このメルマガは、AIや最新テクノロジーをいち早く取り入れ、新しいアプローチで音楽を生み出す「次世代のクリエイター」に向けて書いています。

プロに限らず、誰もが音楽を作れる時代。AIや最新のテクノロジーを活用することで、本来ならエンジニアに任せる仕事も個人で完結できるようになりました。

あなたがプロの音楽家であれ、これから音楽を仕事にしたいクリエイターであれ、AI等を活用した次世代の音楽制作や、時代に合った新しいリリースの方法を模索しているならきっと参考になるはず。

目次

  1. 近況

  2. 作曲とミキシングのアイデア帳

  3. 今週の音楽ニュース

  4. サービス・書籍のご紹介

📝近況

ここでは、最近取り組んでいる音に関すること、仕事のこと、音楽制作のことについて書いていきます。

先週、XGのライブに行ってきました。

XGは韓国を活動拠点にしている7人組のグループで、メンバーの平均年齢は22歳。 K-PopでもなければJ-Popでもない「X-POP」というジャンルを掲げ、既成概念にとらわれない音楽とパフォーマンスで世界を魅了しています。

去年はアメリカの超有名フェスCoachellaにヘッドライナーとして出演するなど、まさにグローバルな活躍を見せている彼女たち。

そんなXGのセカンドワールドツアー「THE CORE」の日本公演に参戦してきました。

2022年、XGは「Tippy Toes」というディープで音楽性の高い楽曲でデビューし、その後「MASCARA」「WOKE UP」など数々の名曲を生み出してきたのですが、その背後にはサイモンという元K-Popアイドルグループ出身のプロデューサーがいます。

MVの圧倒的なセンスの良さ、ファッション性、音楽のクオリティの高さ。これらは彼が長年K-Popの世界で築き上げてきた土台とセンスから生まれているものといっても過言ではないでしょう。

ところがこのサイモン、なんと今年2月の名古屋公演後にホテルでコカインと大麻を所持していたことが発覚し、エイベックス社員ら計4名とともに逮捕されました。

メンバーにとって父親同然だったサイモンはXGを離れ、今後はカムバックの予定もないとのこと。しかし、彼の功績によってXGの世界観が構築されてきたのは間違いありません。

XGのスタイルは、これまでと違った方向に向かう可能性もあり、もしかすると今が「本当のXG」を楽しめる最後の機会なのかもしれませんね…

さて、ライブについて。

これまでMVのクオリティの高さに感動し自宅で繰り返し観ていましたが、ライブ演出もかなりのクオリティでした。 映像、カメラワーク、エフェクト、音響、歌声、パフォーマンス、どれをとっても一級品で「ライブってここまで進化しているんだ」と素直に驚かされましたね。

AIが音楽を作り、AIアーティストが次々と生まれる中で、人が歌い、パフォーマンスし、観客を魅了するという「人の圧倒的な魅力」に気づかされたライブでもありました。

そして何より、長年音響をやってきた身としては、気になるのはもちろん「サウンドそのもの」のクオリティです。

僕は2階席の遠い位置だったので、音に関してはあまり期待していなかったのですが、ラインアレイスピーカーから放たれる細やかな音の粒と、遠くからでもズンズン感じられる低音のふくよかさ、そしてキレには驚かされました。

最近のPAシステムは、部屋の形や天井の高さなどを入力し、音をかなり細かく制御できます。PAエンジニアの技術もさることながら、こういったシステム自体が日々アップデートされていることを肌で感じました。

特にXGの楽曲は、ヒップホップ要素やハウスなどのダンスミュージック要素が強いので、この低音がなければ、かなりつまらないライブになってしまうでしょう。 そこを見事にクリアしてくる会場の音響とPAはさすがですね。

こういう圧倒的なものを見ると、「僕も何か偉大なことを成さねば!」なんて思ってしまうのですが、美しい音楽を作り続けること、AI×音楽の探求、サイケデリクスと音楽の探求など、自分にできる価値を一つずつ育てていこうと、彼女たちを観て改めて思わされた今回のライブでした。

そして来週は、サイケデリクスと音楽の可能性を探求すべく、アメリカ・オレゴン州へ向かいます。

はたしてどんな音楽体験が待ち受けているのでしょうか。

次週のメルマガでお伝えいたします。

📘作曲とミキシングのアイデア帳

作曲やミキシングが上達する動画・記事・アイデア・最新のAIプラグインやAI作曲ツールをご紹介します。

オーディオインターフェースを使って、楽曲にアナログ味を与える方法

デジタルプラグインがどれほど進化しても、アナログギアを使ったミキシングと比べると、デジタルだけで完結させた音楽にはどうしても「デジタルっぽさ」が残ってしまいます。

かといって、数十万円もする高価なオーディオインターフェースにサミングミキサー、アナログコンプレッサーなどを揃えるのは現実的ではないですよね。

そんな時におすすめなのが、Antelope Audio Zen Quadroを使った「アナログ/デジタル・ハイブリッドサミング」という方法です。

これは実際に、今年リリース予定の楽曲にも使った手法なんですが、要はZen Quadroに搭載されているフラグシップ機譲りのAD/DAコンバーターを通して、マスタートラックに出力→再入力のループを作るというものです。

DAWで作った音楽を、Zen Quadroを経由して一度外に出し、もう一度入力する。

これだけでも多少のアナログ感が出ますが、さらにこだわるなら、AntelopeのReel to Reelというプラグインを組み合わせるのも面白いです。テープのサチュレーションやコンプレッションが加わることで、デジタルだけでは出せない質感へと変化するんですよね。

単なる入出力によるアナログ感の付与だけでなく、もう一段上を目指したい方は、こちらもぜひ試してみてください。

そもそもZen Quadroは、先ほどもお伝えした通り50万円以上するフラグシップ機に匹敵するチップが内蔵されているので、スピーカー用のオーディオインターフェースとしても超一級品です。使ってしまうと、Babyface Proなど「音が良い」と言われているインターフェースにすら戻れない魅力があります。

もし今後、オーディオインターフェースの買い替えや新規購入を検討しているなら、このアナログを付与する手法も視野に入れて、Zen Quadroを選んでみてはいかがでしょうか。

すでにインターフェースを持っている方は、ぜひこの方法で自分の楽曲にアナログっぽい質感を与えてみてください。

デジタルだけでは再現できない、独特な雰囲気が出ますよ。

📰 今週の音楽ニュース

スタジオ翁独自の視点で厳選した、世界の最新音楽ニュースをお届けします。
  1. Banan-a-Synth Pre-order: MicroKits発のバナナ型タッチシンセ、12音色・4ノートポリ対応でKickstarterにて$56〜予約開始。

  2. Reason 14 Public Beta: LANDR買収後初のメジャーアップデート、トラック中心にUIを再設計したReason 14がパブリックベータ公開。

  3. DrumBot AI Chatbot: 対話でドラムパターンを生成するAIチャットボット型ブラウザドラムマシン。

  4. NI Insolvency Update: Native Instrumentsが破産手続きの進捗を報告、複数のオーディオ/テック企業から買収に強い関心。

  5. AXPONA 2026 Picks: Darko.Audio選出のAXPONA注目3製品、Dutch & Dutch 15cやJones & Cerreta Troubadour等の高級スピーカー。

  6. Coachella 2026 Wrap-up: Weekend 1まとめ Bieberの物議セット、強風によるAnymaキャンセルとファン負傷事故。

  7. Free Granular Synth: SoundToolsの無料ブラウザベースグラニュラーシンセ、アカウント不要でWAVダウンロード対応。

  8. Free Plugins Roundup: Lyra-8クローン「LIRA-8」、デエッサー「Deess-ertic Lite」、BBDディレイ「Echodude」の無料プラグイン3選。

  9. Techno Producers Workflow: Drumcode等で活躍する8人のテクノプロデューサーが「すべて録音し残す」制作哲学を解説。

🎧サービス・書籍のご紹介

<Splice作曲メソッド>

音楽制作に悩む初心者・中級者におすすめです。

音楽理論や楽器の演奏からスタートする「従来の作曲法」とは異なるアプローチにより、「アイデアが浮かばない」「どこから始めればいいか分からない」といった悩みを解決。アイデアがない状態から1曲を完成させる、実践的なテクニックを身に付けます。

さまざまなジャンルの音楽をゼロから作っていく様子までご覧いただくことで、実践に即した体系的なメソッドを学び、良い音楽を量産する方法を身に付けることができます。

<プライベートレッスン>

作曲・ミキシング・マスタリングに関するプライベートレッスンのご案内です。

具体的なレッスン内容は、事前のメールやZoomなどでヒアリングしてから決めていくことも可能です。

まずは、お気軽にご連絡ください。

<著書>

作曲AIに関する書籍です。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。購入はKindle Unlimitedで。

<Suno AI、Udio用プロンプト生成ツール>

ChatGPTで使える、プロンプト生成ツールを作りました。

使い方は簡単。自分の好きなアーティスト名を入力するだけで、そのアーティストの特徴を出力してくれます。それを、Suno AIやUdioなどのプロンプトとして入力することで、そのアーティストのテイストに近い音楽を、AI作曲ツールが生成してくれます。

プロンプト選びに悩んでいる方は、ぜひ活用してみてください。

<Chrome拡張>

AI時代は、MYOG(Make Your Own Gear)の時代です。

アーティストが道具を自分で作る未来を模索中。その研究成果として2つのウェブアプリを開発しました。

週刊「スタジオ翁」ニュースレター版 vol.157

2026年4月17日発行

Blog: https://studio-okina.com/

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