週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.32

  1. 近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

先日、新たな名義で活動を始めることにしました。

ブログにも書いていますが、DistroKidというプラットフォームを使い、SpotifyやApple Musicなどに配信しています。レーベルの後ろ盾がないのでファーストリリースもほとんど再生されていませんが、ここからリリースしまくってプロモーションの効率的な方法なども考えていくきっかけになればと思っています。

こんな時代ですからサクサクとリリースしていきたく、アートワークはAIで作りました。

今回使ったのはStability.AIで、これは参考画像を読み込ませ、プロンプトによって新たな画像を生成することができます。

個人的に色味が微妙だなと思っていて、本当はこだわるなら人に頼んだほうが良いのですが、「AIアートワーク」というフレーズにワクワクを感じてしまい、今回はこちらの方向で責めることにしました。

AIでアートワークを作るのは意外と難しく、前にもStable Diffusionで画像生成の練習をしていたことがありますが、あまりイメージしているものが出てきてくれませんでしたね。

次作のアートワークは人に頼むかもしれませんが、リリース毎に新しい手法などを試してみて、ここで紹介していければと思います。

  1. 今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。

  1. スピットファイア・オーディオの共同設立者クリスチャン・ヘンソンが新プロジェクト、ザ・クロウ・ヒル・カンパニーで復帰→→トランスジェンダーへの差別的発言でSpitfireを離れたクリスチャン・ヘンソンがThe Crow Hill Companyというブランドを引っ提げて帰ってきました。Vaultsというプラグインを展開予定で、現在はAttic Grandというピアノ音源が無償配布されています。

  2. 独占:アップル・ミュージックが「スペーシャル・オーディオで利用可能なコンテンツ」に対して「より高いロイヤリティ価値」を提供中であることが、リークされた電子メールで明らかになった。→来年のVision Pro導入に向け、AppleがSpatial Audioに対するアーティスト収益の増加を検討しているようです。Apple幹部によると、2022年中にApple Musicの「全世界の加入者」の80%がこのフォーマットで聴いていたということで、今後はSpatial Audioに対応するフォーマットでリリースするのが良さそうです。スタジオ翁でも、Spatial Audioに対応したミキシング、マスタリングサービスを始めたいと思っています。Black FridayでNugen Upmix 3Dを買おうか検討中…

  3. sonicLAB、Oceanicの新メンバー、FlangerBotをリリース。→sonicLABから面白そうなエフェクトプラグインの登場です。Oceanicというプラグインで使えるフランジャーのようですが、デザインがとても面白いですね。デモバージョンが見当たらないのが残念ですが、とても気になります。

  4. Korg Intros modwave mkII Wavetable Synthesizer→ウェーブテーブルシンセは面白いものをいつも探していますが、これはなかなか良さそうですね。発売されたら楽器屋でチェックしてみます。

  5. コルグKeystageコントロール・キーボード、MIDI 2.0、ポリフォニック・アフタータッチを搭載→MIDI2.0に対応したキーボードが発売されるようです。最近のExpressive E OsmoseやAbleton Push 3といったMIDI3.0対応のキーボードを触っていると、「今までのMIDI規格は、なんて不便だったんだ」と思わざるを得ません。Osmoseはなかなか入荷がないので、Keystageが良さそうなら、こちらの購入も考えています。

  1. 作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

アムステルダムでは、今年もADE(アムステルダムダンスイベント)が開催されています。

公演の中で、マックス・クーパーは以下のように語ったそうですが、最近、僕もこの考え方を意識して音楽制作しています。

新しい機材やソフトを触っているときに、「お、このアイデア使えそうだな」となって、結局、機材やソフトを理解しないままになってしうことは時々ありますし、逆に、音楽を作ろうとしている時に技術的なことを考えてしまうと、表現したいものが逃げてしまうんですよね。

なので、「技術的な面と表現的な面を分ける」ことはとても重要だと思います。

僕はミキシングやマスタリングで音が良くなっていく過程が好きなので、ついつい1つ1つの音のクオリティにこだわって、音作りの方に時間をかけてしまうのですが、そのせいで楽曲そのものの制作が進まないことが多いため、最近はあえてモニタースピーカーではなくパソコンのスピーカーで作るようにしています。

仕上げの段階になって初めて、モニターやヘッドフォンを使うようにすると、音楽制作そのものに集中できるので、作曲スピードが上がります。

僕と同じような経験がある人は、こういったことを意識してみると、作業効率がグンと上がるかもしれませんよ。

  1. ブログ更新のお知らせ

今まではレーベルから楽曲をリリースしていたのですが、新しいアーティスト名でDistroKidを使ってセルフリリースしてみました。

イチから始めるのはなかなか難しそうですが、いろいろ施策を試してみて、ファンを集め、収益化する方法を模索していきたいと思います。

  1. Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

🫧Life Hack: 驚きの白さに!~キーボードホワイトニング計画~ - 最近、Korg MS2000という20年前のアナログシンセを買ったので、キーボードの黄ばみをとる方法を探していました。鍵盤が取り外しできるタイプのシンセサイザーなら、この方法を試してみるのもアリですね。取り外さずにホワイトニングすると、悲惨なことになりそうです…

🎸New Product: 300本のコンデンサーマイクを今すぐ自宅で聴き放題!!!ロサンゼルスで脅威の録音を成し遂げた男とその軌跡~Audio Test Kitchen~とは? - マイクが比較できるプラットフォーム、面白いですね。それより最近よく見かけるこのYouTuberの方、NAMMでも見かけましたが何者なのか気になります。

🧑‍🏫Tutorial: 7つのステップでアンビエント・ミュージックを作る方法(+無料サンプル・パック) - アンビエントってどうやって作るの?という方におすすめの記事。アンビエントの起源から具体的な制作の方法まで、丁寧に解説されています。

🪘Sample Library: World Fury - Sample Logic - 新しいワールドインストゥルメンツのサンプルが登場。ワールドサウンドが好きな方は要チェックですね。

  1. 作品のお知らせ

アンビエント作品をリリースしました。

今までは全てレーベルからのリリースでしたが、DIYリリースの効果的な方法を探っていく目的もあって、新たな名義でリリースを重ねていこうと考えています。

 

11月11日劇場公開の映画「ケト・サピエンスは牧草牛の夢を見るか?」に、オリジナルソング22曲、全曲のマスタリング、サラウンドミキシング、フォーリーで参加させて頂きました。

医師である斉藤先生が、本当に美味しい牛肉を求めて全国を旅するロードムービー。観終わった後、日本の食に対する考え方が一変します。

そして斉藤先生がたどり着いたお肉、僕も口にしましたが、「これが牛肉?」という新食感。いや、これが牛本来の味だそうです。今の日本の和牛は、本来の生態からかけ離れてしまったのだと気付かされました。

以下、概要です。

美味しく健康的な牛肉とは、どんなものだろうか?

現代人に不足しているタンパク質と良質な脂を含んだ牛肉を求め、日本全国、こだわりのある和牛生産者を訪問した。 和牛のルーツを探るとともに、日本初の牧草牛専門精肉店を開き、孤軍奮闘するドクター斎藤の挑戦を追うドキュメンタリー映画。 果たして、美味しく健康的な黒毛和牛は存在するのか? 世界に誇る日本の和牛はどの産地が最良なのか? 本当に美味しい和牛の秘密をいま解き明かす。 知っているようで知らない和牛のルーツとは?

主演 斎藤糧三 [医師]

製作総指揮・撮影 高城剛

監督 徳武秀明

制作 NEXTRAVELER FILMS

週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.32

2023年10月27日発行