このメルマガは、AIや最新テクノロジーをいち早く取り入れ、新しいアプローチで音楽を生み出す「次世代のクリエイター」に向けて書いています。
プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代。AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せる仕事も、個人で完結できるようになりました。
あなたがプロの音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AIを活用した次世代の音楽制作や、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。
目次
お知らせ
近況
作曲とミキシングのアイデア帳
今週の音楽ニュース
サービス・書籍のご紹介
📢お知らせ
Takumi EQが、ついにリリースです!

CPU効率の高いEQ、名機Pultecのサウンド、EQと共存するマルチバンドサチュレーター、ダイナミックEQなど、各楽器の特性を最大限に活かすための様々な機能を、一つのプラグインをまとめました。
さらにマスタリングのための高精度EQ「匠モード」では、音楽的な心地よさを最大限に残すカット、自然な形で音楽にパンチや煌びやかさを与えるブーストを両立。
普段使いからマスタリングまで、幅広く使えるEQプラグインに仕上げています。
ぜひ、普段の音楽制作やマスタリングにお役立てください!
無料です!
📝近況
ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週、ようやく東京に戻ってきました。
アメリカでは、サイケデリックセラピーのための音楽を50名以上の参加者に聴いていただき、多くの知見を得ることができました。
現地の医師やファシリテーターとも交流し、音楽だけでなく、サイケデリクスの大きな可能性を肌で感じた1ヶ月半でしたね。日本にこのムーブメントが来るのは数十年後だと思いますし、日本では誤った解釈で広まってしまう可能性もありますが、数十年後じゃなくても数百年後、この物質が正しく使用され、人類のアップデートの鍵として広まると良いなと思います。
そして、サイケデリクスを体験した皆さんがおっしゃるのは、「音楽がこんなに大切だとは思わなかった」という声。
サイケデリクスを摂取している最中は、音によって体験やビジョンが変化するなどの、いわゆる共感覚に近いような体験が得られますが、視覚が遮られている中では音楽が唯一のガイドとなります。
アメリカのサイケデリックセラピーは終わりましたが、僕も毎週勤務する神宮前統合医療クリニックでは、ケタミンサイケデリックセラピーが行われており、毎週のように「音楽に持って行かれた」「音楽が最高」といった嬉しいお言葉をいただきます。
日本で受けられるサイケデリックセラピーとしては、音楽含め、誇張抜きにNo.1のセラピーだと思います。興味がある方は、ぜひ受けてみてください。
さて、今日は「時代の波に乗る」というお話。
ビジネスの世界では「波乗り」という言葉がよく使われます。時代の大きな波に乗ることで、ビジネスを急速に拡大させる。例えば、ITバブルのときにIT企業をやる、AIバブルのときにAI企業をやる、仮想通貨が盛り上がっているときに仮想通貨関連のビジネスをやる。このように時代の波に乗ることで、売上は大きく伸びます。
音楽も同じです。いくらいい曲を作っても、それが数十年前に流行ったジャンルだったり、何も新しさがなければ、大きく目立つのは難しいところ。ところがEDMが流行っているときに良質なEDMを出す。ボカロが流行っているときに良質なボカロ曲を出す。それは時代の波に乗ることになり、より多くの人があなたの曲を聴く確率が上がります。
今作っている曲に、最近伸びているジャンルのテイストを少し入れてみる。それだけで、多くの人に音楽を聴いてもらう確率はぐっと上がるはずです。
では、最近伸びているジャンルとは何なのでしょう?
Spliceがブログでこんな投稿をしていました。
本メルマガでも何度かお伝えしているとおり、最近は3、4つのジャンルの音が一つの楽曲に入っていることは珍しくありません。もし今作っている曲に「時代を捉えた要素」が入っていないなら、この記事で紹介されているジャンルの一つを選んで入れてみてもいいかもしれません。
まず紹介されているのは「ボタニカ」。
これは、スペクトル処理やグリッチ要素を組み合わせた、どこかノスタルジックな電子音楽です。最近はSpliceのサンプルパックも増えていて、ボタニカを発信するアーティストも増えている印象。(個人的にも結構好きなジャンルです)
続いてアマピアノ。アマピアノは、Tylaがグラミー賞を取ったことでも話題になった、ここ数年熱いジャンルの一つです。
もう一つ、クラウド・ラップ。これは正直、僕も聴いたことがなかったのですが、ヒップホップの中でも最も影響力のあるサブジャンルの一つだそうです。
他にも、ジャージー・クラブ、フォンクなど、流行りの音楽ジャンルが紹介されていますね。
最近はJ-POPにもトラップの要素が入り込んだりと音楽ジャンルの多様化が進んでいますが、ちょっと別ジャンルのテイストを入れるだけで、他との差別化になり、曲のオリジナリティは高まります。
それはもちろん、この記事で紹介されているジャンルでなくても構いませんが、「自分の作った曲がなかなか多くの人に聴いてもらえない」「SNSでも良い反応がない」といった伸び悩みを感じている方は、流行りのジャンルのテイストを、少しだけ自分の楽曲に取り入れてみることを意識してみてはいかがでしょうか。
📘作曲とミキシングのアイデア帳
作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやアーティストのAI活用術をご紹介します。

【アーティストがChatGPTを作曲に活用する方法 #10】
今回はChatGPTを使って、
完成した音楽の紹介文
アーティストプロフィール
告知の投稿
などを作る方法を、簡単にご紹介します。
自分の作った音楽の特徴や雰囲気、こだわりを言葉にする。ましてやそれを英語にするのは、なかなか難しいものですよね。
でもChatGPTを使って工夫すれば、完璧な文章にはならなくても、7〜8割くらいの完成度の下書きは作ってくれるので、そこからさらにブラッシュアップしていく、という形をとると良いでしょう。
まずは、作った音楽を紹介するための文章を考えてみましょう。
以下がプロンプトです。
以下は、今回リリースする曲のメモです。制作中に考えていたこと、使った機材、参考にした音楽を書き出しました。聴く人が興味を持ちそうな視点をいくつか加えて、紹介文を書いてください。(このあとにメモを貼る)
このように、最初からChatGPTに任せるのではなく、素材を自分から出すことで、AIはどのように文章を作ればいいのか、その方向性を理解することができます。
これは箇条書きでも、思いついた順に並べただけでも構いません。制作中に考えていたことをメモしておくほど、返ってくる文章が、その曲にしか当てはまらないものになっていきます。
いろんな切り口で書いてくれたものの中から、気に入った切り口を選んだり、「ここの言い回しはこう書いてください」と追加で対話をしたりして、文章を洗練させていきます。
そして、出来上がった基本の文章をもとに、今度はこのようにお願いしてみましょう。
同じ内容で、SNSの告知用に80文字、Spotifyのピッチ用に300文字の文章を作ってください。
これで、最初に作った文章を、各プラットフォームや提出先に応じて書き分けることができます。
さらに、これまでに英語で紹介文やSNS投稿を書いたことがある方は、それを何本か貼り付けて、
この書き手の語り口を分析して、同じトーンで書き直してください
と頼むのもおすすめです。
自分の文体や語り口をAIに覚えさせたうえで、書き直してもらうわけですね。
あとは英語が読めるなら、AIの書いた文章を一通り見て、おかしなところがないか確認してみましょう。英語が本当に苦手だという方は、一度日本語に訳し返してもらい、誇張表現がないかをチェックしてみてください。
AIが作った文章には、「圧倒的なサウンド」「唯一無二の」「魂を揺さぶる」といった、大げさすぎる形容詞が入っていることもあります。自分の意図とは違う表現だった場合は、「大げさに書かずに、もう少し自然な文章にしてください」と伝えてみましょう。これだけで、ずいぶん読みやすい文章になります。
こういった英語の紹介文が必要になる場面は、音楽制作をしているとかなり増えてきます。
Spotifyのアーティストプロフィール欄
Bandcampの作品説明
YouTubeの概要欄
レーベルへの楽曲説明
これ以外にも、Spotify for Artistsからキュレーターに送る曲紹介の文章や、SubmitHubのような海外のプレイリスト運営者に曲を送れるサービスでも、数百字の英語の説明を添えることになります。
そのたびに英作文するのは、相当つらい作業ですよね。
アーティストの仕事は曲を作ることであって、事務作業ではありません。こういった部分は、なるべく省略して音楽制作に集中したいところです。
「文章が苦手で、リリースのたびに気が重くなる」
「曲はたくさん作ったけれど、海外にもっと届けたい、でも英語が面倒くさい」
そんな方は、ぜひAIを活用して事務作業を効率化し、音楽制作に集中できる環境づくりをしてみてください。
📰 今週の音楽ニュース
スタジオ翁独自の視点で厳選した、世界の最新音楽ニュースをお届けします。

Dangerous Music BAX EQ: Acustica Audio が Dangerous Music 公認で BAX EQ をプラグイン化、位相コヒーレントなカット系フィルターと Mid-Side/デュアルモノ動作を搭載して £179。
Glitch² Now Free: illformed の Kieran Foster が47歳で死去し、友人の開発者が VST3 対応を追加したうえで名作グリッチ系マルチFX「Glitch²」を追悼として無料公開。
Sendy Audio Kylin Review: $1,499 のデスクトップDAC/アンプ一体機(ES9039Q2M+NE5532、負荷に応じた自動ゲイン切替)で、低インピーダンス機ではノイズが出るものの成熟した音として4.4/5評価。
Harmonic Piano Free: The Crow Hill Company が、弦の1/4点に触れながら打鍵してベル的な倍音を鳴らすグランドピアノ2台をサンプリングした無料音源をリリース。
Audiocube Space: Audiocube が DAW 内で360度の音源配置と3D音響シミュレーションを行うプラグインを $50 で発売、最大9.1.6のマルチチャンネルとカスタムリバーブ・空間グラニュレーターに対応。
Mastering For DJs: DJミックスを仕上げるためのマスタリング手段5つ(DAW自前・DJ.Studio・SetMaster Pro・iZotope Ozone 12・Steinberg WaveLab 13)を比較した解説記事。
reFX Rippler: reFX がオープンソース RipplerX の開発者 Tiagolr と組み、弦・ベル・膜・管など12種の物理モデルと減算合成を二層で組み合わせるシンセを導入価格 $99 で発表。
Grammys' Asian Pop Category: BTS が出品を見送るなか、グラミー賞トップが新設の「Asian Pop」部門を「世界の音楽産業で最も重要かつ持続的な力のひとつ」への正当な評価だと擁護(本文は会員限定のため見出しと概要のみ)。
Helix Stadium Native Intro Free: Line 6が2026年8月4日にリリースした永久無料のアンプ/エフェクトプラグイン。Agouraアンプ5種と16エフェクト、Proxy clone(最大2つ)、サードパーティIR対応、チューナー・スナップショットを搭載し、mac/Win(AAX/AU/VST3)対応。
🎧サービス・書籍のご紹介

<プラグインメーカー「Okina Audio」>
Okina Audioは、「スタジオ翁」から生まれたプラグインメーカー。
音楽のクオリティは、道具にいくら払えるかではなく、アイデアとセンスで決まるべきです。道具へのアクセスの格差が、そのまま音楽の格差になるべきではありません。
だから、Okina Audioのプラグインは、すべて無料で提供します。
<Splice作曲メソッド>
音楽制作に悩む初心者・中級者におすすめです。
音楽理論や楽器の演奏からスタートする「従来の作曲法」とは異なるアプローチにより、「アイデアが浮かばない」「どこから始めればいいか分からない」といった悩みを解決。アイデアがない状態から1曲を完成させる、実践的なテクニックを身に付けます。
さまざまなジャンルの音楽をゼロから作っていく様子までご覧いただくことで、実践に即した体系的なメソッドを学び、良い音楽を量産する方法を身に付けることができます。
<プライベートレッスン>
作曲・ミキシング・マスタリングに関するプライベートレッスンのご案内です。
具体的なレッスン内容は、事前のメールやZoomなどでヒアリングしてから決めていくことも可能です。
まずは、お気軽にご連絡ください。
<著書>
作曲AIに関する書籍です。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。購入はKindle Unlimitedで。
<VSTプラグイン「BinauralShift」>
音響心理学と脳科学に基づいた、「機能性音楽」のためのオーディオプラグイン。
バイノーラルビートを用いて、デルタ波(睡眠)やベータ波(集中)などを科学的に誘発します。バイノーラルビート生成だけでなく、「モノラルビート」 「アイソクロニックトーン」 、さらには「モンロー研究所が開発した特殊なバイノーラルビート」まで、このプラグイン一つで完結。
また、既存のサウンドにバイノーラル変調をかけることで、音楽としての自然さを保ったまま脳波誘導効果を付与でき、Apple「Sound Therapy」のような音楽を自分で作ることもできます。
<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>
ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。
使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。
プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。
週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.174
2026年8月14日発行
Blog: https://studio-okina.com/

