このメルマガは、AIや最新テクノロジーをいち早く取り入れ、新しいアプローチで音楽を生み出す「次世代のクリエイター」に向けて書いています。
プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代。AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せる仕事も個人で完結できるようになりました。
あなたがプロの音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AIを活用した次世代の音楽制作や、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。
目次
お知らせ
近況
作曲とミキシングのアイデア帳
今週の音楽ニュース
サービス・書籍のご紹介
📢お知らせ
今週、VUメータープラグインの公開予定でしたが、もう少し精度が上げられそうなので、リリースを延期することにしました。
魅力的なVUメーターになるよう、調整中です。
ご期待ください!
📝近況
ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

最近、Sunoで音楽を作りまくっています。
2ヶ月で3,000曲近く制作しましたが、この作業を通して、Sunoの得意・不得意や限界をあらためて知ることができました。
まずSunoは、得意なジャンルと不得意なジャンルがかなり分かれます。
古いジャンル、例えば「トランス」や「カントリー」などは大得意で、音のクオリティもめちゃめちゃ高いです。
一方、「オーガニックハウス」や「K-POP」などのモダンな音楽は、一応生成できるのですが、似たような曲ばかりできてしまいます。
これはプロンプト次第で回避できることもありますが、基本的には、納得できる曲を出すために大量生産して取捨選択するしかない、というのが現状です。肌感としては、17曲に1曲くらいの割合で、すごく良いものが出てくる気がしますね。
僕がボーカルものをあまり作らないので、似たような曲になってしまうのもあるかもしれません。(おそらくSunoは、ボーカルものの方が得意だと思うので)
Sunoで大量生産する一方、Sunoでの音楽制作に少し限界を感じてしまったので、最近は別の方法でも音楽を作り始めています。
それは、SuperColliderを使った音楽制作。
SuperColliderとは、音響合成やプログラミング作曲に特化した、オープンソースのプログラミング言語のことですが、僕の大好きなアーティストCaterina Barbieriが、このSuperColliderを使って音楽を作っていると聞き、ずっと興味を持っていました。
でも、プログラミングで音楽を作るって、結構とっつきにくいんですよね。
そもそも僕はプログラミングがあまり得意ではないため、あの文字の羅列を見るだけで、うぅ…と拒否反応が出てしまいます。
ところが、そのプログラミングを軽々こなしてしまうやつがいますよね。
そう、AIです。
AI×SuperColliderの組み合わせはものすごく強力で、ClaudeなどのAIとSuperColliderを組み合わせることで、完全に自然言語ベースで作曲することができます。
特に得意なのは、環境音楽。いわゆるアンビエントです。
緩やかに変化するシンセサイザー、リズムやメロディパターンなど、自然言語での指示によって次々にフレーズを生成することができます。パラ書き出しやMIDI生成もできるので、後から楽器を変えたりミキシングを詰めたりできるのも大きな魅力。
AIを使っての作曲ですが、Sunoと違って音も良く、AIっぽいノイズも発生しにくい。なぜなら、実際にその場でシンセサイザーによって音を生成しているからです。
まだいろいろと実験中ですが、SuperColliderとAIを使ったアンビエント講座なんて、やってみたいなと密かに考えています。
AI作曲はSunoやUdioだけ、なんてのはもう過去の話で、今はいろんな形でAIを使った作曲ができるようになってきています。
SuperColliderは設定や操作が少し面倒なため、とっつきづらい感じもあるのですが、こういったテクノロジーに抵抗のない方は、ぜひ試してみると面白いと思いますよ!
📘作曲とミキシングのアイデア帳
作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやアーティストのAI活用術をご紹介します。

【アーティストがChatGPTを作曲に活用する方法 #4】
今回は、コード進行にChatGPTを活用する方法です。
普段から自分でコード進行を書いている方も、音楽理論に詳しくない方も使える方法を、いくつかご紹介します。
まずは、ChatGPTに新しいコード進行を出してもらうところから始めましょう。
たとえばこんな感じです。
J-POPのバラードで、8小節のコード進行を5つ出してください。「C / G/B / Am / F」のように、コード名だけを並べる形式で書いてください。ここでの工夫は2つあります。
ひとつは、「5つ出して」と複数の選択肢をもらうこと。
5つ並べることで、それぞれを試して、どれが一番いいかを自分の耳で判断できます。
もうひとつは、出力の型を指定すること。
「コード名だけをこう書いてください」と伝えないと、余計な解説だらけで出力が長くなってしまいます。形を先に決めておけば、返ってきた進行をそのまま使えます。
さらに、こんな一言を足すと、コード進行に詳しくない人でもイメージがしやすくなるでしょう。
それぞれの進行がどんな感情や狙いのものか、15文字くらいで一言ずつ添えてください。これなら、わざわざ5つ全てを試さなくても、どれを試してみたいか瞬時に判断できます。
次に、音楽理論の知識がある方なら、「セカンダリードミナントを1個だけ混ぜて」「モーダルインターチェンジで切なさを足して」のように指定することで、ただ「コード進行を書いて」だけでは出てこない、独自のテイストを与えられます。
「裏コードで都会的に」と具体的に頼めば、「おしゃれにして」と漠然と言うより、狙った方向へ寄せやすくなるでしょう。
難しい理論はわからないという方も大丈夫。
音楽理論の本をパラパラめくって、使えそうな理論をChatGPTに伝えれば、あとの難しいことはAIがやってくれます。
他にも、「この進行を、ジャズっぽい代理コードを使って少しおしゃれにリハーモナイズしてください」と頼んだり、数小節ではなく曲全体のコードを書いてもらうときに「イントロは浮遊感、サビは王道で開放的に」と、各セクションで狙いを変えて設計してもらったりすれば、曲の起伏まで考慮したコード進行ができあがります。
そしてChatGPTは、作るだけでなく学ぶのにも使えます。
好きな曲のコード進行を渡して、
このコード進行を分析して、なぜ気持ちいいのか解説してください
と頼めば、自分の引き出しを増やすのに役立ちます。
音楽の解説書だと、著者が選んだ曲が解説されますが、自分の好きなコード進行を分析したほうが知識として早く吸収できるので、専門書を読むよりこちらのほうがおすすめだったりします。
手が止まったときには、このようにざっくり相談してみるのもいいでしょう。
このコード進行、なんだか物足りないんだけど、何が足りないかな?
こう投げかければ、「ここにテンションを足しましょう」「ベースを動かしてみましょう」と切り口を返してくれるので、悩んで手が止まってしまうのを防げます。
コード進行に行き詰まっている方は、ぜひこういった形でChatGPTを活用してみてくださいね。
📰 今週の音楽ニュース
スタジオ翁独自の視点で厳選した、世界の最新音楽ニュースをお届けします。

Excite Audio Dark Matter: Excite Audioがサンプルベースのシンセ「Evolve Dark Matter」を発表。4レイヤーエンジンでダークなドラムンベース・アトモスフェリックテクノ向けの重低音ドローンや不穏なサウンドスケープを作れる。
Madonna Slams AI: マドンナがVogue Italiaで「アルゴリズムやAIだけで作るのはリスクを取れず、アート制作の真逆だ」とAI依存を批判
Smol Sequencer: ブラウザで動く無料のモジュラー型ジェネラティブ・シーケンサー。音価操作・ランダマイズ・ピッチクラス回転でスケール作曲でき、圧縮リンクでプロジェクト共有が可能。
Deezer Remix Lab: Deezerが「AIを使わず」手動エフェクトでファンがリミックスを作れる機能を発表。アーティストの明示的同意と全ストリームの原曲帰属で、権利尊重型のリミックスを実現。
uJam Retrocraft: uJamのオールインワン・マルチエフェクト「Retrocraft」。真空管アンプやカセット等のハードウェア再現に加え、ローファイ劣化・モジュレーション・ディレイ・リバーブ・グリッチ系の6モジュールでヴィンテージ質感を付与。
Tidal AI No Royalties: TidalはAI生成曲を受け入れるが「100% AI生成」と判定した曲には印税を払わない方針。7月中旬からAI楽曲にタグ付けし、既存アーティストになりすます不正アップロードはブロック。
Pro-Q Alternatives: FabFilter Pro-Qの代替EQプラグイン特集。無料のTDR Nova、廉価なWaves F6、上位のSlate Infinity EQ 2やThree-Body Kirchhoff EQなど10本超を、音は近くてもワークフローの違いで比較。
🎧サービス・書籍のご紹介

<Webアプリ「RoomTune」>
ルームチューニングのためのアプリを開発しました。
もう何度もスピーカーを動かして、部屋鳴りを確かめる必要はありません。
何回使っても無料です。
<VSTプラグイン「Mycelium FX」>
「monome norns」という、小さな実験的サウンドコンピュータの世界で愛されてきた、伝説的なオーディオエフェクトたち。
その代表的な11個を、ひとつのVST3 / AU プラグインに統合しました。
テープエコー、グラニュラー、タイムストレッチ、シマーリバーブ、ブレイクコア・スライサーなど、nornsコミュニティが何年もかけて育ててきたサウンドを、あなたのDAWに持ち込めます。
メルマガ読者限定 100%オフクーポン: smw3e5v
<VSTプラグイン「BinauralShift」>
音響心理学と脳科学に基づいた、「機能性音楽」のためのオーディオプラグイン。
バイノーラルビートを用いて、デルタ波(睡眠)やベータ波(集中)などを科学的に誘発します。バイノーラルビート生成だけでなく、「モノラルビート」 「アイソクロニックトーン」 、さらには「モンロー研究所が開発した特殊なバイノーラルビート」まで、このプラグイン一つで完結。
また、既存のサウンドにバイノーラル変調をかけることで、音楽としての自然さを保ったまま脳波誘導効果を付与でき、Apple「Sound Therapy」のような音楽を自分で作ることもできます。
<Splice作曲メソッド>
音楽制作に悩む初心者・中級者におすすめです。
音楽理論や楽器の演奏からスタートする「従来の作曲法」とは異なるアプローチにより、「アイデアが浮かばない」「どこから始めればいいか分からない」といった悩みを解決。アイデアがない状態から1曲を完成させる、実践的なテクニックを身に付けます。
さまざまなジャンルの音楽をゼロから作っていく様子までご覧いただくことで、実践に即した体系的なメソッドを学び、良い音楽を量産する方法を身に付けることができます。
<プライベートレッスン>
作曲・ミキシング・マスタリングに関するプライベートレッスンのご案内です。
具体的なレッスン内容は、事前のメールやZoomなどでヒアリングしてから決めていくことも可能です。
まずは、お気軽にご連絡ください。
<著書>
作曲AIに関する書籍です。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。購入はKindle Unlimitedで。
<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>
ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。
使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。
プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。
<Chrome拡張>
AI時代は、MYOG(Make Your Own Gear)の時代です。
アーティストが道具を自分で作る未来を模索中。その研究成果として2つのウェブアプリを開発しました。
週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.168
2026年7月3日発行
Blog: https://studio-okina.com/

