- スタジオ翁のメルマガ
- Posts
- スタジオ翁のメルマガ vol.132
スタジオ翁のメルマガ vol.132
このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。
プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せるような仕事も個人で完結できるようになりました。
あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。
目次
お知らせ
近況
作曲とミキシングのアイデア帳
今週の音楽ニュース
ブログ、note更新のお知らせ
サービス・書籍のご紹介
📢お知らせ
5日間のメール集中講座を解禁しました。(無料)
これから音楽制作を始める方が最短でステップアップできるよう、これまで培ってきた知識と、AIを含めた音楽制作の最新情報を2万字を超える文章に凝縮しました。
内容はこんな感じです。
1日目: 何よりも最初に理解すべき「音楽制作ピラミッド」とは? 2日目: たったこれだけ。覚えるべき2つの音楽理論 3日目: 本当に揃えるべき機材とプラグイン 4日目: 最新のAI作曲サービスの活用法 5日目: 挫折しないための「学び方」の地図 ボーナス: 最短で作曲の土台を築く方法
ぜひ、日々の音楽制作にご活用ください!
📝近況
ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

ふと、今発信しているニュースレターって、「ニュースレター」ではなく「メルマガ」だよなと思ったので、「スタジオ翁のメルマガ」という名前に変えました。
堅苦しさが減り、いい感じの可愛いタイトルになりましたね。
さて先週は、Labyrinthというフェスに行ってきました!

音がいいと評判のテクノフェスですが、Function Oneというスピーカーを大量に導入していて、こだわりのDJミキサーやDAコンバーターを使った素晴らしいサウンドで、音楽を楽しむことができました。
爆音で音を浴びるのは、もはやセラピーですね。
セラピーといえば、こんな不思議な出店もありました。
ウォーターベッドという水で満たされたベッドに寝転がり、左右のスピーカーからこのイベントのために専用に作られた音楽を浴び、さらにはウォーターベッドの下に内蔵された3つのサブウーファーで、音楽と同期した低音を全身で直接感じることができる、とても面白い出展です。
実際に30分寝転がってみたのです。終わった後、とてつもない眠気とリラックスが押し寄せ、3日間のフェスでかなり疲れていたのですが、その疲れを吹き飛ばしてくれるような癒しをもたらしてくれました。ウォーターベッド以外でも効くのか、週末に自宅のベッドをサブウーファーで揺らして実験してみようと思います。
また、このシステムが作れないかと、都内で唯一ウォーターベッドを取り扱っている日本橋の店舗にも行ってみました。すごく値段が高いわけでもなく、導入も手軽にできそうだったので、僕のやりたいことリストに、また新たに「ウォーターベッドサウンドシステム」が追加されました。
音への興味は尽きませんね。
📘作曲とミキシングのアイデア帳
作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

これからD2Fの時代がやってくる!
この動画を観て、「これから絶対に、D2Fつまりダイレクト・トゥ・ファンの時代になる」と思いました。
Spotifyでは現在、1ストリームあたりの収益は0.003〜0.005ドル程度ですが、ダウンロード販売は1回あたり2.5〜10ドルになります。Spotifyで100ドルを稼ぐには2〜3万回のストリームが必要なのに対し、D2Fではわずか7〜50回のセールで同じ金額を稼ぐことができます。
つまり、1回のD2Fセールは、Spotifyの約625回のストリームに相当するのです。
最近、ビジネスはアルゴリズム依存の時代を抜けつつあると感じます。これまでSEOやSNSなど、プラットフォームのアルゴリズムに依存してきた構造から、個人がファンコミュニティを基盤に展開するビジネスへと移行しているように、音楽の世界でもSpotifyやTikTokのアルゴリズムに頼らず、本当に関心を持ってくれるファンに直接リーチするための戦略が必要になってくるはずです。
独立系アーティスト兼音楽弁護士である彼女は、新曲のリリースに先立ってダイレクト・トゥ・ファン(D2F)モデルを導入したところ、わずか数日間で、楽曲を従来の音楽プラットフォームに数ヶ月間掲載した場合よりも多くの収益を上げることに成功しました。
この成功の鍵は、Wixを活用したシンプルなインフラ、収益性の高い価格設定、そしてファンに焦点を当てた効果的なプロモーションにあります。
成功を呼んだリリース前の「3日間集中プロモーション」
楽曲が音楽プラットフォームでリリースされる数日前、彼女はファンに自身の音楽活動を思い出させるための集中的なコンテンツマーケティングを実施しました。
1. コンテンツの量産と低コスト編集: 人間的に可能な限り多くのコンテンツを作成することに挑戦し、編集作業を減らすため、TikTokの機能を利用してアングルの変更などを挟みつつリアルタイムで録画を行いました。
2. 控えめでエンターテイメント性のある投稿: 音楽を「押し付ける」のではなく、自分の音楽を自然に見せることを目指しました。例えば、「引っ越し後の荷解き」や「最もひどい服装」、ワークアウト など、日常の活動と楽曲を結びつけることで、視聴者に「何かを与える」ことを意識しました。
3. ジャンルと類似アーティストとの関連付け:自身を「ダークポップアーティスト」として明確に定義するコンテンツを作成し、ジャンルとの関連付けを図りました。「The Pretty Recklessのファンに届くまで投稿する」といった形で、既存のバンドのファン層にアピールするコンテンツも試行しました。
シンプルなウェブサイト構築とファンへの利便性提供
そしてファンが迷わず楽曲を購入し、日常のリスニング環境に組み込めるような配慮もしています。
1. シンプルさの徹底: ウェブサイトのデザインは「非常にシンプル」に保たれ、ファンを混乱させないように、リンクやオプションは「ダウンロード」の一つだけに絞られました。
2. 楽曲への想いを共有: ページ内には、新曲「Say To Me」の制作背景や、なぜその曲を大切に思っているかを説明する動画、および30秒の試聴プレビューを含めました。
以上のことからわかるように、D2Fモデルに必要なのは、その人を応援したいと思わせるような仕掛けや人間的魅力です。
これはAI時代にアーティストとしてファンを集め、収益を上げたい多くの人が実践すべき内容なのではないか。これからの時代、むしろこのようなD2Fモデルを採用しない限り、アーティストは生き残れないのではないかとも思いました。
彼女が弁護士であるということもとても面白いですが、エンターテイメント性のある人間らしい投稿をしたり、類似アーティストのファンにまで届くよう投稿を工夫したり、楽曲への思いを共有する動画を制作したりと、一般的なマーケティング的戦略と人間らしい魅力をファンに伝えるための施策が見事に功を奏し、多くの収益を上げることに成功したのだと思います。
ただ、いい音楽を作っていても、その人がAIかどうかすらわからない時代。人間としての魅力を積極的に発信していくことの重要性は、今後ますます語られるようになっていくでしょうね。
📰 今週の音楽ニュース
毎週、世界中から厳選した音楽ニュースをお届けします。

Spotify DJ: SpotifyのDJ機能が進化し、スペイン語音声リクエストやテキスト入力対応などパーソナライズ機能を拡充。
Ghosts: Kinotoneが物理モデリングを用いた強力なシンセペダル「Ghosts」を発表、実機質感と創造性を両立。
GRM Tools Atelier: INA-GRMがモジュラー式音響環境「Atelier」を発表、サウンドを色彩的に変形可能。
Splice Drops: Spliceが「Splice Instrument」ユーザー向けに無料サウンドドロップ配信を開始。
CZ-1 Mini: BehringerがCasio CZ-1を再現した「CZ-1 Mini」を発表、フェーズディストーション合成を復活。
Finalist: Tim Exileが新ミキシングツール「Finalist」を公開、直感的サウンドバランスを実現。
Orchid Review: Telepathic Instrumentsのシンセ「Orchid」レビュー、直感的操作と有機的サウンドが高評価を獲得。
OneLibrary DJ: OneLibraryがDJ向け新プラットフォームを発表、全楽曲をクラウドで即ミックス可能に。
Minimal Techno: Gearnewsが「最小限の機材で作るテクノ」特集を公開、効率的なプロ制作術を紹介。
ARC On-Ear: IK Multimediaが「ARC On-Ear」を発表、ヘッドホンで実スタジオ並みの空間再現を実現。
ブログ、note更新のお知らせ
🎧サービス・書籍のご紹介

<5日間メール集中講義(無料)>
これから音楽制作を始める方が最短でステップアップできるよう、これまで培ってきた知識と、AIを含めた音楽制作の最新情報を2万字を超える文章に凝縮しました。
ぜひ、日々の音楽制作にご活用ください。
<Splice楽曲完成メソッド>
5時間にわたる音楽制作の講座が完成いたしました。
この講座では、音楽理論や楽器の演奏からスタートする"従来の作曲法"とは異なるアプローチにより、「アイデアが浮かばない」「どこから始めればいいか分からない」といった悩みを解決し、アイデアがない状態から1曲を完成させる実践的な技術を身に付けます。
音楽制作フローを加速させたい方は、ぜひチェックしてみてください。
<著書>
作曲AIに関する書籍を出版しました。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はチェックしてみてください。
<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>
ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。
使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。
プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。
<Chrome拡張>
Chrome上で再生される全ての音を「ガンマ波」に変調します。ガンマ波は、深い瞑想状態で現れる脳波であり、学習、記憶、注意力、意識の統合に関わるとされ、「脳を覚醒させる周波数」として注目されています。
日々の、集中力や思考力を高めるツールとしてご活用ください。
ついに誰もがアプリケーションを自作できる時代の到来です!これからアーティストは、自分の道具すら自分で作る時代になります。こちらはSpotify Webプレイヤーで再生中の曲に、タイムスタンプ付きのメモを取るための拡張機能。
無料ですので、ご自由にお使いください。
週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.132
2025年10月24日発行
Blog: https://studio-okina.com/