週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.35

  1. 近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

またまた、最近作った名義で新しい曲をリリース予定なのですが、今回もアートワークはAIで作成しました。

前回はStability.AIで作りましたが、今回は先週リリースしたChatGTP×DALLE-3を使っています。

今月末にリリース予定ですが、出来上がった画像はこんな感じです。

めちゃくちゃ良くないですか?

もうアートワークはAIで作る時代ですね。

DALLE-3は、ChatGTPと融合したことでコミュニケーションを重ねながら画像を生成することができるようになりました。

一発で良い結果が得られなくても、「ここの色を変えて」とか「もっとこういう風にして」と言えば、どんどん自分の理想の画像に近づけることができるのです。

自分の理想の画像にするには、少々、試行錯誤を重ねないといけないですが、こういったミニマルな画像なら誰でも簡単に作れます。

「アートワークを作りたいけど、コストをかけたくないな」「自分の好きなアートワークを描いてれる人を見つけるのは面倒だな」と感じている人は、ぜひAIに作ってもらうという選択肢も考えてみてください。

円安なので月3,000円もかかってしまいますが、普段からChatGTPを使う人なら、それほど高くない値段だと思います。

ちょっと画像生成だけ試してみたい、ということなら、DALLE-3が搭載されている「Bing Image Creator」なら数回は無料で画像生成できるので、こちらを試してみると良いでしょう。

  1. 今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。

  1. Ableton Live 12:新機能→Ableton Liveの新バージョンが、来年発売されます。11と比べて大きな変化はありませんが、MIDIの生成・編集機能がアップグレードされていているのは、なかなか魅力的ですね。

  2. 6人のインディペンデント・ミュージシャンが今日どうやって生計を立てているか→ストリーミングだけで月に200万円を稼いでいるアーティストの話が聞けたり、参考になる部分がとても多い記事です。音楽でもっと稼いでいきたい!という人にとっては、とても参考になるインタビューだと思います。

  3. Universal AudioのLuna DAWがすべてのMacユーザーに無償提供 - UAハードウェアは不要→ついにハードウェアなしでLUNAが使えるようになりました。LoopbackやL-ISA Audio Bridgeといったパソコンの内部ルーティングソフトを使えば、LUNAをAbleton Liveのサミングミキサーとして使うといったことも可能になります。

  4. 遂に日本上陸決定! ハイレゾ音楽ストリーミング&ダウンロードプラットフォーム「Qobuz」が12月にプレオープン→ハイレゾ音楽ストリーミングサービスといえば「Tidal」が世界の主流ですが、こちらは日本未上陸。フランスの「Qobuz」が先に上陸となりそうですね。サービスが始まったら、とりあえず登録してみてTidalとの音質の違いをみてみようと思います。

  5. テープイット、AIを搭載した無料のデノイザーを発表→無料のAIボイスアイソレーションソフトがリリースされました。ノブを回すだけで声以外のノイズを消せるので、音楽制作者にはもちろん、動画制作者にも嬉しいツールだと思います。

  1. DIYアーティストのためのマーケティング戦略

音楽で稼ぐにはどうすればいいのか?どのようにリリースするのが効果的なのか?DIY(インディペンデント)アーティストが、より多くの人に自分の音楽を聞いてもらう方法を探っていきます。

つい最近、「ウォーターフォールリリース」というリリースの手法があることを知りました。

これは例えば、まずAという曲が入ったシングルをリリースする。

次に、Aに加えて、Bという曲が入った2曲入りEPをリリースする。

次に、A,Bに加えて、Cという曲が入った3曲入りEPをリリースする。

といった感じで、今までリリースしてきた曲にどんどん新曲を追加していき、最後にアルバムの形でリリースするという手法です。

これの何が良いのかというと、アルバムリリースまで、コンスタントにリリースを重ねながら、プロモーションができる点。

さらにSpotifyでは、リリースごとに1曲しかプレイリストに入ることができないので、一気に曲を作ってアルバムをリリースするよりも、ウォーターフォールリリースでリリースしていった方が、すべての曲がプレイリストに入る可能性があるのです。

音楽ストリーミングサービス業界で一番利用されているのはSpotifyですが、Spotifyはレコメンド機能が充実しているので、プレイリストに曲が入ることで、より多くの人に作品を聞いてもらい、再生回数も増えていくという好循環が生まれます。

ウォーターフォールリリースの方法は、初めて聞くとなんだか変な感じがしますし、「そんな方法アリなの?」と思われるかもしれませんが、これがSpotifyのプラットフォームの特性を利用した、リリースのための最善の方法の1つなんだそうです。

僕もこれをやってみて、これからどのように再生回数やフォロワーが増えていくのか探っていこうと思います。

今の時代、やはり、ただ曲を作っただけで売れることはなく、こういったプラットフォームの特性を理解して戦略的に攻めていくアーティストこそ、生き残っていくのでしょうね。

前回のニュースレターまで、こちらはミキシングのコーナーでしたが、これからの時代、ミキシングやマスタリングはAIにどんどん任せていこうということで、今週からアーティストのリリースや、マーケティング戦略について深掘りしていくコーナーにすることにしました。

ウォーターフォールリリースでどれだけリスナーが増えるのか、こちらのアカウントで実験していきます。

  1. Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

🫧Song: Fly me to the moon 王OK - 最初は、完全に彼女のビジュアルでクリックしてしまいましたが、歌声がとにかく素晴らしい。コーラスとギターも最高です。こちらの曲もめっちゃ良い。Moon River 王OK

📊Marketing: あなたの次の曲を宣伝する新しい方法(成功例に聞く) - 曲は早急にリリースしろ!リリース前に誇大広告をするな!といった、時代に合ったマーケティングの方法がいくつか紹介されています。確かに、何月何日にリリースするよ!と宣伝されたところで、今の時代、すぐにその曲が手に入らなければ、人々の興味はすぐに違うところに行ってしまうでしょう。

📖Tutorial: Felix Raphael: Preparing Ableton Session View for Playing Live | incl. LIVE JAM | Organic House - 自分の曲を使ってライブジャムをしてみたいなら、こちらの動画を参考にしてみてはいかがでしょうか。Abletonの公式Tipsとして、ライブセットを構築する方法が解説されています。

🎶Sound Design: Tychoの「A-Walk」を再現する方法 - u-heのHiveシンセを使ったA-Walk - Tychoの再現方法が書かれています。

  1. ブログ更新のお知らせ

最近、Apple Musicでも空間オーディオ対応の楽曲が増えていますが、Nugen AudioのUpmixを使えば、誰もがDolby Atmosを簡単に作れます。

こだわる人は、ステムやトラックごとにUpmixを入れて調整しても良いですし、2mixのマスターにUpmixのプリセットを入れるだけでも、Dolby Atmos化が可能です。

  1. 作品のお知らせ

最新のThrasherMagazineのYouTube動画で、昨年リリースした楽曲Kellaが使われています。(一番最後の曲です)

スラッシャーはスケボー界隈?では超有名らしいのですが、僕はあまり詳しくないので、どれくらいすごいのかはよくわかりません。

動画にはかなりマッチしているので、いい感じにピックアップしてくれたなと思っています。

インテリアとデザインのメディア「ELLE DECOR」様の企画に、レコーディングと作曲で参加しました。

世界的フラワーアーティストであるニコライ・バーグマンさんの箱根アトリエでは、フィールドレコーディングも行い、動画の冒頭に入れています。

楽曲は全部で3曲。オープニングの楽曲が、自分でも特に気に入っています。

Lo-Fiを作るのは初めてだったのですが、Spliceでドラム素材を見つけ出し、Ableton Pushを使って打ち込みました。特に気に入っているのはピアノパートで、これはOP-1をMIDIキーボード代わりにし、Universal Audioの「Ravel」を使って打ち込んでいます。

リアルタイムで打ち込んで、クオンタイズを軽めにかけることで、柔らかい人間味あふれるサウンドになったかと思います。

11月11日劇場公開の映画「ケト・サピエンスは牧草牛の夢を見るか?」に、オリジナルソング22曲、全曲のマスタリング、サラウンドミキシング、フォーリーで参加させて頂きました。

医師である斉藤先生が、本当に美味しい牛肉を求めて全国を旅するロードムービー。観終わった後、日本の食に対する考え方が一変します。

そして斉藤先生がたどり着いたお肉、僕も口にしましたが、「これが牛肉?」という新食感。いや、これが牛本来の味だそうです。今の日本の和牛は、本来の生態からかけ離れてしまったのだと気付かされました。

以下、概要です。

美味しく健康的な牛肉とは、どんなものだろうか?

現代人に不足しているタンパク質と良質な脂を含んだ牛肉を求め、日本全国、こだわりのある和牛生産者を訪問した。 和牛のルーツを探るとともに、日本初の牧草牛専門精肉店を開き、孤軍奮闘するドクター斎藤の挑戦を追うドキュメンタリー映画。 果たして、美味しく健康的な黒毛和牛は存在するのか? 世界に誇る日本の和牛はどの産地が最良なのか? 本当に美味しい和牛の秘密をいま解き明かす。 知っているようで知らない和牛のルーツとは?

主演 斎藤糧三 [医師]

製作総指揮・撮影 高城剛

監督 徳武秀明

制作 NEXTRAVELER FILMS

週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.35

2023年11月17日発行

Blog: https://studio-okina.com/

Twitter: https://twitter.com/studiookina

HP: isseykakuuchi.info