このメルマガは、AIや最新テクノロジーをいち早く取り入れ、新しいアプローチで音楽を生み出す「次世代のクリエイター」に向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代。AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せる仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロの音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AIを活用した次世代の音楽制作や、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 作曲とミキシングのアイデア帳

  3. 今週の音楽ニュース

  4. サービス・書籍のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

今週も、アメリカ・オレゴン州で夏を満喫しています。

マジックマッシュルームを使ったサイケデリックセラピーは、ひとつのセッションが5時間ほど続きます。映画にすると、およそ2本分。そのピークタイムのための音楽を作っている最中、自分の曲なのに涙が出そうになったのを覚えています。

そして今週のセラピー中、実際にその曲を流したタイミングで、参加していた5人のうち2人が涙を流し、感情を露わにしていました。音楽が人の感情や記憶に与える影響の大きさを、改めて思い知ることになりました。

この5時間のセット、実は一部にAIで生成した音楽を使っています。ゼロから自分で作ったパートと混ぜたハイブリッドミックスです。AIのほうが得意なものはAIに作ってもらい、「AIではこの世界観を表現できないな」と感じた箇所は、自分の手で作りました。

そして涙を流した方々は、どの音がAIで、どの音が自分の手によるものかなんて、まったく知りません。目を閉じて聴いているので、当然といえば当然なのですが。。

サイケデリックセラピーでは、音だけが唯一のガイドで、外からの手がかりはそれしかない。そこまで音に敏感になっている人たちに音楽を届けるという経験を通して、音楽を人間が作るかAIで作るかなんて、どうでもいいんだなと改めて思い知らされました。

それよりも、「聴いた人がどう感じるか」「自分の表現したいものが、ちゃんと音に落とし込めているか」そちらのほうがはるかに大事だと感じます。

そしてこれは、セラピーのための音楽という特殊な状況に限った話ではないと思っています。普段みなさんが音楽を制作するときも同じで、考えるべきはその一点だけではないでしょうか。

最近はAI規制のニュースが世界的にとても多いですが、正直、そんなことを気にする必要はありません。今後、アーティストは間違いなくAIを活用していくでしょうし、つい最近も、メルマガ読者の方から「長年、音楽制作に苦戦していたけれど、AIを活用することで、2ヶ月でレーベルリリースまでこぎつけた」という嬉しいご連絡をいただきました。

作り手のアート性を高め、自分の中にある音楽的なイメージを現実世界に落とし込む。そのサポートをしてくれるAIは、昨今の世界的な規制に関係なく、どんどん広がっていくでしょうね。

音楽制作におけるAIとの向き合い方について、改めて感じさせられたオレゴン1週目の出来事でした。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやアーティストのAI活用術をご紹介します。

【アーティストがChatGPTを作曲に活用する方法 #6】

これから新しいジャンルに挑みたいけれど、何から手をつければいいかわからない。

好きな曲のかっこよさを取り入れたいけれど、どこを真似ればいいのかわからない。

こういうときにもChatGPTが役立ちます。

例えば、ドラムンベースという初めてのジャンルの作曲に取り掛かる際、以下のようなプロンプトを試してみてください。

ドラムンベースという音楽を作ってみたいです。定番のBPM、リズムパターンの特徴、ベースの作り方などを、初心者向けに要点を整理して教えてください。

すると、「BPMは170前後」「キックとスネアを高速で刻むブレイクビーツが基本」「ベースは低く太い」といった、ジャンルの骨組みが出てきます。なんとなく「このジャンルはこういう曲かな」と頭の中で思い描いていたイメージが、言語化される瞬間です。

ここからさらにこの地図を深掘りし、全体から細部へとChatGPTに説明してもらうことで、そのジャンルへのより深い理解を得ることができます。

続いて、自分の好きな曲を分解して学ぶ際には、以下のようなプロンプトを入れてみましょう。

この曲がなぜキャッチーに聞こえるのか、曲の構成とフック、サビの引っかかりの観点から、仕組みを教えてください。

ここでのポイントは、メロディや歌詞をそのまま真似するのではなく、「なぜ効果的なのか」という仕組みのほうを学ぶことです。例えば「サビ頭で一番高い音に飛ぶから耳に残る」といった理由がわかれば、それを今後、自分の曲に応用することができます。

BLACKPINKの「JUMP」という曲について、プロデューサーのDiploが「複数のジャンルを混ぜ合わせた」と語っているように、最近はジャンルを横断する音楽が一般的になっています。

そういった、2つ以上のジャンルを掛け合わせたいときは、以下のプロンプトを試してみてください。

シティポップとドラムンベースを混ぜるなら、どの要素を残すとそれっぽくなりますか?

これで、それぞれの「らしさ」がどこにあるのかを教えてくれるので、ハイブリッド設計の全体像が見えてきます。

このように、新しい曲を作ってみたいけれどうまく言語化できないといったときに、ChatGPTを活用することで、客観的に言語化され、全体像を理解できるようになります。

新たなジャンルを開拓したいとき、憧れの曲を分析したいとき、ぜひこういった場面でもChatGPTを活用してみてください。

📰 今週の音楽ニュース

スタジオ翁独自の視点で厳選した、世界の最新音楽ニュースをお届けします。
  1. Mastering the Mix STEREOVAULT: Mastering The Mix の STEREOVAULT を使い、位相問題やモノ互換性を崩さずにステレオ幅を帯域別にコントロールする実践ガイド。

  2. Almudio 3D Panner: Almudio がリリースした無料の空間オーディオプラグイン。バイノーラル/HRTF 処理でモノ・ステレオ音源をリスナー周囲の3D空間に配置する(ヘッドホンミックス向け)。

  3. Telepathic Instruments Orchid: Tame Impala の Kevin Barker と Telepathic Instruments が共同開発したコード生成シンセ Orchid のレビュー。DAW 連携とコード生成機能を検証。

  4. 34Audiovisuals AlchemDie: Make Noise Strega を非公式にソフト化した AlchemDie が Mac/Win/iOS でリリース(プラグイン €9.99、iOS 版 $5.99)。

  5. Strymon TimeLine MX: Strymon が新型ディレイペダル TimeLine MX を発表。4種の新ディレイ+内蔵リバーブと、2エフェクトを同時稼働できるデュアルエンジンを搭載。

  6. zplane PEEL STEMS 2: zplane の PEEL STEMS 2 が登場。DAW 内でリアルタイムに動作し、アップロード不要でボーカル/ドラム/ベース等をステム分離する。

  7. MonkeyC Rando 2.5: MonkeyC が Rando サンプラーを v2.5 に更新。検索条件ごとに複数のキーボードゾーンを作り、ライブラリからサンプルを整理・トリガーできる。

  8. Ableton Learn: Ableton が Move/Note と同じインタラクティブエンジンを使った無料教育プラットフォーム Learn を公開。ブラウザ上で初心者に音楽制作の基礎を教える。

🎧サービス・書籍のご紹介

<Webアプリ「RoomTune」>

ルームチューニングのためのアプリを開発しました。

もう何度もスピーカーを動かして、部屋鳴りを確かめる必要はありません。

何回使っても無料です。

<VSTプラグイン「Mycelium FX」>

「monome norns」という、小さな実験的サウンドコンピュータの世界で愛されてきた、伝説的なオーディオエフェクトたち。

その代表的な11個を、ひとつのVST3 / AU プラグインに統合しました。

テープエコー、グラニュラー、タイムストレッチ、シマーリバーブ、ブレイクコア・スライサーなど、nornsコミュニティが何年もかけて育ててきたサウンドを、あなたのDAWに持ち込めます。

メルマガ読者限定 100%オフクーポン: smw3e5v

<VSTプラグイン「BinauralShift」>

音響心理学と脳科学に基づいた、「機能性音楽」のためのオーディオプラグイン。

バイノーラルビートを用いて、デルタ波(睡眠)やベータ波(集中)などを科学的に誘発します。バイノーラルビート生成だけでなく、「モノラルビート」 「アイソクロニックトーン」 、さらには「モンロー研究所が開発した特殊なバイノーラルビート」まで、このプラグイン一つで完結。

また、既存のサウンドにバイノーラル変調をかけることで、音楽としての自然さを保ったまま脳波誘導効果を付与でき、Apple「Sound Therapy」のような音楽を自分で作ることもできます。

<Splice作曲メソッド>

音楽制作に悩む初心者・中級者におすすめです。

音楽理論や楽器の演奏からスタートする「従来の作曲法」とは異なるアプローチにより、「アイデアが浮かばない」「どこから始めればいいか分からない」といった悩みを解決。アイデアがない状態から1曲を完成させる、実践的なテクニックを身に付けます。

さまざまなジャンルの音楽をゼロから作っていく様子までご覧いただくことで、実践に即した体系的なメソッドを学び、良い音楽を量産する方法を身に付けることができます。

<プライベートレッスン>

作曲・ミキシング・マスタリングに関するプライベートレッスンのご案内です。

具体的なレッスン内容は、事前のメールやZoomなどでヒアリングしてから決めていくことも可能です。

まずは、お気軽にご連絡ください。

<著書>

作曲AIに関する書籍です。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。購入はKindle Unlimitedで。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

<Chrome拡張>

AI時代は、MYOG(Make Your Own Gear)の時代です。

アーティストが道具を自分で作る未来を模索中。その研究成果として2つのウェブアプリを開発しました。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.170

2026年7月17日発行

Blog: https://studio-okina.com/

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