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週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.106
このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。
プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せるような仕事も個人で完結できるようになりました。
あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。
目次
近況
作曲とミキシングのアイデア帳
今週の音楽ニュース
ブログ更新のお知らせ
サービス・書籍のご紹介
📝近況
ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

去年の秋、世界最先端のサイケデリクス事情を調査するため、イギリス・アメリカ・ジャマイカとさまざまな場所に取材に訪れ、撮影や音声として同行させていただいたのですが、そちらが今月、「サイケデリック・ルネッサンス」という本として発売されました。
撮影協力として、お名前を載せていただいています。
ご興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
さて最近、知り合いに「さざなみドラム」という楽器の動画を教えてもらいました。
スチールパン、ハンドパン、ガンクドラム、ラヴドラムあたりの音色ですが、サステインが長く、独特で美しい響きです。
もう、ずっと聴いてられますね。
睡眠用ということで、試しに入眠時に聴いてみたのですが、一瞬で眠りに落ちました。
さざなみドラムの音だけでなく、自然音も入っていて、多少音量を上げて聞いても心地よいです。iPhoneのスピーカーで聴いても十分ですが、ちょっと良いBluetoothスピーカーで聴くと、よりスムーズに睡眠に入れると思います。
「寝室をダイソースピーカーでサラウンド化して、これを聴くと最高なんじゃないか?」、と思い立ったので、どこかでケーブル買ってきて進めていきます。
📘作曲とミキシングのアイデア帳
作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

プラグインでBurlのサウンドを再現する
Burl B2 Bomberという、アーティストやエンジニア界隈で有名なADコンバーターがあります。
ADコンバーターとは、シンセやボーカルといった音声信号をコンピュータが処理できるようデジタル変換するためのもので、オーディオインターフェースのインプットに直接音を入れるより、こういった機材を通してAD変換した方が音のクオリティが上がることがよくあります。
Burl B2 Bomber を通すと、ミックスは低域がふっくらと持ち上がりながら前後の奥行きが広がり、高域にはテープのような滑らかさが乗ります。その “太いのに抜ける” キャラクターは、多くのエンジニアが「フェーダーひとつでミックスがまとまる」と評するほどです。
Burlの音は何度か聴いたことがあるのですが、この質感を DAW 内で再現したいなと思ったので、僕の手持ちのプラグインである「Kazrog True Iron」を使って再現できないかと調べたところ、Western Electric 111Cというトランスモデルを使うと良いことがわかりました。
True Iron は 6 種のヴィンテージ・ライン・トランスをモデリングしているのですが、Strength と Crush をほんの少しだけ上げ、DNA スイッチをオンにするだけで、Burl風の押し出しと立体感が加わります。
DNAスイッチは、実機トランス固有の微細な EQ カーブやステレオ・ペア間の個体差、磁気ヒステリシスをシミュレートするもので、オンにすると高域がわずかに滑らかになり、左右の倍音分布が“完全には一致しない”現実の機材同様の奥行きと揺らぎが生まれます。
Burlの音に興味がなくても、True Ironはアナログモデリング系のプラグインとしてかなり優秀なので、けっこうおすすめです。True Ironをすでに持っている方は、ぜひ上記のセッティングでBurlの質感を試してみてください。
📰 今週の音楽ニュース
毎週、世界中から厳選した音楽ニュースをお届けします。

🖊️ブログ更新のお知らせ
🎧サービス・書籍のご紹介

<著書>
作曲AIに関する書籍を出版しました。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はチェックしてみてください。
<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>
ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。
使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。
プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。
週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.106
2025年4月25日発行
Blog: https://studio-okina.com/