週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.17

  1. 近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週は、数年ぶりにサウナに行きました。

音楽と関係ない話か…と思われるかもしれませんが、実は関係あります。

サウナに行くと「ととのう」というのは、よく耳にすると思いますが、僕の認識では「ととのう」とは、瞑想した後のような「頭がクリアになって、今に100%フォーカスできる状態」に辿り着くことだと思います。

仕事や人間関係でうまくいかないことを、休みの日や寝ている間にまで持ち越してしまうことは誰にでもあると思いますが、サウナに行けば、身体はそんなことを考える余裕を与えてくれません。

灼熱のサウナルームで「なんだこの体験したことのない暑さは!?」となり、水風呂に入れば「いきなり冷水!?身体の調整機能をフル稼働しなければ!」となり、「次は灼熱か極寒か、いったいどっちが来るんだ!?」と、考え事なんてしている余裕はありません。

僕らはサウナにいるので、何が起こっているのか理解していますが、身体は生きるか死ぬかの体温調整や神経調整作業をしているので、日々の考え事にまで思考が回らないように自然となっていくんですよね。

そして、サウナでのルーティーンを終えた後、脳が「スン」としてととのった状態に入ると、今にフォーカスできる。つまり日常のノイズが頭の中から離れ、ノイズが気にならなくなるのです。

さらに音楽も、普段より滑らかに脳の中に入ってきます。

日々の生活のノイズで頭がゴチャゴチャになり、音楽に感動しなくなることは、誰にでもあることだと思いますが、サウナは強制的に脳をクリアな状態に戻してくれる優れたツールだと思います。

最近、「音楽に感動しなくなったな」という方や、「もっと音楽に入り込みたい」と思っている方は、ぜひサウナに行って脳を強制リセットさせてみてはいかがでしょうか。

  1. 今週の音楽ニュース

「音楽制作」「ミキシング」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。

 

  1. 2023年、音楽プロデューサーに最適なポッドキャスト12選→Tape Note、Pensado’s Placeあたりは有名どころですが、他にもたくさんの音楽制作に関するポッドキャストが紹介されています。有名なアーティストが制作の裏側をじっくりと語ってくれたりするのが、こういったポッドキャストの良いところですね。

  2. お気に入りのアーティストからフィードバックをもらえるサービス→Echioはファンとアーティストを繋ぐ無料のコミュニティサイトですが、著名アーティストに自分の音楽についてのアドバイスをもらうこともできます。Stimming、Henrik Schwarz、Francois Xといったトップクラスのアーティストから、直にフィードバックを得られるのは画期的だと思います。

  3. Waves Audio Key Detector プラグインが出荷開始→Wavesが新たにリリースしたAudio Key Detectorは、サンプルや楽曲のキーを判別するためのツール。こういったシンプルで直感的に操作できるキーディテクターは意外とないので、とても便利ですね。。Wavesのボーカルチューニング&ハーモナイジングプラグインとシームレスに統合できるのも良いです。

  4. ボイススワップで自分の声をクローン化し、権利を守ろう→Voice Swapは、アーティストの声をクローン化し、声の著作権を守るためのサービスです。このサービスを通してアーティストの声を利用することで、著名アーティストの声が、勝手にAIによってコピー&利用されるのを防ぐことができます。最近、AIによる声の著作権が問題視されていましたが、こういった解決策を提供する企業も続々と出てきているのですね。

  5. TouchDesigner Curriculumは、学習者と教育者のための完全ガイドです。→これから音楽と映像、どちらも作れるアーティストは今後ますます増えていくことと思います。TouchDesignerは、僕も一度挫折した経験があるのですが、このTouchDesigner Curriculumを活用することで、より簡単に映像制作の技術が習得できるようになりそう。

  1. 作曲とミキシングのアイデア帳

作曲・ミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

最近、全然更新できていないですが、「Disclosureが楽曲解説している様子を日本語で解説したビデオ」をYouTubeで公開しています。

いろんなプラグインを駆使して緻密に楽器やボーカルを組み立てていく様子は、改めて観ても参考になる部分が多いですね。

「dbx160コンプレッサーをベースに使うと、心地よいピッキングノイズが得られる」「Studer A800サチュレーターでサチュレーションを加えるとともに、ドラム全体をグルーして1つにまとめる」と、いろんなプラグインを使っている彼らですが、1つ1つのプラグインの特徴をしっかり理解して使っているのがわかります。

キック1つとっても、4つのサンプルを組み合わせ、それぞれのサンプルの周波数帯域を綺麗に棲み分けして、破綻しないように上手くレイヤーしているところからも、これまで相当な数の楽曲を制作してきているんだなということが感じられます。

Disclosureのチュートリアル動画は、他にもYouTubeにたくさん転がっているので、興味のある方は、ぜひ探して見てみてください。

  1. ブログ更新のお知らせ

LALAL.AIは、機械学習のスペシャリストによって作られたサービスで、「声とバックグラウンドノイズの分離」や、「楽器の分離」を得意とするAIツールです。

ノイズ処理の定番ソフト「iZotope RX」やAI機能のついたDJソフト「Djay」にも、声や楽器を分離する機能は付いていますが、実際に使ってみて、精度的にはLALAL.AIの方が優れていると感じました。

「家で録音したボーカルのノイズを消したい」「音のプロじゃないけど録音したデータのノイズを取り除きたい」といった人におすすめのツールです。

  1. Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

💿Music: Amaro Freitas- Dança dos Martelos ( Official Music Video ) - 今月開催された、FRUEZINHOにも出演していたピアニストAmaro Freitasの一曲。彼の存在は全然知らなかったのですが、動画を観て一気にファンになってしまいました。

🕍History: Tresor: A Story of Survival - ベルリンの名門クラブTresorに関するショートドキュメンタリーが公開されました。 - Tresorは、Bergheinと並ぶジャーマンテクノの聖地。東西ドイツ統一後の1991年に東ベルリンの銀行跡地ではじまったTresorは、襲撃事件や取り壊しなど、数々の苦難を乗り越えてきましたが、その歴史をYouTbeで無料で観ることができます。

🎧DJ: Dengue Dengue Dengue Liquid light live set @ EFT Oct 2020 (Recorded in Berlin) - 今夜は渋谷Wombに、ペルーのDJ「Dengue Dengue Dengue」がやってきます。ということで、彼らのDJセットをご紹介。プロデューサーとしても素晴らしく、リリースしている曲もかなり良いので、知らない方にはぜひチェックしてみてほしいところ。日本にもファンが多いので、今日は熱い夜になりそうな予感です。

🎞️Film: The Secret Life of Plants - 植物の感覚や、人間を含む他の生物とコミュニケーションする能力を探るドキュメンタリー映画で、公開はなんと1973年。スティービーワンダーが楽曲提供していたので興味を持ったのですが、この時代に植物の感覚にスポットライトを当てている映画が出ているのは、とても興味深いですね。僕もこれから視聴します。

週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.17

2023年7月14日発行

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