週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.30

  1. 近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週は、原宿にできた日本初のRolandの直営店「Roland Store Tokyo」に行ってきました。

ロンドンに直営店第1号があるので、東京は2店舗目となります。

予約なしでも入れるようですが、せっかくなので、1on1のセッションを予約して行くことに。

セッションに予約すると、Roland製品について店員さんに教えていただきながら各機材を体験することができるので、せっかく行くなら予約して行くのがおすすめです。

さすが直営店の店員さんだけあって知識も豊富で、Boutiqueシリーズ制作の裏話なども交えつつ、いろんなお話を聞くことができました。

目当てのシンセ「Boutique Series D-05」は廃盤になっていたので見れなかったですが、Juno-X、Gaia 2、TRシリーズ、ウィンドシンセ、Boutiqueシリーズ、SP404などを実際に触らせていただいて大満足のひと時でした。

個人的には、小型ドラムマシンTR-6Sがとても気になりました。

キックはTRシリーズを使っておけば間違いない!と、たまにブログにも書いていますが、あの大きさからRolandの定番のサウンドが出るというのはとても魅力的です。

そんなわけで、「シンセサイザー欲しいけど、たくさんあってどれがいいのか全然わからないや…」という人から、「いろんな電子楽器が演奏できるみたいだから、ちょっと覗いてみるかー」といった人まで、幅広い人におすすめできるRoland Store。

気になった方は、ぜひ足を運んでみてください。

  1. 今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。

  1. ローランド、シンセサイザー「GAIA 2」を発表→Roland Storeで試奏してきましたが、この値段でこの機能性はお得だなと思いました。ウェーブテーブルシンセの購入を考えている人は、Gaia2を候補に入れるのもアリだと思います。

  2. Austrian AudioのMiCreatorがポケットサイズのパッケージでノーセンス・ステレオ録音を実現→オーストリアンオーディオから、ポケットサイズのマイクが登場。iPhoneなどを繋いで気軽に使える、ちょっと良いマイクって感じでしょうか。見た目が可愛らしいですね。Teenage Engineering CM-15と、どれくらい録音品質に差があるのか気になります。

  3. Sugar BytesがMacとWindows用のEffectrix2を発表→スタッターやリバーブ・ディレイなどのエフェクトをシーケンスとして組み立てられるプラグイン「Effectrix」がアップグレードして登場しました。ヒップホップ、Lo-Fi、EDMなどの制作に使うと便利です。

  4. AI搭載のループスタッキングツールSplice Createが刷新されました - Spliceで簡単に曲作りができる機能「Splice Create」が新しくなりました。Spliceアプリ内で使えて、誰でも簡単に曲のアイデアを組み上げることができます。これまで以上に、誰でも音楽制作ができるようになる画期的なツールだと思います。

  5. Audiomoversがバイノーラルレンダラープラグインを発表。→Apple Musicで音楽を配信した際、どのようにバイノーラルサウンドが聞こえるのかをシミュレートするプラグイン「Binaural Renderer for Apple Music」が、Audiomoversからリリースされました。Apple公式ではないですが、個人でもDolby Atmosが作れる時代、こういったプラグインが増えていくのは嬉しいですね。

  1. 作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

周波数の感覚を養う方法

音の仕事をしていなくても、日常的に「この音は何Hzくらいかな」と意識を持って生活していると、なんとなく周波数の感覚がわかるようになってきます。

そして聞いただけで周波数がわかると、ミキシングの精度も上がります。

このトレーニングをするにはお持ちのスマホに「スペクトラムアナライザー(スペアナ)」を入れておくだけ。

スマホのマイクで簡単に周波数をチェックできるので、街中で気になった音が何Hzなのかを確認してみましょう。

おすすめはOXNYのスペアナで、見やすい上に細かく表示の設定ができるので、とても使い勝手が良いです。

  1. ブログ更新のお知らせ

こんなに精密に声のクローンを作れる未来が、すでにやって来ているんですね。

Kits.AIを使えば、自分の声に自信がないけどボーカルを入れてみたい人、女性にハモリパートを歌って欲しい人、あの有名人の声でナレーションを録りたいと思っている人、などなどいろんなシーンで活用することができます。

ゆっくりと確実に、AIが音楽制作の世界を変えていっているのを感じます。

  1. Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

⚙️Modular: Qu-Bitは、Eurorackモジュラーシンセサイザー用のMojaveステレオグラニューラルサウンドプロセッサをイントロします - Qu-Bitがステレオグラニュラープロセッサーを発表しました。最近、Instruo Arbharもアップデートによってステレオ入出力に対応しましたが、かなり値段が高いので、Arbharまでは手が届かないけどグラニュラープロセッサーが欲しい!という方はぜひチェックを。

⚡️Buying Guide: 2023年に買うべき最高のオーディオ・インターフェース:300ドル以下のオーディオ・インターフェース14選 - 5万円以下のオーディオインターフェイスを探している方は、この記事が参考になると思います。おすすめは実際に音も聞いたことのあるFocusriteですが、紹介されているものならどれも良い音だと思います。正直、この価格帯なら好みの問題だと思いますね。

🔎Tutorial: オーディオ・エンジニアのための耳のトレーニング:聴く力を引き出す - 僕は周波数やダイナミクスの感覚をクラブのPAで養いましたが、音の仕事についていなくても、こういったサービスを活用すれば耳は鍛えることができます。

🔌Plugin: クリエイティング・ザ・サウンズ・オブトム・ミッシュ&ユセフ・デイズ - Tom Mischのような曲を作るには?のヒントがいくつか載っています。TouchLoopは最近更新がないですが、過去の記事ではFlying LotusやAphex Twinといった著名アーティストのサウンドを再現する方法が解説されています。

週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.30

2023年10月13日発行

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