週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.88

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せるような仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. サービス・書籍のご紹介

  2. 近況

  3. 作曲とミキシングのアイデア帳

  4. 今週の音楽ニュース

🎧サービス・書籍のご紹介

<DJミキサー発売のお知らせ>

理想のDJミキサーをつくりました。

他に類を見ないバッテリー駆動、2chノブのみという大胆な設計と、業界トップクラスの低ノイズ性能を誇る「Surrender 8124」。クラブを貸し切って聴き比べしましたが、業界標準のDJミキサーPioneer DJMシリーズを音質で上回り、音が良いことで有名なModel1すら超えてくる透明度と音の広がりがありました。

受注生産です。ご興味ある方はご連絡ください。

<著書>

作曲AIに関する書籍を出版しました。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はチェックしてみてくださいね。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今年も、もう数えるほどとなりましたね。

年の初めにいくつか目標を立てていたのですが、そのうちの一つに音楽をリリースしまくってSpotifyで収益を稼ぐ!というものがありました。

実は、ひっそりとアカウントを作って毎日一曲リリースを数ヶ月続けていました。

主にAIを活用して作ったアンビエントをリリースしていたのですが、どこにも宣伝せず、どのくらい伸びるかなーと思って見ていたのですが・・・

結果は散々で、プレイリストにも載らず。(泣)

そもそも青山ミチルさんというアンビエントアーティストの真似をして1日1曲リリースを始めたのですが、実は、彼のアカウントが伸びていた時代は、毎リリースごとにピッチ機能が使えていたのです。

ピッチ機能とはプレイリスターに自分の曲を載せてもらうようアピールするための機能ですが、今はリリースしてからじゃないと、次のピッチができない仕様になっています。

そんなわけで、ただリリースしまくるだけでは、うまくはいかなさそうですね。

愛のこもったトラックを作り、SubmitHubなどを使って宣伝したり、レーベルからリリースを重ねるのが、地味だけど一番確実だなと思いました。先日紹介したような、広告を使って自分の曲を宣伝する方法も良いと思いますが、結構コストがかかりそうなので、誰にでもおすすめできる方法ではありません。

来年はそこまでリリースしない予定ですが、時間を見つけて愛のこもった曲を数曲、作っていきたいと思います。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

あなたが選んだやり方が正しい

Finneasの2年前のインタビューですが、 示唆に富む内容でとても興味深かったのでご紹介します。

Finneas は言わずと知れたビリー・アイリッシュの兄で、幼い頃からビリー・アイリッシュの音楽を手がけてきたことで有名です。このインタビューでは、彼がOmnisphereというシンセサイザーを気に入っており、 自分の曲の99%にこのシンセサイザーの音色が入っていると語っています。

その他、彼は音楽制作やミキシングのあり方についても独自の見解を述べています。

音楽業界、特に彼のように、周りにプロフェッショナルがひしめく環境だと「君のやり方は間違っている」「もっとこうしたほうがいい」と言ってくる人がたくさんいるのは想像に難くありませんが、彼は正しいやり方よりも自分が好きだと思えるやり方、自分が信じる音作りを重視しているそうです。

彼はアーティストであり、誰かのために音楽を作っているわけではありません。なので、誰かから正しいやり方を押し付けられたとしても、自分が1番良いと思う方法を貫き通す方がアーティストとしては正しいわけです。

僕も自分の中で「こういう音が良い音だ」と言う基準がありますが、たまにその自分の基準に全くそぐわない音楽であっても、とても感動することがあります。音作りやミキシング・マスタリングのやり方は人によって様々で、感じ方も人によって全く違うため、仕事で誰かに依頼されていない限りは、自分の音に自信を持つべきです。

たとえ、YouTubeやブログで「その方法は間違っている」と言われたとしても、「自分はこれが気に入っているんだ!自分が好きだと思える音楽が一番正しい!」という確固たるもの、その心に従うのがアーティストとして1番良い、ということを忘れずに心に留めておきたいですね。

📰 今週の音楽ニュース

毎週、世界中から厳選した音楽ニュースをお届けします。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.88

2024年12月20日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info