このメルマガは、AIや最新テクノロジーをいち早く取り入れ、新しいアプローチで音楽を生み出す「次世代のクリエイター」に向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代。AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せる仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロの音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AIを活用した次世代の音楽制作や、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. お知らせ

  2. 近況

  3. 作曲とミキシングのアイデア帳

  4. 今週の音楽ニュース

  5. サービス・書籍のご紹介

📢お知らせ

ルームアコースティック調整用アプリを作りました!

先週、トランプ大統領の命令により停止された最新AI「Claude Fable 5」で組んだ、ブラウザベースのWebアプリです。

自宅のスピーカー配置をかなり研究していた頃、2〜3日に一度のペースでスピーカーの位置を大きく動かしては、そのたびに測定ソフトのSoundIDで30分ほどかけて測り、部屋鳴りを確認する。これをひたすら繰り返していました。

おかげで、どこにどう置けばいいか、吸音材はどんなものをどこに置けばいいか、という知識や感覚は身についたのですが、いかんせん時間がかかりすぎて、相当つらい作業でした・・・

「あの頃、こういうアプリがあればなあ」とずっと思っていたものを、最新のAIでようやく形にできた、という感じです。

作るにあたっては、まず部屋鳴りや反射を測るうえで参考になる、信頼できる文献を探すところから始めました。

そこを土台にして、周波数特性だけでなく、ルームモードやリバーブタイムまで見られるようにしています。スピーカーと自分の位置を動かすと、総合スコアもリアルタイムで変わります。

その他にも、

  • おすすめ配置3選

  • 総合レポート

  • 吸音材買い物リスト

  • 家具を足したときに残響がどう変わるか

といった機能まで詰め込みました。

自分の部屋の条件を打ち込んで、カスタマイズもできます。

そして無料です。

なるべくクローズドにいきたいので、このメルマガの中でだけお配りします。

気になる方は、ぜひご自身の部屋で試してみてください!

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

先週は、Music Awards Japan に行ってきました。

前回お伝えしたとおり、友人でありアーティストでもある亜門くんの作品がノミネートされ、僕がそのマスタリングを担当していたご縁で声をかけてもらったのです。

おかげで、授賞式からパフォーマンスまで、ぜんぶ現場で見届けることができました。

それにしても、華やかすぎる会場でしたね。

テレビでしか見たことのないアイドルやトップアーティストたちが、同じ食堂でご飯を食べ、レッドカーペットを歩くアーティストを内側から眺める、といったなかなか経験できない場所に、ぽんと放り込まれた一日でした。

サカナクション、Mrs. GREEN APPLE、藤井風、M!LK、FRUITS ZIPPER、サム・スミス、上原ひろみ、羊文学…

数えきれないほどのトップアーティストの演奏も生で観れて、本当に感動しました。

中でも圧巻だったのが、藤井風とサム・スミスです。

サム・スミスに関しては、めちゃくちゃしっとりしたバラードなのに、なぜか体が勝手に動いてしまう独特のグルーヴ、楽器のような声、英語でよく聞き取れないけど、彼(My Guy)への思いが伝わってくる音楽の美しさ、そのどれもに圧倒されてしまいました。

また、藤井風の受賞コメントは感動しすぎて、家に帰ってから何度も見返しています。

この「自分の中の神様と繋がる」という言葉、最近ずっと頭の片隅にあったんですよね。

数週間前にも、僕が尊敬しているある方から同じ言葉を聞いて、「それって一体どういうことなんだろう」と考えていたんです。

それが、この授賞式に来て、少しだけ輪郭が見えた気がしました。

藤井風にあまり興味がない方からすると、「なんだ、この謎の生き物は?」と思われるかもしれません。彼はある程度、キャラクターを演じている部分もあると思いますが、それでも、自分のありのままの姿をそのままさらけ出そうという思いが、はっきり伝わってきます。

心から表現したいものを、誤魔化さずに表現する。それが「自分の中の神様と繋がる」ということなんじゃないか、と思っています。藤井風本人の言う「神様」とは少し違うかもしれませんが、僕はそう受け取りました。

それは、「本当の自分」と言ってもいいし、「ハイヤーセルフ」と言ってもいいし、「インナーチャイルド」と言ってもいい。本来そこにいるはずの自分が、社会に適応するため、仕事をするため、人間関係をうまく保つために、生まれてから少しずつ枷をはめられて、身動きが取れなくなっている。その枷を一つずつ外していく作業こそが、神様と繋がるということなんだと思います。

そしてこれが、トップアーティストのパフォーマンスとも繋がります。

僕が良いと思うアーティストほど、自分をさらけ出していて、本当の自分は何が好きで何を表現したいのかを理解している。つまり、自分の中の神様と繋がっている人たちなんですね。

音楽を通して、自分の活動を通して、少しずつ自分に還っていく。

その作業を、これからも続けていきたいと思っています。

最後に、サム・スミスが教えてくれた素敵な言葉をご紹介します。

「創作で行き詰まったとき、どうしているんですか?」と質問され、彼はジョニー・ミッチェルの言葉を引用して答えていました。

At the point where I'm trying to force something and it's not happening, and I'm getting frustrated with, say, writing a poem, I can go and pick up the brushes and start painting. At the point where the painting seems to not be going anywhere, I go and pick up the guitar.

何かを無理に押し進めようとしてもうまくいかず、たとえば詩を書いていてイライラしてくる。そういうときには、絵筆を手に取って描き始めればいい。そして、その絵もどこにも進んでいかないように感じられたら、今度はギターを手に取る。

Joni Mitchell

音楽制作をしていると、必ず行き詰まることがあるでしょう。

でも、行き詰まりは、必ずしも才能や意欲が尽きたサインではありません。

僕らの中には、いつも何かを表現したいエネルギーが湧いていて、音楽を作るときは、それを「曲」という入れ物に注ぎ込んでいます。

行き詰まりとは、そのエネルギーが枯れたわけではなく、いま向き合っている入れ物に、たまたまうまく流れ込まないだけ。「才能がないのかも」と自分を責めがちですが、たぶんそうではなくて、いまはその器の番じゃない、というだけなんですよね。

こんな時は、特定の作業に固執せず、別の楽器を手に取る、歌詞を書いてみる、いっそ散歩や料理でもいい。エネルギーそのものは絶やさず、注ぎ先を変えてやると、止まっていた力が、またどこかで動き出すのかもしれません。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやアーティストのAI活用術をご紹介します。

【アーティストがChatGPTを作曲に活用する方法 #2】

音楽制作をしていると、知らない言葉が次々に登場します。

サイドチェーン、トランジェント、平行調。

その度に検索しても、極めていくほど新しい単語が出てきて毎回調べるのが面倒だし、ネットの説明を見てもよくわからない。そんなことはありませんか?

そこで今回は、ChatGPTを専属の音楽講師として使う方法をご紹介します。

ChatGPTは単に質問を投げかけてもいいのですが、聞き方にはいくつかコツがあります。

例えばこんな感じ。

DAコンバーターについて、DTM初心者にも分かるよう、
身近な例え話を一つ使って、500文字くらいで説明してください。
途中で専門用語が出たら、その専門用語に関しても丁寧に説明してください。

ここでのポイントは3つ。

まず説明のレベル(初心者向け)、例え話を入れること、そして長さの指定です。

こういったポイントを指定することで、教科書みたいな硬い説明ではなく、すっと入る言葉で返ってきます。例えばあなたが料理人だった場合、「料理に例えて」と言っても面白いかもしれませんね。

そういえば、友達がコーヒーの魅力を説明する際に「ミルはDAコンバーター、水はアンプ、焙煎はマスタリングだ!」と言っていて、とてもわかりやすかったのを覚えています。

みなさんの得意分野・得意領域に例えて説明することもChatGPTにとっては容易なので、ぜひ試してみてください。

次に、サイドチェーンについて尋ねたとしましょう。

このようなプロンプトで、サイドチェーンをかけるための大まかな手順を理解することもできます。

Ableton Liveでサイドチェーンをかける手順を、初心者向けに順番に教えてください。

ここで一つ気をつけておくべきは、ChatGPTは最新の情報に弱いということ。

Abletonの古い手順や機能を紹介してしまうことがあるので、これは大体の流れを把握するために使うのが良いでしょう。

そして最後に、もう一つ便利な裏技を紹介します。

チャットの最初にあらかじめChatGPTの役割を固定しておくと、毎回の操作が楽になります。

専用のチャットを作り、例えばこのように指示してみましょう。

あなたは初心者向けのDTMの先生です。
これから僕が用語を質問するので、毎回「初心者向けの例え話 + 一言まとめ」の形で短く答えてください。

こういったことを一度送っておけば、あとは単語を投げるだけで、いつでも同じ分かりやすい形で返ってきます。

24時間いつでも聞ける、何度同じことを聞いても答えてくれる、優しい先生がそばにいるような感覚ですね。

ただし、ここでも理論の細かい点、特に数字などは毎回鵜呑みにせず、自分で確認する、もしくはChatGPTに深掘りしたり、ソースを尋ねたりすることを心がけましょう。

📰 今週の音楽ニュース

スタジオ翁独自の視点で厳選した、世界の最新音楽ニュースをお届けします。
  1. Latent Terrain for Max: 自分の音をニューラル音響合成で変形できるオープンソースのMax external。ローカル実行で音を新たなテクスチャに変える。

  2. Absynth 6 Techno Instrument: 1つのゴング・サンプルをAbsynth 6で3チャンネルにレイヤー・モジュレートし、重厚に進化するテクノの主役シーケンスを作るチュートリアル。

  3. Focal Diva Alta Utopia: FocalがNaim Audioと共同開発したフラッグシップのワイヤレス・アクティブスピーカー。価格はペア16.5万〜17.5万ポンド。

  4. UDO DMNO Review: Bristol拠点UDOの8ボイス・ハイブリッドシンセのレビュー。同一2モジュールをスタック/切替するPlay Modes構成、価格2,599ポンド。

  5. Beat Writer's Block: 制作の行き詰まりを抜けてトラックを完成させるための実践的な11のヒント(ワークフロー変更・共作・構成目標の明確化など)。

  6. Deezer AI Music Detector: DeezerがSpotify・Apple Music・YouTube Music等のプレイリストを横断スキャンしAI生成楽曲を識別する無料ツールを公開(27言語対応)。

  7. First Ableton Extensions: AbletonのExtension SDK公開と、すでに登場した初期エクステンション(Strip Silence、Chord Voicing Helper等)を紹介。Max for Liveとの違いも解説。

🎧サービス・書籍のご紹介

<Webアプリ「RoomTune」>

ルームチューニングのためのアプリを開発しました。

もう何度もスピーカーを動かして、部屋鳴りを確かめる必要はありません。

何回使っても無料です。

<VSTプラグイン「Mycelium FX」>

「monome norns」という、小さな実験的サウンドコンピュータの世界で愛されてきた、伝説的なオーディオエフェクトたち。

その代表的な11個を、ひとつのVST3 / AU プラグインに統合しました。

テープエコー、グラニュラー、タイムストレッチ、シマーリバーブ、ブレイクコア・スライサーなど、nornsコミュニティが何年もかけて育ててきたサウンドを、あなたのDAWに持ち込めます。

メルマガ読者限定 100%オフクーポン: smw3e5v

<VSTプラグイン「BinauralShift」>

音響心理学と脳科学に基づいた、「機能性音楽」のためのオーディオプラグイン。

バイノーラルビートを用いて、デルタ波(睡眠)やベータ波(集中)などを科学的に誘発します。バイノーラルビート生成だけでなく、「モノラルビート」 「アイソクロニックトーン」 、さらには「モンロー研究所が開発した特殊なバイノーラルビート」まで、このプラグイン一つで完結。

また、既存のサウンドにバイノーラル変調をかけることで、音楽としての自然さを保ったまま脳波誘導効果を付与でき、Apple「Sound Therapy」のような音楽を自分で作ることもできます。

<Splice作曲メソッド>

音楽制作に悩む初心者・中級者におすすめです。

音楽理論や楽器の演奏からスタートする「従来の作曲法」とは異なるアプローチにより、「アイデアが浮かばない」「どこから始めればいいか分からない」といった悩みを解決。アイデアがない状態から1曲を完成させる、実践的なテクニックを身に付けます。

さまざまなジャンルの音楽をゼロから作っていく様子までご覧いただくことで、実践に即した体系的なメソッドを学び、良い音楽を量産する方法を身に付けることができます。

<プライベートレッスン>

作曲・ミキシング・マスタリングに関するプライベートレッスンのご案内です。

具体的なレッスン内容は、事前のメールやZoomなどでヒアリングしてから決めていくことも可能です。

まずは、お気軽にご連絡ください。

<著書>

作曲AIに関する書籍です。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。購入はKindle Unlimitedで。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

<Chrome拡張>

AI時代は、MYOG(Make Your Own Gear)の時代です。

アーティストが道具を自分で作る未来を模索中。その研究成果として2つのウェブアプリを開発しました。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.166

2026年6月19日発行

Blog: https://studio-okina.com/

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