週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.13

  1. 近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週は、自分のポートフォリオとなるホームページを作りました。

有名なアーティストでも、自分のホームページを持っていない人はたくさんいるので、必要ないかな・・・とも思っていましたが、

自分のやっていることを人にわかりやすく伝えるのに役立ちますし、あると仕事の幅も広がりそうだと思い、作り始めることにしました。

さて、スタジオ翁というブログはWordPressで作っているのですが、これは一から作っているわけではなく、テンプレートで作っています。

テンプレートのメリットは、コードの知識がなくても綺麗で見やすいサイトが作れることにありますが、デメリットは、細かい調整ができず、他の人と似たようなデザインになってしまうこと。

ブログのデザインはそこまでこだわっていませんが、自分のホームページは他の人との差別化を図りたいと思ったので、今回はテンプレを使わない方向で行くことにしました。

そこで見つけたのが、「Squarespace」という、海外のサブスク型ホームページ制作サイト。

WordPressのテンプレよりも簡単に制作できる上、海外サービスなので、デザインの差別化がしやすそうなのもこれを選んだ理由の一つです。

このサービスで作られているのが、こちらのAlice Boydというアーティストのページ。

すごくシンプルで、洗練されていますよね。

これくらいなら、Squarespaceをササッといじるだけで、すぐに作れてしまいます。

「WordPressのテンプレでも出来そうかな」と思ったのですが、実際にやってみると、ホームページの制作というのは、ボタンの形や文字のフォントといった微妙な違いで、印象が大きく変わることがわかりました。

そういった細かい部分まで自分でコードを調べてデザインを考えて・・・ということも出来なくはないのですが、初心者には相当な時間がかかりそうです。

Squarespaceはサブスクなので、年間3万円くらいかかってしまうのですが、このホームページからお仕事に繋がればすぐに回収できる金額だろうと思い、使ってみることにしました。

これからアーティストとして名を売っていきたい、という方は、こういったサービスを活用してみるのも良いかもしれません。

  1. 音楽をつくる人のためのリンク集

「音楽制作」「ミキシング」「プロモーション」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。

  1. Orchestral Tools launch Abacus→Orchestral Toolsが、レトロな楽器やおもちゃの楽器をサンプリングしたAbacusを発売。オルゴール、トイピアノ、パーカッション、弦楽器、管楽器と、かなり面白そうな音が詰まっています。(https://www.orchestraltools.com/store/collections/abacus)

  2. CAGED System Demystified:ギターでどんなコードも弾けるようになる方法→丸暗記ではないギターの覚え方「CAGED System」の紹介記事です。アメリカでは基礎としてCAGED Systemを学ぶそうですが、これは初めて聞きました。これからギターを始める人はチェックしておいた方が良さそう。

  3. TIDAL Artist Home: ミュージシャンが知っておくべきことすべて→Spotify for ArtistのようにTidalのアーティストプロフィールを編集できるようになりました。Tidalという音楽ストリーミングサービスは、まだ日本に上陸していませんが、海外ではよく使われているサービスなので、音楽を配信している人は、Tidalのプロフィールも忘れず整えておきましょう。

  4. AIと音楽づくり 第2回 明日が問われる→Abletonによる、とにかく読み応えのあるAIと音楽に関する記事。最近の音楽業界でのAI騒動から、AI音楽制作ツールの歴史などについて触れられています。

  5. 新機能「サンプル発見」をお試しください→ブラウザ上で使えるSpliceの音楽制作機能「Create」。本格的な曲は作れませんが、ドラムやメロディなどのステムをシャッフルして、簡単に音楽っぽいものができてしまいます。音楽制作の未来です。

  1. ミックスが上手くなるコラム

ここでは、ミキシングが上達するための動画や記事をご紹介します。

人気のYouTubeチャンネルMixBus TVから、「低域におけるミキシングの5つの誤り」を紹介します。

5つ、と書いてありますが、実際には7つ紹介されていますね。

基本的には、バンドのミキシングについて語られていますが、今回は、その中でも、ダンスミュージックのミキシングにも応用できる3つの項目をピックアップします。

動画を参考にしながら、読んでみてください。

「MISTAKE #1ミッドレンジ・ハイエンドのないベースライン」

「MISTAKE #3 誤ったコンプレッサーの使い方をしている」

「MISTAKE #5 ソロボタンを使ってミキシングをする」

まず、1は何かというと、ベースだからといって、ミッドやハイをEQでばっさりカットしてしまうミキシングのことを言っています。純粋なサイン波のベースなどでない限り、ベースには倍音成分が含まれていて、それが高域にまで伸びています。その倍音成分により、全体をミックスした時にベースが埋もれず聞こえる一助になっているので、ベースが埋もれているなと感じた時は、ミッドやハイをカットせず、むしろブーストしてベースの存在感を出してみましょう。

3では、ベースのコンプレッサーの使い方が間違っているせいで、ベースが埋もれたり、目立ちすぎたりしてしまうことに触れられています。アタックが早すぎるとベースの存在感を消してしまい、リリースが早すぎると、ディストーションが発生してしまいます。「どの設定が正しいのか」、慣れないうちはなかなか設定が定まらないし変化も聞き取りにくいかもしれませんが、コンプレッサーはミックスの要なので、使い方を間違ってしまうと本当に退屈なミックスになってしまいます。まずは、一つ一つのパラメーターの役割をしっかり理解し、そのパラメーターを触ると音がどう変化するかを理解すると良いと思います。(参考: コンプレッサーを理解する)

5は、過去の記事でも触れていますが、その楽器を「単体で聴く」のと、「ミックスの中で聴く」のとでは、印象が全く異なります。絶対にソロで聴きながら調整してはいけない、ということではありませんが、全体の構成がまとまってきたら、微調整はミックスの中で行った方がうまくいくことが多いです。

  1. Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

🖋️記事: 初心者のためのサブウーファー配置ガイド:サブウーファーの設置方法 - 記事後半のサブウーファーとフルレンジスピーカーの調整方法が独特で面白いです。要は、フルレンジの位相を反転させ、サブウーファーとのキャンセリングが最大になった場所で設置するという方法。そうすれば、位相を再び元に戻した時、フルレンジとサブウーファーのバランスがマッチするという・・・うまく伝わってますでしょうか?

💿アルバム: 蒸発 (J​ō​hatsu) by Mark Barrott - INTERNATIONAL FEELのレーベルオーナーであり、イビサでレジデントも持つDJ「Mark Barrott」の最新アルバムです。「蒸発」とは日本で毎年10万人の人々が蒸発して消えてしまう(自殺や行方不明により)ことを意味します。このアルバムは「Johatsu...The Art of Evaporation documentary」というドキュメンタリー映画のサントラでもあります。

🎹プラグイン: P11 Abyss - Pulsar Modular - 積極的にマーケティングを行っていないので知名度は高くありませんが、Pulsar Modularは高品質なサチュレーターやコンプのプラグインを販売しているメーカーです。P11 Abyssはサチュレーターですが、とても完成度が高く、僕も最近マスターバスに頻繁に使っています。Tone ProjectsのKelvin並みに素晴らしい!

🎵ライブ: Majnoon Solo Performance at Küçük Akyaka - YouTubeを徘徊していて見つけました。いやー、チルですねー。パーティーの雰囲気もよく、映像作品としても成り立っているのがVERY GOODです。

週刊「スタジオ翁」メルマガ版 Vol.13

2023年6月16日発行

Blog: https://studio-okina.com/

Twitter: https://twitter.com/studiookina