このメルマガは、AIや最新テクノロジーをいち早く取り入れ、新しいアプローチで音楽を生み出す「次世代のクリエイター」に向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代。AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せる仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロの音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作や、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 作曲とミキシングのアイデア帳

  3. 今週の音楽ニュース

  4. サービス・書籍のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

先日、Native Instrumentsが破産しました。

音楽制作をやっている人なら、誰もが一度はお世話になったであろう、あのNative Instruments。プロで、「このメーカーのソフトを使ったことがない」という方はいないんじゃないかと思います。

ただ、不思議と「そうか、ついに来たか」という感覚もありました。

最近「SaaSの死」なんて言われ方をしているのを目にする方も多いのではないでしょうか?

これは、個人が自分の欲しいツールを自分で作れるようになったことで、月額課金で使っていたソフトやサービスが、次々と立ち行かなくなっている現象です。

実は最近、前から「こういう機能が欲しいな」と思っていたものがあったんですが、探してもちょうどいいVSTプラグインが見つからなかったんですよね。

で、試しに自分で作ってみました。

そしたら、以前なら専門的なプログラミング知識がないと無理だったものが、プロンプトだけで出来上がってしまい、自分でもびっくりしてしまいました。

このメルマガの最後に、いつもChrome拡張を紹介していますが、あれも全部同じ要領で作ったものです。それがVSTプラグインまで作れるようになるなんて…

本格的に、プラグインDIYの時代が来ているなと感じます。

ちょっと話は変わりますが、今週「ZINEフェス」なるものに行ってきました。

個人出版の本を売っているフェスで、数十人がそれぞれブースを出している、なかなか独特な空間です。

そこで見つけたのが、「遺伝子検査のやり方」を解説した本。なかなかマニアックですよね。

でもこれ、僕にとってはものすごいタイミングでした。

ちょうど「遺伝子検査って、検査機関にレポートを作ってもらうんじゃなくて、生データだけもらってAI解析したほうがよくない?」と考えていたところだったんです。

最新の研究に基づいてAIにレポートを更新させれば、一度きりの固定レポートよりずっと使えるものになる。専門機関にお任せして完成品を受け取る時代から、データをもとに自分で解釈する時代へ移りつつあります。

これは、プラグインDIYの話とも繋がってきますね。

Native Instrumentsの倒産も、ZINEフェスでの偶然の出会いも、どちらも同じことを示しているように感じました。ツールも、知識も、「誰かにお任せ」から「自分の手で作り出す」方向に動いている。

アイデアを生み出し、自ら作り出す力が、今後の世界生き残る一つの鍵だと感じさせられた今週でした。

ちなみに、ZINEフェスで面白い本を見つけるコツは、「本」ではなく「人」を見ること。

ブースには必ず著者本人が立っているので、「この人が書いた本、気になるな」と思える人を探す。本屋では表紙やタイトルで選ぶしかないですが、こういう場では著者の佇まいが最強のフィルターになります。

これがおもしろくて、結構な確率で「この人面白そうだな」とか「なんかこの人、気になる」と感じた人の本は、実際に中身も面白いのです。

今後ZINEフェスに行く方は、ぜひ試してみてください。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

リバーブの「プリディレイ」

リバーブのプリディレイに関することが詳細に書かれた、こんな記事を見つけました。

Reverb Pre-Delay Techniques: Learn to Play with Space

みなさんはプリディレイ、どのように設定していますか?

僕は音楽制作を始めた頃、ボーカルをもっと前に出したい、もっと聴かせたいと思った時、プリディレイを短くしていました。なんとなく「早くリバーブが聴こえた方が、音が近くなる」ような気がしていたからです。

でも、数値を小さくすればするほど、なぜかボーカルが奥に引っ込んでしまう。

そんな時に知ったのが、「プリディレイと距離感の関係」でした。



実は、音が近いか遠いかを脳が判断するのは、「直接音」と「最初の反射音」の時間差(プリディレイ)なんです。

結論からいうと、プリディレイを長くする(遅らせる)ほど、音は手前に来る。リバーブをかけているのに、ボーカルの輪郭がクッキリと浮かび上がってくるんですよね。

記事では、数値を「20~40ms」くらいに設定するだけで、ボーカルが前に出てくると書かれています。(個人的には、はっきり聴かせたい場合、80msくらいまで上げても良いと思います)

逆に、コーラスやパッドなど、音を奥に引っ込めたい時は、プリディレイを「0ms」にしてみましょう。これで、ミックス全体の立体感がけっこう変わってきます。

「ボーカルがオケに埋もれて、なかなか前に出てこない」と感じている方は、ぜひプリディレイを意識してみてくださいね。



ちなみに今回参考にした記事には、他にもミックスに役立つトピックが満載です。

例えば、BPMを使って数学的にリバーブを操る方法や、広がりを作るため、あえて原音のステレオ幅を狭めるといった面白い方法も解説されています。

ここで一度、リバーブについて学び直したいという方は、ぜひ、オリジナルの記事にも目を通してみてください。

📰 今週の音楽ニュース

スタジオ翁独自の視点で厳選した、世界の最新音楽ニュースをお届けします。

Behringer Wave、めっちゃ気になる!

  1. Instrumental Guide: 既存楽曲からボーカルを除去しインスト化する実践的ステップ解説。

  2. Oscillarys: Native InstrumentsとOcean Swiftによる新シンセOscillarysの発表。

  3. Steve Aoki Remix: Laidback Lukeらが語るSteve Aokiリミックス制作の舞台裏。

  4. Best Synths 2026: 2026年注目の最新シンセサイザー総まとめ。

  5. ngSumbox: Wes Audioが発表したアナログ・サミング・プロセッサーngSumbox。

  6. Deep House Hardware: ディープハウス制作に最適な現代ハードウェア構成提案。

  7. AI Radio: AI生成音楽のみを扱う新オンラインラジオ局のローンチ。

  8. Drum Plugin: 1万4千人が選んだ人気ドラムプラグインの大型アップデート。

  9. Best Poly Synths: 現行ポリフォニック・シンセのおすすめ機種ガイド。

  10. Behringer Wave: BehringerがPPG Wave系シンセを再現した新モデル発表

  11. HEDD Type 20 A: HEDD Type 20 A Coreモニターの音響性能レビュー

  12. Sony AI Detection: SonyがAI生成音楽を識別する検出ツールを導入

🎧サービス・書籍のご紹介

<Splice作曲メソッド>

音楽制作に悩むすべての人におすすめです。

音楽理論や楽器の演奏からスタートする「従来の作曲法」とは異なるアプローチにより、「アイデアが浮かばない」「どこから始めればいいか分からない」といった悩みを解決。アイデアがない状態から1曲を完成させる、実践的なテクニックを身に付けます。

さまざまなジャンルの音楽をゼロから作っていく様子までご覧いただくことで、実践に即した体系的なメソッドを学び、良い音楽を量産する方法を身に付けることができます。

<プライベートレッスン>

(ちょっと忙しいので休止中です。)

作曲・ミキシング・マスタリングに関するプライベートレッスンのご案内です。

具体的なレッスン内容は、事前のメールやZoomなどでヒアリングしてから決めていくことも可能です。

まずは、お気軽にご連絡ください。

<著書>

作曲AIに関する書籍です。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。購入はKindle Unlimitedで。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

<Chrome拡張>

AI時代は、MYOG(Make Your Own Gear)の時代です。

アーティストが道具を自分で作る未来を模索中。その研究成果として2つのウェブアプリを開発しました。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.149

2026年2月20日発行

Blog: https://studio-okina.com/

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