週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.29

  1. 近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

前から苦戦していた、DIY真空管アンプをついに完成させました!

と言っても、DIYキットを購入して作ったので、僕は半田作業くらいしかやっていませんが、それでもDIYで何か物を作るというのは素人にはなかなか難しいですね。

特に電源トランスなどを積んだ機械は、感電の可能性もあるので、興味よりも恐怖心が上回ります。

今回は「ココナラ」というサービスで、アンプ作りのプロフェッショナルに頼んでDIYキットを作ってもらいましたが、これがよくできていて、作り方などでわからないところは細かく図解で解説していただいたりと、とても親切に指導していただいて良い経験ができました。

ココナラで真空管アンプを取り扱っている方は一人しかいないので、すぐに見つかると思いますが、「真空管アンプを作ってみたいけど、周りに詳しい人もいないし自分にはできないかも…」という方は、ぜひこの方に相談してみてください!笑

さて、僕は機械工作については全くの素人なのですが、せっかく仕事でも趣味でもがっつり音楽に携わっているので、何か自分の好きな音がするアンプや、使い勝手の良い機材を自作できないかな、と最近はずっと考えています。

とりあえずアンプ作りは満足したので、次はMIDIコントローラーを作ってみようと思います。

Arduinoというマイコンを使えば、意外と簡単に作れるらしく、まず手始めに超小型の1chオートフェーダーに挑戦してみることにしました。

今年のNAMM Showでフェーダーがいくつか展示してあって、その時に「自分でも作れないかな」と思ったのがきっかけなのですが、ついに今週パーツを購入しました。

プログラミングが必要なので素人には大変かもしれませんが、試しにやってみて、うまくいけば記事で皆さんに共有したいと思います。

お楽しみに!

  1. 今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。

  1. 2024年初頭に登場:Kii Sevenストリーミング・アクティブ・ラウドスピーカー→これはアツいですね。普段はKii Threeを使って作業してますが、これより小型のKii Sevenが来年登場するとのことでめちゃくちゃ気になる!価格はペアで7,800ドルくらいなので、100万ちょいって感じですね。Kii Threeくらい低音が出るなら、値段分の価値は十分にあると思います。

  2. ムーグ・ミュージック、レイオフ後の声明を発表:"アッシュビルで、設計、革新、製造を続ける"→先週、Moogを解雇された従業員によるFacebookの投稿を紹介しましたが、Moogが公式声明を発表しました。一部の楽器は台湾で製造されるようですが、本社は今後もアッシュビルに残り、革新的な製品を発表していくとのこと。とはいえ、かなりの人数が解雇されているのをみると、これまで通りのスタンスではもう成り立たないのでしょう。今後はソフトウェアの充実と、低価格帯シンセの登場がありそうですね。

  3. "製品をコピーし、まったく同じ価格で販売することが、どのように「営利目的ではない」ことになるのか不思議だ":ループ、ベリンガーの「非営利」主張を非難→Behringerが大量のシンセ、モジュラー、MIDIコンなどのコピー品を製造・販売していることはよく知られていますが、「これを営利目的でやっているわけではない」「私たちがインフルエンサーに製品を無償提供しないから、彼らはBehringerをサポートしてくれない」といった珍発言?を連発して議論が巻き起こっています。安くて質の高い製品をリリースしてくれるのは消費者としてはありがたいんですけどね。メーカーとしては困りますよね…

  4. Serge Paperface 2.0 モジュラー・シンセサイザー・パフォーマンス・デモ→モジュラーシンセの老舗ブランド「Serge」が50周年記念モデルのラックを発表しました。僕がSergeと聞いてすぐに思い浮かぶのは、国内アーティストPhewさんですが、Sergeとともに作りだす彼女のライブの世界観はとんでもなくぶっ飛んでいます。去年開催のフェス「rural 2022」では客席で泣いてる方もいましたね。モジュラーを始めたいけど、他の人とは一味違ったシステムを構築したいという方は、Sergeのラックシステムから始めてみるのも良いかもしれません。

  5. Reliq マトリックス・ミキサー、シーケンサー、DAW コントローラーが予約販売開始→クラウドファンディングサイト「Indigogo」にて、MIDIシーケンサーが登場。シーケンサーの機能だけでなく、ミキサー機能やDAWコントローラーとしても機能します。

  1. 作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

今よりちょっとだけ良い音で作曲する方法

作曲環境が整っていなくても、簡単に今より良い音で作曲する方法があります。

それが「DAWのサンプリングレートを上げる」という方法。

CDは44.1kHzなので、サンプリングレート44.1Hzで作業している方も多いと思いますが、96kHzまで上げてあげると、シンセプラグインなどの音のツヤが全然違って聞こえます。

僕はAbleton Liveの音があまり好きではないので、普段はなるべく96kHzまで上げて作業をしています。

お使いのパソコンが96kHzの動作に耐えられるかどうか次第ですが、マスタリング作業をする時や、少しでも良い音で作業したい時には、ぜひサンプリングレート96kHzで作業してみてください。

書き出しの時は、ハイレゾで配信したい方はそのまま96kHzでOKですし、CDリリースもあるなら、曲が仕上がってから44.1kHzまでダウンコンバートすればOKです。

  1. ブログ更新のお知らせ

最近のソフトシンセサイザーの進化がすごい!って話をしてます。

でも、アナログでしか出せない色っぽいサウンドがあるのも事実。。。

ミキシングやマスタリングはデジタルで完結させつつ、作曲などのクリエイティブな作業には、アナログデジタル問わず自分が一番色っぽいと感じるサウンドのシンセを使うべきだと思いますね。

  1. Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

🎧Label: Leaving Records - 先週、長野のフェスに、アンビエント界で注目を集めるGreen Houseがラインナップされていましたが、その彼女もアルバムをリリースしているレーベルです。今年発売された創設者Matthewdavidのアルバムも最高です。

🎵: Label: RVNG INTL. -「リヴェンジ」と呼ぶそうです。過去には、ニューエイジ・アンビエント界隈で有名なVisible Cloaksもこのレーベルからリリースしていますね。

🔎Tutorial: ネッド・ラッシュと学ぶライブでのMIDIコンピング - Ableton Liveを使って偶発的なメロディーを作る方法が解説されています。これは後で見てみよう。

🔌Plugin: 「テクスチャー」で個性と奥行きをプラス - Elphntから、バイナルノイズなどの質感を楽器に組み込むプラグインが登場しました。単にバイナルノイズを付与するわけではなく、楽器の再生に合わせて、ダイナミックにノイズをプラスすることができます。

週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.29

2023年10月6日発行

Blog: https://studio-okina.com/

Twitter: https://twitter.com/studiookina