週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.26

  1. 近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

最近、いろんなBluetoothイヤホンを試聴しているのですが、「Technicsのイヤホンが良い」ということを聞いたので、ヨドバシに聴きに行ってみました。

Technics EAH-AZ80というフラグシップモデルを聴いてみたのですが、低域から広域までのバランス、空間の広がりがとても良かったですね。

最近発売されたばかりのSony WF-1000XM5と聴き比べしてみると、音質にかなりの違いがありました。

オーディオインターフェースで例えるなら、WF-1000XM5がUniversal Audio Apolloシリーズの音色なら、Technics EAH-AZ80はRME Babyface Proといった感じ。(わかりにくいか)

Sonyはまとまりとガッツのある音色なのに対し、Technicsは細部まで聞き取りやすい分離の良いサウンド。Sonyがロックやポップスに合いそうで、Technicsは繊細なクラシックなどの音楽に合いそうだと感じました。

どちらも良いイヤホンですが、Technicsは耳へのフィット感もとても良かったので、AirPodsを手放してTechnics EAH-AZ80を購入しようかと考えています。

  1. 今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。

  1. 公式発表:語学アプリDuolingoが音楽コースを開設へ→以前から噂されていた音楽コースが今年登場するようです。外国語学習においてはトップを走り続けるDuolingoですが、この教育メソッドがうまく音楽の分野にも活用されるといいですね。僕はピアノの勉強にSimply Pianoというアプリを使っていますが、これとDuolingoがどのくらい違うのか気になります。

  2. LALAL.AIボーカルリムーバーが無料iOSアプリとして登場→LALALはボーカル抽出によく使わせてもらってます。RXよりも精度が良く、かなり自然に、声とそれ以外の音楽やノイズを分離できるんですよね。無料版はプレビューのみ使えて、書き出しには課金が必要なようです。

  3. Native Instruments、「KONTROL S-Series MK3」を発表…… ポリフォニック・アフタータッチに対応、NKS対応音源との連携がこれまで以上にディープに→KOMPLETE CONTROLが6年ぶりにアップデートされました。ポリフォニックアフタータッチに対応しているとのことですが、MK2と比べて随分値段が上がっていますね。人によってはMK2でも十分だと思います。このシリーズは鍵盤のタッチがとてもよく、DAWのミキサー機能やプラグインの調節を鍵盤の画面で直接コントロールできるのですごく便利。僕もMK2を愛用しています。

  4. "これまでできなかった方法で音楽を作る人たちが出てくるだろう":ジェイムス・ブレイク、AIについて→「これからは、これまで自分の思うような方法で音楽を作ることができなかった多くの人々が、音楽を作るようになるだろう」ジェームズブレイクが動画の中で、AIについてこう語っています。「頭の中には音楽のアイデアがあるけれど、それを形にするための手段がない人」にとって、AIは最高のパートナーになってくれるでしょう。今でも、楽器が弾けなくても音楽が作れる時代ですが、今後はよりこの流れが加速し、誰もがもっと気軽に音楽制作できるようになると思います。

  5. MasterSounds Valve MK 2は、デジタルミキサーにこだわらないDJのための美しいロータリーミキサーです。→今、40万円以下でロータリーミキサーを選ぶとすれば、このMasterSounds Valve MK 2がまず候補にあがるのではないでしょうか。Pioneerの最新ミキサーA9が同じくらいの値段ですが、エフェクターを使わないならMasterSoundsを選んだ方が、音質的にもデザイン的にも良いと思います。Model1やAlen&Heathミキサーの設計者であるアンディ・リグビー・ジョーンズとコラボしているので、外観の美しさもしっかりと意識して作られているのがわかります。

  1. 作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

前回はFETタイプのコンプレッサーについての動画を紹介しましたが、同じシリーズで真空管を使ったVari-Muタイプのコンプレッサーについても解説されています。

この動画では、Pluiging Allianceの2つの製品が紹介されており、音色の違いや使用ケースなどについて詳しく解説されているので、「真空管タイプのコンプをどんな楽器に使ったらいいのか」「設定値はどのくらいでゲインリダクションはどのくらいに設定すればいいのか」といったことも参考になります。

僕は、SPL Ironのまったりふくよかな音色が好きでたまに使っているのですが、動画で比較されているNEOLD V76U73を聴いてみると、真空管ならではの温かみに加え、Ironよりもタイトで前に出てくるサウンドになるのがとても好印象でした。次の制作から試しに使ってみようと思います。

真空管タイプのコンプならMagicDeathEyeもおすすめですが、Plugin Allianceのサブスクに登録している人なら、上記2つのコンプは追加料金なしで使えるのでぜひ試していただきたいところ。

コンプは場面によってうまく使い分けられると、音楽に「奥行き」や「カラーバリエーション」が生まれるので、前回ご紹介したFETタイプのコンプとうまく使い分けながら制作に活かしていくのがおすすめです。

Plugin Allianceの宣伝みたいになりますが、サブスクに登録しておけばいろんなタイプのコンプが試せるので、「本格的にミキシングしてみたいけどUADみたいな高いプラグインはなかなか揃えられないな」という方は、Plugin Allianceのサブスクに登録して、いろんなミキシングプラグインを試してみることをおすすめします。

  1. Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

🎤Live: XG、初の有観客単独ライブをぴあアリーナMMで開催決定 - これは、ぜひ行ってみたいですね。世界に羽ばたく日本人グループ「XG」のパフォーマンス、ライブの質、音のクオリティ、全てに興味があります。

🍻Party: Sunset The MARINA “10th Anniversary” - 今年もこの季節がやってきました。サンセットを眺めながら、海辺で極上の音楽を楽しむSunset The MARINA。今回はJan and Naomiが出演するということで、きっと素敵なパーティーになるでしょう。お時間合う方は、ぜひ足を運んでみてください。

📱Instagram: scttcmpbll - 興味のある機材をたくさん投稿しているので、たまに見ています。リリースしている音楽もなかなか良いですよ。

🎵Record: Lake Of Illusions 幻の湖・永遠の夏 ダイジェスト - 近くのレコード屋で発見しました。ジャケットが素敵だとついつい買いたくなっちゃいますよね。YouTubeでダイジェスト版のみ試聴できます。

週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.26

2023年9月15日発行

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