週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.119

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せるような仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 作曲とミキシングのアイデア帳

  3. 今週の音楽ニュース

  4. サービス・書籍のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

最近バイノーラルビートやモノーラルビートについて調べているのですが、モノーラルビートを活用して睡眠改善を目指すアプリ「Nightly」を使ってみました。

実際に何日か睡眠導入に使ってみたところ、効いているような、効いていないような感じで、驚くほどの効果は感じませんでした。

自分の一日の過ごし方などを入力すると、アプリが特別なモノーラルビートを作ってくれるのですが、どう選択しても似たようなモノーラルビートしか出てこず、「これなら自分で作った方がいいんじゃないか」と思ってしまいました。。

最近はAIを使った「バイブコーディング」という、ノリでプログラミングをする手法も話題になっており、音楽ソフトや音楽サービスを個人で簡単に開発できる未来、感覚的に音楽アプリなどが作れてしまうような時代がそろそろ来そうなので、とりあえずアイデアだけはいろいろ持っておこうと思っています。

既に個人で、簡単にドラムシーケンサーを作れる時代が来ているくらいですからね。

あらゆる価値が無効化していく時代において、本当に大切なのは、アイデアを膨らませるためのワクワク感やハッピー感になってくるでしょう。

そんな新たな時代に備え、常に新しいテクノロジーに感動し続け、おもしろいアイデアを追求していけたらいいなと思います。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

動画の最初と中盤で紹介されている、ディレイを使ったサウンドデザインが面白かったのでご紹介します。動画では「コムフィルタリング」と呼ばれる音響特性を利用して、金属っぽいドラムサウンドを作る方法が紹介されています。

コムフィルタリングというのは、少しだけタイミングのずれた音が2つ重なることで、特定の周波数成分が強調されたり減衰したりして、音の聞こえ方が変化する現象です。

通常、意図しないコムフィルタリングは音がこもったり、音質が劣化する原因になりますが、これを逆手に取って、あえてその特性を活かすことで、金属的な響きを持つドラムサウンドを作っているのです。

ここではAbleton Liveのディレイプラグインが使われていますが、特別な設定は何もなく、ただ数ミリ秒の短いディレイを3つ重ねているだけなので、他のDAWでも同じように試すことができます。

動画ではスネアの音にこのテクニックが使われていますが、シンセサイザーなどにかけても非常にユニークなサウンドになります。音に厚みを持たせたい、ちょっと変わった音を作ってみたいという方は、ぜひこの手法を試してみてはいかがでしょうか。

📰 今週の音楽ニュース

毎週、世界中から厳選した音楽ニュースをお届けします。

🎧サービス・書籍のご紹介

<著書>

作曲AIに関する書籍を出版しました。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はチェックしてみてください。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.119

2025年7月25日発行

Blog: https://studio-okina.com/