週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.68

このニュースレターは音楽制作からリリースまでを個人で完結させる、次世代の音楽クリエイターに向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代になり、AIを活用することで本来ならエンジニアに任せるような仕事も、個人で完結できるようになりました。

あなたがプロを目指している音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作や、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 今週の音楽ニュース

  3. AI時代の作曲術

  4. 作曲とミキシングのアイデア帳

  5. Okina’s Picks

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週から、Beehiivという新たなニュースレタープラットフォームで配信します。

変更にはいくつか理由があるのですが、これまでのニュースレターは文字ばかりで少し味気なく感じていたため、より親しみやすいデザインにしたいと考えていました。今回採用したBeehiivは可愛らしいデザインで、書いている僕のテンションも上がるという個人的な理由もあります。

もともとブログも、おじいさんのキャラなどを使ってポップで親しみやすいデザインにしていました。その頃は、初心者の方向けに音楽制作のテクニックや学習方法などを紹介していましたが、最近のブログやニュースレターでは、専門的で少しとっつきづらい内容もいくつかあるので、その雰囲気を和らげたいという思いもありました。

Beehiiveにはアンケート機能もあるようで、こういったものをうまく使いながら、これからも皆さんと一緒により有益なニュースレターを作っていければと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします。

📱今週の音楽ニュース

「音楽業界の動向」「最新の音楽ギア」など、音楽制作をする全ての人に役立つ新鮮でホットな情報を、毎週発掘してお届けします。
  1. Moog Oneもこれで終わり?ベルギーの小売業者Turnlabがムーグのフラッグシップ・ポリが "生産終了 "と発表

    →発売当初にMoog Oneをゲットした人はラッキーだったかもしれません。生産が停止される可能性があるこのシンセは、円安も相まって、ほとんどの人に手が届かない超高級シンセになってしまっていました。

  2. 「VRとARが音楽制作を変える?VRとARは音楽制作をどう変えるか

    →ついに日本でも発売開始されたApple Vision Proに対応する音楽アプリが紹介されています。実際に体感した時は、確実に音楽制作のあり方を変えてしまうと思いましたが、そのあまりの重さと値段に、当分は買う気になれません。第3世代くらいになったら購入して、色々と試してみたいですね。

  3. レコード会社、AI音楽ジェネレーターSunoとUdioを提訴 「想像を絶する規模」の著作権侵害を主張

    →AI作曲の最先端を行く、SunoAIとUdioの2大巨頭が提訴されましたね。だからと言って、AI作曲の勢いが衰えることはないとは思いますが、今後どうなっていくのか気になるところです。

  4. Splice Create、独自のループを加えられるように

    →今までSplice内のサンプルにしか対応していなかったCreateの機能が、手持ちのサンプルでも使用可能に。好きなサンプルを読み込ませれば、SpliceのAIがサンプルに合ったドラム、シンセ、ベース、ギターなどの楽器を選んでくれます。

  5. Baby Audio、パワフルなボーカル変換ツールHumanoidをリリース

    →iZotopeのVocal SynthのようなプラグインがBaby Audioから登場。ボコーダー的プラグインを探している人には、新たな選択肢となりそうです。

🤖AI時代の作曲術

最新のAIプラグインや、AI作曲ツールについて語ります。

Soraが出なくても、Runwayでいいじゃないか

先日、OpenAIが発表したSoraという動画生成AIのデモが世間の注目を集めました。

ところが最近では、DreamMachineやRunwayなど、Soraに匹敵する様々なText-to-Video AIが登場しています。特にRunwayの新モデル「Gen-3 Alpha」は、Soraがなくても十分高品質な動画を作れるっぽいです。

今現在、AIを使ってミュージックビデオやプロモーション映像を制作したいアーティストにとって、Runwayは最も魅力的な選択肢の一つでしょう。ただし、現状の動画生成AIにはまだ課題があり、思い通りの動画を作るには試行錯誤が必要だったり、AIっぽい不自然さが残ることもあります。

なので、これらのツールは主に、新しい技術をいち早く取り入れたいアーリーアダプター向けのツールと言えると思います。

「うまくいかなくてもいいから、新しい技術を使って、何か作ってみたい!」と考えている人は、最新のRunwayを使ってMV制作をしてみてはいかがでしょうか。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達するための、動画・記事・アイデアをご紹介します。

世界のプロのアーティストやエンジニアが使用しているオーディオインターフェースについての紹介記事がありました。

著名アーティストやエンジニアは複数のオーディオインターフェースを所有していますが、Finneas、Andrew Schepsをはじめとする有名な人々でさえも、Universal AudioのApolloを使用していることにちょっと驚きました。ApolloはUADプラグインが使えて音のバランスも良いのですが、解像度はRMEやLynxなどと比べると正直少し劣ります。

でも、著名な作曲家やミキシングエンジニアがD/AコンバーターとしてUAを使用しているという事実から、

  1. 作曲やミキシングにおいては、50万円越えの高級オーディオインターフェースに投資する必要はない (解像度の高い機材は必要ない)

  2. オーディイオインターフェースにお金をかけるとしても、作曲なら10万円前後、ミキシングなら20~30万円の投資で十分かもしれない

と思いました。

オーディオインターフェースはある程度の価格帯で抑え、他の機材や自分の学びに投資する方が良いのかもしれません。

マスタリングまで自分で行いたい場合はまた別で、解像度の高いオーディオインターフェースやD/Aコンバーターは、作品のクオリティにかなり影響するので、例えば、Antelope、Crane Song、Lynxなどのブランドを選ぶのも大いにアリだと思います。

僕は作品の音にこだわりたいので機材はアップデートし続けますが、最近は安いオーディオインターフェースでも音のバランスが良いので、特別音にこだわりがなければFocusriteAntelopeの安いのあたりで十分です。

オーディオインターフェース選びをしている方は、参考にしてみてください。

🧠Okina’s Picks

最後に、音楽的想像力をかき立てる、クリエイティブなコンテンツをどうぞ。

👽人類を覚醒する研究者、瀬戸勝之とは?! → ナオキマンというYouTuberが好きでたまに見ているのですが、今回音のスペシャリストである瀬戸さんという方が紹介されていました。世の中には面白い方がたくさんいるものですね。

🏙️Sound of Berlin Documentary → ベルリンのドキュメンタリー。5年前なので、今はかなり変わっているのでしょう。今、一番行きたい街です。

🪘Every Technique of Sampling Music You NEED to Know (A Complete Guide) → サンプリングのいろはが紹介された動画。結構、参考になります。

🎧Sebastian Mullaert opening set at Re:birth 2024 → 今年のRe:birthフェスでのSebastian Mullaertのライブ動画が、YouTubeに載っていました。

アンケートボタンを追加しました。

今後の参考にさせてください!

週刊「スタジオ翁」ニュースレター vol.68

2024年7月5日発行

Blog: https://studio-okina.com/

HP: isseykakuuchi.info