週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.118

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せるような仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 作曲とミキシングのアイデア帳

  3. 今週の音楽ニュース

  4. サービス・書籍のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

June Chibaさんの新曲「Soramachi」をミキシング・マスタリングしました。

Juneさんはまだ3曲しかリリースしてないのですが、たまたま来日してそこら辺のバーに来ていたブライアン・イーノのマネージャーに、ファーストEPを聞いてもらい、お褒めの言葉をいただいたという嘘のような逸話を持つ方です。笑

過去2曲も全てミキシング・マスタリングで関わらせてもらっています。圧倒的センスの持ち主で、今後どんなふうに展開していくのかとても楽しみ。

気になった方は、ぜひお聴きになってみてください。

あと、ブログの方で、これまで有料プラグインをメインに紹介してきましたが、実は無料でもすごく良くて、ずっと使い続けているものがいくつかあります。

今回それをPDFにまとめたので、ご興味がある方は、こちらからLINE登録してPDFをダウンロードしてみてください。

本当に厳選したものだけをご紹介しています。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

オリバーさんのドラムビートの作り方がユニークで興味深かったのでご紹介します。僕がいいなと思った点は、以下の3つです。

  1. スウィングはマニュアルで行う

  2. ジャングルの環境音がドラムループにグルーヴをうむ

  3. サイドチェインディストーションプラグイン「FLVTTER」

まず、オーディオサンプルはスイング機能を使ってグルーヴを与えるのではなく、あえて手動でグリッドに合わない位置に配置することでグルーヴ感を出しています。グルーヴを出すにはDAW付属のグルーヴプリセットを使ったり、リアルタイムで打ち込んだりといろいろありますが、マウスを使ってオーディオサンプルを配置する方法もかなり使えます。グルーヴ感のない人がリアルタイムで打ち込みをしたって、有機的なグルーヴ感はなかなか出ないですからね。

次に、ジャングルで録音した環境音のようなものをドラムループに組み込むことで、ドラム全体を再生したときに独特のグルーヴが生まれているのがわかります。やはり生の素材というのは、アクセントとしてでも取り入れることで、人間味や有機的なサウンドが生まれるので良いですね。

三つ目は見たことのないプラグインを使っていたので興味を持ちました。これはFLVTTERというプラグインで、公式サイトにはサイドチェーン・ディストーションという説明があり、倍音成分やノイズ、そして独特のフラッター効果という三つの要素を加えて音を歪ませるツールのようです。この動画だけでは全ての機能を把握しきれませんでしたが、とても面白そうだなと感じました。

こういう系の海外動画で紹介される人って見たことないプラグインを使っているので面白いですよね。一般的で人気があるものではなく、自分がいいと思ったものならマイナーなプラグインでも使うという文化がとても素敵だと思います。

ドラムループのクオリティを向上したい人は、ぜひ、この動画を参考にしてみてはいかがでしょうか。

📰 今週の音楽ニュース

毎週、世界中から厳選した音楽ニュースをお届けします。
  1. 「リアルタイムプラグインでは、AIで効果的なことをするのは非常に難しい。大きなブラシを使った作業には非常に優れている」:Leapwing Audioがフォレンジックミックスプラグインの安定版について語る

  2. 「止められない」:ABBAのビョルン・ウルヴァースは、AIに抵抗するアーティストは「愚か」で「ラッダイト」だと語る

  3. DSPへのAIアップロードにタグを付け始める時期?ベルベット・サンダウンが6週間で4枚目のアルバムをリリースする中、BPIはSpotifyなどのレーベルを募集

  4. ベルベット・サンダウンのストリーミング配信取り締まり開始:Spotifyが複数のアーティストプロフィールからアルバム1枚とシングル数曲を削除

  5. Loopy Pro 2.0は、MIDIループ機能などを備えたクリエイティブなオーディオルーパーアプリをレベルアップします

  6. Visco 2.0は、限界を押し広げるドラムマシンをポリシンセに変え、昨年のベストプラグインの1つをさらに試すべきものにします。

  7. IKEAのポストSonosスピーカーが発表:より安価でシンプル、専用のSpotifyボタンを搭載

🎧サービス・書籍のご紹介

<著書>

作曲AIに関する書籍を出版しました。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はチェックしてみてください。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.118

2025年7月18日発行

Blog: https://studio-okina.com/