプレイスを設立→ファンに直接音楽を配信できる、新たなサービスが誕生しました。Bandcampより利益率は高いようですが、どのくらい普及するかですね。ちょっと様子見してみましょう。

  5. 次世代コンボリューション・リバーブ、AUDIO EASE「Altiverb 8」がデビュー…… Dolby Atmos/Appleシリコン/VST3に対応→やっと、コンボリューションリバーブの最高峰プラグインAltiverbがアップデートされました。これでiLokドングルが不要になり、Appleシリコンにも正式に対応しました。個人的にかなり使うリバーブなので、とても嬉しいです。

  1. 作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

制作時は、再生環境を次々に変える

最近、とあるプロジェクトでアンビエントを作っていますが、どうしてもモニタースピーカーと、それ以外の再生環境では音の出方に差が出るので、音楽の印象が大きく違って聞こえてしまいます。

モニターで聴いて良いと思っても、ヘッドフォンで聴くと印象が違いすぎて戸惑う、ということは未だにあります。

なので最近は、製作中、

  1. モニタースピーカー

  2. Macbookのスピーカー

  3. 1,2をモノラル環境で

  4. 1,2を-12dBで

といった具合に、この4つのリスニング環境を、ぐるぐる回しながら音楽を作っています。

設定を変えるのはちょっと面倒ですが、これを常に行うことで、他のスピーカーやヘッドフォンで聴いた時に、印象が大きく変わってしまうのを防ぐことができます。

ちなみに音楽全体のバランスを決める上で、一番参考にしているのは、MacBookのスピーカーで、MacBookでモノラル再生して全体のバランスが良ければ、間違いなくスピーカーでもバランスよく鳴ります。

MacBookを必ず使う必要はありませんが、信頼できる再生環境をいくつか見つけておくことはとても大切だと思いますね。

  1. DIYアーティストのためのマーケティング戦略

音楽で稼ぐにはどうすればいいのか?どのようにリリースするのが効果的なのか?DIY(インディペンデント)アーティストが、より多くの人に自分の音楽を聞いてもらう方法を探っていきます。

Spotifyでリリースする時、Canvasという機能を使うことで、短いループ動画を配信できるようになります。

インスタでシェアしやすくなったり、動画をつけることでシェア率やプレイリストへの追加率が上がるようなので、これを使わない手はありません。

とはいえ、動画を作らないといけないので、少々面倒ではあります。

とりあえずなんでもいいのなら、Pixaboyなどで適当に動画を取ってくるか、自分で作るならRunwayなどのAI動画生成サービスを活用するのもアリでしょう。

今月の29日にリリースがあるので、それまでに何か策を見つけますが、個人でリリースしている人はぜひこの機能を活用していきましょう。

  1. Q&A

初期のニュースレターには質問コーナーを設置していましたが、購読者の方が100人近くなったこともあり、復活させてみることにしました。

音楽機材のこと、制作のこと、ミキシングのこと、クラブのこと、何でもお気軽にご質問くださいませ。

「音楽作ってみたからアドバイス欲しい!」という方も、SoundCloud等のリンクを送っていただければお答えできます。

メールにて、お気軽にどうぞ。

  1. Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

🎵Music: Colleen "Revelation" (no voiceover) - Reface YC into Moog Grandmother - 2021 mini tutorial for Moog - 今週見つけた、素敵なアーティストの動画です。ハードウェアにはやはり、独特の有機的なサウンドがありますね。この動画に影響されて、Moog Matriarchを購入してしまいました。

🧠Aha: 自分の作るものをうんこだと思った方が良い理由 - うんこをいっぱい量産しましょう。アーティストとして活躍するには、量産しかないと思います。

📖Guide: ガイド: リリース日の準備 - Spotifyでリリースするための準備の方法が書かれています。今年最後のリリースは、こちらを参考にループ画像なども作ってみようと思います。

🔎Survey: IFPI GLOBAL MUSIC REPORT 2023 - IFPIという機関が、毎年音楽業界の動向をまとめたレポートを発表しています。簡易版なら無料で見れるので、世界の音楽業界がどうなっているのか知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

  1. ブログ更新のお知らせ

新しいモニタースタンドを購入したのでレビューしました。

デザインもよく音も引き締まったので、とても気に入っています。

週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.38

2023年12月8日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info