このメルマガは、AIや最新テクノロジーをいち早く取り入れ、新しいアプローチで音楽を生み出す「次世代のクリエイター」に向けて書いています。
プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代。AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せる仕事も、個人で完結できるようになりました。
あなたがプロの音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AIを活用した次世代の音楽制作や、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。
目次
近況
作曲とミキシングのアイデア帳
今週の音楽ニュース
サービス・書籍のご紹介
📝近況
ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

OpenAIの「GPT-6 Astra」が話題ですね。
AIがどのレベルまで達したのか。これを測るベンチマーク「Ass Bench (尻ベンチ)」において、Astraは驚くほどの忠実性を実現しています。
スラップした時の弾力や滑らかさが、「もしや現実…?」と疑ってしまうほど見事です。
とまあ、尻はさておき。
(そういえば、Siri AIのベータ版がいよいよ来週スタートです)
AGI(汎用人工知能)のテストにおいて、OpenAIの新モデルGPT-6が「AGIを達成した」と呼べるほどのスコアを達成したとのこと。
この投稿を見ても、何のことだかよくわからないと思いますが、「ARC-AGI-3」というAGI測定のためのベンチマークが以前からありました。
そこで99.9%のスコアを達成したため、「ChatGPTはもうAGIを達成した!」と言っているわけですね。
ちなみにAGIとは、「人間が行えるあらゆる知的タスクを、人間と同等かそれ以上の水準で理解・学習・実行できる自律的な人工知能」のこと。
日頃からAIを触っている方ならわかるかもしれませんが、Astraはかなり自律的に仕事をこなしてくれますよね。僕の仕事環境でも、寝てる間に仕事を終わらせてくれることも多いのでとても感謝しています。
音楽方面でも、「Atrasすげえ!」みたいな話がXで大量に流れてきますが、どれも微妙なものばかりで、見る価値のあるものにはなかなか出会えません。
こんなしょぼい曲、誰が聴きたいんだ!?
その中でも「これは…」と思ったのが、こちらの記事。
彼は長年、ダンスのための音楽を作っている音楽家ですが、Astraを使ったかなり面白い実験を行っています。
例えば、AstraはComputer Useにも強いので、Abletonと連携して音楽を作ることも可能。ところが、そうは言っても連携速度は遅く、使いづらいことも多々あるんですよね。
そこで彼は、Max for Liveを使用した、OSC/UDPブリッジを介してChatGPTをAbletonに直接接続するシステムを開発。これにより、AbletonとChatGPTの連携がよりシームレスになります。
僕はこれまで「Producer Pal」というシステムで、ClaudeやCodexと連携して操作していましたが、codex-live-bridgeの使い勝手が良いので、こちらに乗り換えました。
さらに彼は、これまで自分で作ったピアノ曲のプロジェクトファイルをAstraに渡すことで、彼っぽい音楽を作ってくれるAIシステムを開発しています。

これは、彼の膨大なMIDIデータや音楽データがあってこそ成せることですが、AIの可能性を垣間見ることができる、とてもワクワクするようなシステムですね。
gpt -realtime-2.1もインストールすることで、ハンズフリーで画面を使わずにアシスタントと会話したり、音楽を構築したりといった、高度なこともやってのけるようです。
ただし、こういった開発の前にはCodexやClaude Codeの知識が必要で、誰でもすぐ真似できるわけではないのですが、「今、AIってこんな可能性があるんだ!」ということを実感するのに良い記事だと思います。
ちなみに今年は、メルマガでCodexやClaude Codeのお話をすることが多々ありましたが、皆さん、CodexやClaude Codeは使われてますか?それとも、今はClaudeやChatGPTのチャットを使うくらいでしょうか。
ちょっとその辺、Xの投票で教えていただけますか。
もしご興味があれば、先ほどの彼のように、AIを使った様々なシステムを作るための土台となる「AI基盤」を作る講座、なんてのもあってもいいかなと思っています。
この基盤は、今のAI業界の主流であり、今後も自分で育てていけるものなので、音楽を作る作らないに関わらず知っておくと便利ですよ。
📘作曲とミキシングのアイデア帳
作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやアーティストのAI活用術をご紹介します。

プリセットでときめく作曲術
音楽を作るとき、僕はSpliceのサンプルから入ることが多いですが、もう一つよく使っている手法があります。
それがシンセサイザーのプリセットを使う方法です。
頭の中にあまりイメージがなくても、シンセサイザーのプリセットを一つ鳴らせば、音楽やイントロのイメージがふっと現れることがあります。
これが、僕が新しいシンセサイザーを次々試す理由でもあるのですが、頭の中でニコラ・テスラの発明のように音楽を完璧に組み立てようとしても、ほとんどの人はなかなか思うようにいきません。
そこで、興味のある新しいシンセサイザーを購入して、プリセットをいろいろ弾いてみるのです。
僕の場合、気になったシンセサイザーを購入した後、すべてのプリセットを順番に鳴らしていき、お気に入りに登録していきます。Omnisphereのようにありえないほど膨大なプリセットがあるものは難しいですが、数百程度なら一つずつ鳴らして、半日ぐらいかけてお気に入りのサウンドを探します。
そこから音楽制作に入っていくわけですね。
最近のシンセサイザーのプリセットは、とても凝った音であることが多いので、新しいシンセサイザーのほうがおすすめです。
例えば、最近ハマっているのはMinimal AudioのCurrentというシンセサイザー。
プリセットの数が膨大で、かつ現代的な電子音楽から映画音楽まで、高いクオリティのプリセットが幅広く内蔵されています。
久々にテンションが上がったシンセサイザーの一つですが、このように自分のお気に入りのシンセサイザーを一つ見つけ、プリセットをとにかく順番に鳴らしていく。そこからインスピレーションを得るという手法は、とてもおすすめです。
音楽のアイデアが全く浮かばないという方は、ぜひこの方法を試してみてください!
📰 今週の音楽ニュース
スタジオ翁独自の視点で厳選した、世界の最新音楽ニュースをお届けします。

Audacityがめっちゃオシャレになってる!
Serum 2 Arpeggiator Guide: Serum 2のアルペジエーターでコードを旋律に変える手順を、パターン作成からベロシティ経由のフィルター変調、ストラム、ピッチカーブ、Latch/Chanceまで段階的に解説したチュートリアル。
Audacity 4 Released: 26年間で最大の更新となるAudacity 4が登場し、UI刷新とクリップ編集強化、VST3/AU/LV2対応でDAWに近づいた(MIDIとマクロは未実装、無料・オープンソースは継続)。
Best Single-Oscillator Synths: オシレーター1基だけで太い音を出すシンセ5機種(Behringer MS-1 MKII、Arturia MicroFreak、Roland JU-06A、Moog Mother-32、GS Music Bree6)を価格帯つきで紹介。
Producely Dialr Controller: VST3/AUライブラリをスキャンしてクラウドAIがプラグインごとの操作面を自動生成するハード・コントローラーDialrが予約開始(7インチタッチ画面+ノブ12個、£679/€779〜)。
AirPods Pro 3 Review: Headfoniaが自腹購入したAirPods Pro 3(249ドル)のレビューで、Apple製品らしい隙のない造りとシームレスな使い心地を評価している。
Roland Melody Flip: RolandがSony CSLと共同開発した無料AI作曲支援プラグインで、250以上のパレットや参照曲解析からメロディ・コード・ベース・ドラムをMIDI書き出しできる(Roland Cloud無料会員で利用可)。
Ardour 9.8 Tuning: 無料DAW Ardourの9.8がスケール支援機能を追加し、将来的に12平均律以外のチューニング対応を予定。MIDIのコード編集・アルペジオやPush 2対応も入った。
artcode DAW v2.1: 79ドルの国産DAW「artcode DAW」がv2.0/v2.1を公開し、Win/Mac対応・VST3対応・ローカル動作のAI伴奏生成(メロディからコード/ベース/ドラム自動構築)とMIDIプラグイン対応を搭載。
Skrillex Early Dubstep: 2011年インタビューの再紹介で、Skrillexがノートパソコン中心の型破りな制作法、200Hz付近を狙ったドロップ作り、iZotope TrashやOhmicideの多用について語っている。
CD Sales Booming: 2026年上半期のCD収入が前年同期比58.6%増の1億7,110万ドル・数量45.7%増となり、K-Popの特別盤やレトロ回帰を背景に物理メディア全体も25.9%増。
Walrus Lüm Review: Slö/Lore/Fableの機能を1台に統合したグラニュラー系テクスチャーエンジン。3モードとプリセット保存が高評価(★4.5)だが、MIDI/エクスプレッション非対応と約280ドルの価格が難点。
Ableton From Scratch: 初心者向けAbleton Live完全ガイド。32セクションで、キック/808/コードからオートメーション・EQ・書き出しまで、140BPM・Eマイナーの実例で通しで学べる構成。
🎧サービス・書籍のご紹介

<プラグインメーカー「Okina Audio」>
Okina Audioは、「スタジオ翁」から生まれたプラグインメーカー。
音楽のクオリティは、道具にいくら払えるかではなく、アイデアとセンスで決まるべきです。道具へのアクセスの格差が、そのまま音楽の格差になるべきではありません。
だから、Okina Audioのプラグインは、すべて無料で提供します。
<VSTプラグイン「BinauralShift」>
音響心理学と脳科学に基づいた、「機能性音楽」のためのオーディオプラグイン。
バイノーラルビートを用いて、デルタ波(睡眠)やベータ波(集中)などを科学的に誘発します。バイノーラルビート生成だけでなく、「モノラルビート」 「アイソクロニックトーン」 、さらには「モンロー研究所が開発した特殊なバイノーラルビート」まで、このプラグイン一つで完結。
また、既存のサウンドにバイノーラル変調をかけることで、音楽としての自然さを保ったまま脳波誘導効果を付与でき、Apple「Sound Therapy」のような音楽を自分で作ることもできます。
<Splice作曲メソッド>
音楽制作に悩む初心者・中級者におすすめです。
音楽理論や楽器の演奏からスタートする「従来の作曲法」とは異なるアプローチにより、「アイデアが浮かばない」「どこから始めればいいか分からない」といった悩みを解決。アイデアがない状態から1曲を完成させる、実践的なテクニックを身に付けます。
さまざまなジャンルの音楽をゼロから作っていく様子までご覧いただくことで、実践に即した体系的なメソッドを学び、良い音楽を量産する方法を身に付けることができます。
<プライベートレッスン>
作曲・ミキシング・マスタリングに関するプライベートレッスンのご案内です。
具体的なレッスン内容は、事前のメールやZoomなどでヒアリングしてから決めていくことも可能です。
まずは、お気軽にご連絡ください。
<著書>
作曲AIに関する書籍です。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。購入はKindle Unlimitedで。
<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>
ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。
使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。
プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。
週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.178
2026年9月11日発行
Blog: https://studio-okina.com/

