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週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.36
近況
ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。
今日、11月24日は、ちょうどブラックフライデーセールの日です。
一年で一番プラグインが安く手に入る時期なので、欲しいプラグインがある人は、ぜひPlugin Boutiqueなどのセールまとめをチェックしておきましょう。ブログの方でも、今年のセール品をいくつか厳選してまとめています。
さて、最近は仕事が一旦落ち着いたこともあって、どんどん音楽を作ってリリースしていこうと思っています。
同時に、音楽制作の収入を増やしていくために、いくつかのサイトに登録しました。
主に海外のサイトなのですが、これは、これから経済的にどう考えても厳しくなるであろう日本で仕事をするよりも、海外でプレゼンスを出していった方が絶対に良いと思ったからです。
以下、海外で音楽制作者が稼ぐためのサイトです。
まず、海外で稼ぎたいなら、ここらへんに登録しておきましょう。
Artlistは記事にも書いたので、そちらを参考にしてください。SoundBetter、Fiverr、AirGigsは、エンジニアや作曲家として登録できるフリーランス向けのプラットフォームで、特にSoundBetterは音楽系に特化しているので、自分の音楽に自信のある方は必ず登録しておいた方が良いでしょう。
Patreonは名前からもわかるように、自分を応援してくれるパトロンを探すプラットフォームです。
自分のファンをつける必要があるので(しかも英語で)、なかなかハードルは高いかもしれませんが、海外に売り出したいアーティストは、こういったサービスでファンをつければ、定期的な収入が得られます。
特に、日本的な音楽、例えばボカロとかシティポップとかなら、海外にも攻めやすいと思います。日本は今まで、自国だけで経済が成り立っていた国なので、今もまだ海外に発信しようとしているアーティストは少ないはず。今後、音楽でお金を稼ぎたい人は、ライバルが少ないこの時期に積極的にチャンスを掴んでいきたいですね。
僕も、もう少しリリースを増やして、Patreonでの発信を始めようと思っています。
今週の音楽ニュース
「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。
YouTube、アーティストの声を(本人の同意を得て)クローンするAIツールを導入→以前からYouTubeが著名アーティストのAIボイスを提供するという噂はお伝えしてきましたが、早々にこのサービスがスタートしました。声を貸すことに同意したクリエイターが、有名なポップスターの声を使って作曲することができます。今は30秒の短いトラックしか作成できませんが、この流れは加速していくでしょうね。
ティーンエイジ・エンジニアリング CM-15 フィールド・マイクロホンが登場→ついに、あのTeenage EngineeringからCM-15マイクが販売されました。10万円の価値はあるのか?音質はそこまで期待できませんが、日本に入ってきたら試してみたいですね。
トルソー・エレクトロニクスの「S-4スカルプティング・サンプラー」は未来から来たテープ・マシン。→Torsoから面白そうなサンプラーが登場。有機的なアンビエントミュージックの制作に使えそうですね。これはちょっと欲しいかも。Introducing S-4 sculpting sampler
フルタイムのミュージシャンは弱者には向かない→アーティストとして活動していくのがどれだけ大変かという、とても現実的な記事です。例えば、この記事を書いている著者は、フルタイムのミュージシャンとしては生きていけず、これだけ多岐にわたる音楽に関する仕事をしているそう。(中小企業向けマーケティング・メールの作成,、他のミュージシャンに役立つブログ記事を書く、他のアーティストの楽曲制作/ミキシング、クライアントのためにポッドキャストを編集する、次のプロジェクトのための曲作り、自分の音楽を宣伝するコンテンツを投稿する、たまにハウスコンサートをする、一緒に仕事をしているシンク・ライセンス会社に楽曲を提出する) 音楽の価値が限りなくゼロに近づいていく現代、ミュージシャンといえど、いろんな仕事をしていかないと生きていけない時代なんだと思います。
Spotify、ロイヤルティ制度の改定を正式発表 - 年間ストリームの最低支払い基準、不正罰則、"ノイズ録音 "の変更も→雨の音やノイズなど、いわゆる流し聞きコンテンツに対して、Spotifyはロイヤリティn支払い金額を下げることを検討しているようです。確かに、流し聞きコンテンツは、制作も簡単だし、作業BGMとして長時間聴いてくれるので、ロイヤリティをかなりもらっている人もいるんでしょうね。これ系のジャンルは、今後YouTubeに移行していきそうです。
DIYアーティストのためのマーケティング戦略
音楽で稼ぐにはどうすればいいのか?どのようにリリースするのが効果的なのか?DIY(インディペンデント)アーティストが、より多くの人に自分の音楽を聞いてもらう方法を探っていきます。
How To Get 1 Million Streams On Spotify in 2023 (Detailed Guide)
こちらのビデオでは、Spotifyで100万ストリーミングを達成するための方法が解説されています。
以下の項目が、特に重要だと感じました。
戦略的かつコンスタントなリリース
Meta広告
ソーシャルメディアでの露出
SubmitHubなどを使ったマーケティング
特に、ソーシャルメディア(Instagram, TikTok, YouTube Short)での投稿と、Metaを使った有料広告を使ったマーケティングが鍵になりそうです。
「有料広告でお金をかければ、そりゃ、ある程度は聴かれるよな…」と思いつつも、やはり一般の人がゼロから大量の再生回数を得ようとすると、最初に有料広告を使ってブーストするのは重要だろうなとも思いました。
お金をかけずに宣伝したいなら、有名なレーベルからリリースするか、有名なメディアに取り合えてもらうしかないでしょう。この方法だと、すごく質の高い音楽が必要なので、レーベルから相手にされず挫折してしまうことにもなりかねません。
SubmitHubは、ブロガーにお金を払ってレビューしてもらうサービスですが、こちらもブロガーが「レビューしたい!」と思う音楽でないとレビューしてもらえないので、ちょっとハードルは高いですが、有料広告に大量のお金はかけたくないけど、音楽の質には自信があって、少しの金額ならマーケティングに出せる、ということならSubmitHubに挑戦してみても良いでしょう。
どれも、僕はまだ試したことがないので、1つづつ検証して、その効果をこちらでご紹介してきたいと思います。
Okina’s Picks
最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。
💊Song: Salamanda | Sunday Live Mix 45 - 今年のfrueにも出演した、Salamandaのライブミックス。ジャパニーズアンビエントのような、柔らかくて可愛いサウンドがとても心地よいですね。
📺Tutorial: How to create abstract glitchy IDM melodies using Ableton - Ableton Liveを使った、IDMサウンドの作り方。Abletonのさまざまな機能を駆使して音を作っていく様子は、IDMだけでなくいろんなジャンルの音楽制作で役立つと思います。
💰Make Money: 2022年に音楽で稼ぐ方法 - 2022年の記事ですが、著者が音楽でどのくらい稼いだのか?具体的な数字とともに語られていて、かなり参考になります。
🧸Gadget: Lossy - Demo - Chase Blissがまたもや、可愛らしいデザインの新型ギターペダルをリリースしました。僕もMOODとDARK WORLDを使っていたことがありますが、デザインだけでなくサウンドも独特で、物欲をグイグイ刺激してくる素晴らしいメーカーです。
ブログ更新のお知らせ
これからは、リリース用ジャケット画像もAIで作る時代です。
最近使えるようになったDALL-E 3がかなり実用的なので、ジャケットだけでなく、アーティストロゴもAIで作るようになりました。
ブログでは、AIで作った画像とあわせて、AIジャケット制作について詳しく解説しています。
作品のお知らせ
バンドのマスタリングを担当しました。
爽やかでどこか懐かしい、疾走感あふれるサウンドに仕上がっています。
最新のThrasherMagazineのYouTube動画で、昨年リリースした楽曲Kellaが使われています。(一番最後の曲です)
スラッシャーはスケボー界隈?では超有名らしいのですが、僕はあまり詳しくないので、どれくらいすごいのかはよくわかりません。
動画にはかなりマッチしているので、いい感じにピックアップしてくれたなと思っています。
インテリアとデザインのメディア「ELLE DECOR」様の企画に、レコーディングと作曲で参加しました。
世界的フラワーアーティストであるニコライ・バーグマンさんの箱根アトリエでは、フィールドレコーディングも行い、動画の冒頭に入れています。
楽曲は全部で3曲。オープニングの楽曲が、自分でも特に気に入っています。
Lo-Fiを作るのは初めてだったのですが、Spliceでドラム素材を見つけ出し、Ableton Pushを使って打ち込みました。特に気に入っているのはピアノパートで、これはOP-1をMIDIキーボード代わりにし、Universal Audioの「Ravel」を使って打ち込んでいます。
リアルタイムで打ち込んで、クオンタイズを軽めにかけることで、柔らかい人間味あふれるサウンドになったかと思います。
週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.36
2023年11月24日発行
Blog: https://studio-okina.com/
HP: isseykakuuchi.info